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初がとまらない

前回の記事からは一転、話題はVRChatへと飛躍する。

事の経緯は回を追って詳細に言及する予定であるが、世界への途方も無い抵抗としての目的は別に存在し、あくまでVRChatは深澤(人生ザウルス)が選択した手段としての道具にしか過ぎない。現状の説明は以上で充分であると考える。

VRChat初日の出来事

様々な仕事やゲーム等において、目的とするゴールに到達する為には使用する道具の事をよく理解しておく必要がある。深澤はその点VRChatもとい情報技術的な分野には全くの無知であった為、いかなる形であれ、上手な滑出しが求められていた。VRChatはSNSとしての側面を強く有している発展途上のサービスであり、初期に上手く波に乗れなければ、電子の海に沈みやがて視認不可能な存在となるような、人の入れ替わりという意味での流動性が激しいように感じる。事実として、初期の頃に知り合ったフレンド達の中には既に2桁日数オフラインを継続している者もいて一種の孤独を感じた事もあった。

画像右、デスクトップの為棒立ちの深澤

初期の歩き方を手解きするWebサイトを読み漁り、「[JP]Tutorial World」という世界を覗く事が最適解と結論付けた為に潜入。PCでゲームを一度も遊んだ事が無い為、移動の方法がわからぬ。適当にキーボードを叩いてたら匍匐前進の形態を取ってしまい、移動が芋虫のような速度から回復せずして、そのままクイズ3問に挑む姿は側から見ればさぞ滑稽に見えたに違いない。

JPTを彷徨いながらぼんやりと壁の説明書きに注視して設定に変更を重ねていると、話しかけてくる者がいた。ああ、怖い、ああ、困る、胸がどきどきする。シャイな性格が災いしかけたが、勇気を出して返事をし、振り返る。目の前には直立二足歩行をするバナナが立っており、驚きのあまり心臓が止まるかと思った。

彼は初心者に向けて有志で案内をしているそうで、云々と諸々の過ごし方や注意について優しく教えてくれた。当時はデスクトップへ直接に返事等を語りかけていたので、どうしても声が反響してしまう。解決策について質問をしても嫌な顔ひとつせず答えてくれて、嗚呼深澤はこのように誰かに何かを与える側の人間(バナナ?)になりたいな、と心の片隅で尊敬の念を抱いていた。この場を借りて、バナナさんにお礼を申し上げたい。

同じ画像が2枚表示されており恐縮だが、操作自体に手一杯で写真を撮る余裕が無かったのでご容赦頂きたい。

何やらツイートでは立派な事を言っているが、そういう事を言いたくなるお年頃という事で納得し、可愛く見守って頂けたら僕は救われるだろう。会った事が無いと想像が付かない可能性はあるが、深澤は君たちが思っているよりもめっぽう気さくな人生ザウルスで、突拍子も無いふざけた𝑪𝒐𝒐𝒍で𝑼𝒏𝒊𝒒𝒖𝒆な事が大好きなのであるが、ここでは本題から外れてしまう為、需要があれば自己紹介あたりで話す事にする。

本題に戻る。実を言うと、バナナさんとはそれ以来会っていない。多忙になってしまった為であろうか、数日で彼もオンライン上から姿を見せなくなってしまい、いつしかTwitterの更新も途絶えてしまった。おいおい判明した事だが、どうやら彼はuserで、初心者案内屋も僕に対してが初めてだったようだ。深澤という厄介な人生ザウルスが最初で最後の初心者案内だなんてあまりにも可哀想なので、是非とも戻ってきて、また新たな芽生えに水を注いで欲しいと願う所存である。

深澤が序盤で言及した「上手な滑出し(=スタートダッシュ)」についての見解を述べると、それが成功する要因のうちに占める「初心者案内屋」の割合はかなり大きい。コミュ力が人一倍高いとか、現実やネットの友達に誘われて始めた等の場合は少し話が変わってくるが、例えば漠然とした理由だけでVRChatに飛び込んだり、深澤のようにシャイな男が1人でVRChatにカチコミに行くと、大抵誰にも話しかけられずに沈んでゆく。そうならない為には、VRChatで多少顔が広く、新人を引っ張ってくれる(沼に積極的に落とそうとする)パワーのある初心者案内屋に拾ってもらう必要があるように思われた。

文字ばかりでつまんないからなんとなく挿入しためっちゃ美味い唐揚げの画像(深澤作)

その観点だけで言えば深澤は不幸だった。深澤は生まれると間も無く、ただ1人のバナナであり母親である初心者案内屋を失い、生き続ける為に必要な養分や知恵の源泉を奪われてしまったのである。

ただ深澤には目的があったし、それを言い訳にするほど甘ったれた受け身で情けない人生ザウルスではない。VRChatという道具を捨てるつもりは無く、更なる理解を求めて世界を覗く。今度は自分から理解を試みようと他者への接近に尽力した。シャイな人は是非、ここで勇気を振り絞って自分の可能性を広げてみてほしい。これが後に功を奏し、大きく世界を拓いてゆく事になる。

おまけ:タイトルの元ネタ

確かに、他人の家の庭に勝手に入って、花の蜜を吸いまくってみたくは、ある。

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