ファイアーエムブレム 風花雪月 雑感想

風花雪月の一周目、黒鷲ルートをクリアしました。
感想書く気は無かったけど、最初の感想忘れたくないし、自分のためのメモも兼ねて書いていきます。
ネタバレはしまくる。

他ルートの感想もクリアしたら書きたいけど、気まぐれなので結局書かないかも。

ゲームシステムやシナリオ、キャラ、ペアに関してなど言及していくので、カップリングとかそういう話が苦手な人は注意してください。

〇ゲーム性とシナリオの関わりについて

このゲーム、ストーリー展開が特別優れているわけではない(むしろ普通、なんならあっさりしてて物足りない)と思う。
でもゲームとして見た時にシナリオとゲーム性の絡め方、キャラのシナリオに対する利用、配置の仕方がめちゃくちゃうまいんじゃないかな?

このゲーム、構成としては大きく2部構成で、学園ものパートと戦争パートに分かれてる。
学園ものパートはキャラゲーらしく生徒と交流を深めて、自分の受け持ったクラスの生徒を育成していくと。

私はシミュレーションゲームって風花雪月が初めてだったもので一般的にどういう感じなのかわからないんだけど、風花雪月ってシミュレーションゲームであり、育成ゲームであり、キャラゲーだと思うのね。
ストーリー展開で見せるんじゃなく、キャラ描写で見せる。

学園ものと戦争っていうのが、キャラゲーとしての性質とすごくマッチしてると思う。
シミュレーションだから戦争をする、
育成によってキャラを成長させる、
キャラものだから学園もの、
私はシナリオとゲーム性が融合したゲームが大好きなので、これだけでもうこのゲーム好きです。

キャラクターの成長っていうのは、このゲームではステータス的な部分ももちろんだけど、物語として精神面の成長や変化っていうのは、学園ものと凄く相性が良い。

学校ていうのは、子どもがいるところだから。
学園ものパートの生徒たちは子どもなんだ。
そして子どもは成長して大人になっていくものなのね。

それが2部の戦争パートでは、1部から5年の開きがあって、戦争という現実に生きるために大人になった生徒たちが描かれる。

この時点でこのゲームは勝ってます。
特別ストーリー展開が優れていなくても、この時点でこのゲームはもう面白い。

キャラゲーとして満点。

〇キャラへの愛着の持たせ方

バディミッションbondを作ったコーエーテクモが開発協力しているみたいで、テキスト差分やキャラ同士の関係性の描写の気合の入れようが半端ない。
生徒同士の関係を見れる支援会話とか、こんなオタクがうれしいシステムありますか?
男女キャラで関係を深めるとそのキャラが結婚したりするんですよ?
後ほどノリノリで語るけど、私の忘れていたカプ厨精神が復活しました。

さらに凄いのが、このゲーム、5年後の戦争では生徒同士で殺しあうハメになる。
他クラスの生徒をスカウトできるので幼馴染同士で殺しあうなんて状況が生まれちゃうわけ。
専用セリフがあってびっくりした。
(私のプレイで2人他クラスのキャラをスカウトしたけど、うち1人はすごくかわいそうだった)

