ヤギさん郵便No.53「冬の過ごし方」

最近なぜがよく思い出すんです。昔セクハラされたこと。その日はショックだったんですけど、他に大変なことがあったからセクハラされた事なんて忘れていたんです。

でもこの頃よく思い出すんです。触られた時のその人の手の感触、その人が私の耳元で囁いた言葉。

気分も落ち込むし、凄く疲れる。また押し込める事も出来るけど、その感情が消え去る事はないので、諦めてその感情が出るままにしています。

私のパターンですけど、こんなにしょっちゅうトラウマを思い出すのって、好転反応みたいなもんなんです。陰極まれば陽となる。ネガティブな感情が吹き出している時は辛いけど、しばらくすると軽くなる。心だけじゃなくて体も以前より軽くなります。

負の感情の蓋が開くと辛い。やりたいことは沢山あるのに下に引きずり込まれ思うように動けなくなる。

でも、これもいずれ終わります。

今までは負の感情が出てきた時に押し込めて、流れに逆らっていたけど今は諦めています。流れに逆らえば逆らうほど体力を奪われることに気付いたんです。それにいくら押し込めても何度も繰り返し襲ってくるんです。

だから、深く落ち込む時は落ち込むようにしています。でも、落ち込む時間を決めたりして深く落ち込み過ぎないようにもしています。ネガティブって底なし沼だから永遠に落ち込めるんです。

ネガティブな感情が出てきた時、そうじゃない時みたいなパフォーマンスは出来なくなります。仕事のミスも増えます。だから「ごめんなさい」の数も増えます。
でも、絶好調の時と同じようなパフォーマンスは諦めて、体調に合わせた働き方、生活を探した方がいい。

以前はどれだけ疲れていても夜ご飯を作ることは私の責任だと思っていたんです。頭が勝ち割れるほど痛くても無理をして作っていました。それが母親としての責任だと思っていたんです。いま考えると不思議ですけど、それが良い母親だと勘違いしていました。

でもある日「頭が痛くて夜ご飯作れない」と息子に言うと、「オムライスを作ろうか」と言ってくれたんです。そして誇らしそうにオムライスを作ってくれました。とても美味しかったです。

今までは自分に無いものを頑張って補わないといけないと思っていたけど、出来ないことは出来なりの工夫をしています。

そうやって小さな発見をすると、少し楽しくなるんです。冷たい人は相変わらずいるけれど、優しい言葉をかけてくれる人もいる。

この頃はこう思うようにしています。
冬なら冬なりの楽しみ方があるんだって。

　　

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