2週目以降別のクラスを受け持てば、必然、自分が育てて成長を見守ってキャラを殺すことになる。
正直今からめちゃくちゃ怖いです。
黒鷲の子たちを殺すのが。

ある意味、一周目はこのゲームの楽しみが一つ味わえないんだけどね。
一周目はどうしても他クラスの子たちに愛着がないから。

散々愛着を持たせておいて他ルートでは殺さなきゃいけないという鬼畜さ。

キャラゲーとして満点。

○キャラゲーとしての自由度

誰をスカウトするか、誰が誰との支援を上げるかはある程度自由なわけだから、
プレイヤーによって、キャラの関係性やらは異なってくる。

そういうの凄く好きですね。
私はデトロイトビカムヒューマンとか好きで、プレイヤーがゲームに対して積極的に作用できる作品が大好きなんですよ。

風花雪月はそういうゲーム性をキャラゲーとして極めています。

キャラゲーとして満点。

◯キャラクター描写の絶妙さ

あとこれに関してはどう思うか個人差があるでしょう。
風花雪月はキャラゲーなのでキャラクターの描写が気合い入ってるんだけど、キャラ描写の量が絶妙だと思います。

このゲーム、他のRPGみたいにキャラ1人にスポットが当たって成長が描かれるみたいなものではないですから、皆フラットなんですね。

支援や散策でキャラの心情に触れることができて凄く丁寧なんだけど、

描写が多すぎない。

描写の少なさというのはある意味で強みです。
自分の都合の良いようにキャラの心情を解釈できますから。
自分の好みにキャラ同士の関係も構築できる。

あと心情描写の少なさっていうのは、ある種の実在感、リアリティーにつながります。

そのキャラがその世界で生きていると感じられる一要素になるんですね。

他人が何を考えてるかってわからないじゃないですか。
風花雪月のキャラ描写は丁寧なんだけど、絶妙に他人としての距離感で描写されてる。

キャラの心情がリアルなわけではなくても、妙に生々しく感じる。
そのキャラクターがその世界で生きていると感じさせる。

キャラゲーとして満点。

〇プレイヤーに積極性を強いる構成

これは少し個人的な感想です。

このゲームのこと散々誉めたんですけど、ちょっと嘘を吐きました。
このゲームは軽くやってみて「めちゃくちゃ面白い!」という作品ではありません。

実は最初はこのゲームの面白さに気づかず途中で1年ぐらい放置していたんですが、あることがきっかけでこのゲームの極められたキャラ造形に気づいてしまったんですね。
そこから急激にハマっていきました。
プレイしていない人が読んでいるのなら、いますぐ回れ右して自分でやりましょう。
これは自分でプレイすべきゲームです。

風花雪月って単純にストーリー展開を追うだけの受け身なプレイをするとつまらないゲームだと思うんですよ。
何度も言いますがストーリー展開で見せるゲームではなく、キャラゲーだから。
このゲームを楽しもうと思ったら、

まず図書館の本を全部読んでフォドラの歴史を知り、
キャラクターがそれぞれどんな家の子どもなのか把握し、
生徒の名簿の所見に目を通す、
が最低限必要です。

これで最低限、というよりこれが前提です。

フォドラの歴史なんてストーリー上で誰も説明してくれません。
キャラにわざわざスポットを当てて心情を教えてくれるようなこともしません。

そういう意味ではこのゲーム、凄くマニアックな気がします。
ここまでプレイヤーに積極性を強いなければ面白くならないゲームってなかなかないと思います。
少なくとも私は放置する前のあの受け身なプレイスタイルでこのゲームを続けていたら、きっとここまでハマっていません。つまらないとさえ思ったかも。

このゲームを楽しむ鍵は、
プレイヤーが積極的にキャラクターに向き合い、そのキャラがどういう環境で育ち、どういう思想を持ち、それが他のキャラにどう影響するのか、というゲームの本筋のストーリーでは触れられない部分に興味を持って、自分からそのヒントになる台詞を散策や支援会話で拾い出していくことなんですね。

なんというか凄いです。
そういうゲーム設計ってアリなんですね。
びっくりしたのが、講義での質問台詞や目標進言台詞すらそのキャラの内面に関係するものがあることですね。
それを拾おうと思ったらどれだけ注意深くプレイすればいいんでしょうか?

そこまで積極的にならなければ楽しめないゲームだと私個人は思うし、ひょっとしたら私はこのゲームを普通のゲームと評価していたかも知れないのですが、キャラクターの丁寧で生々しい作りこみに気づいた瞬間の衝撃は忘れられないです。
こんなキャラの作りこみが出来たら、そりゃあバディミッションBONDが生まれるのは必然です(バディミッションBONDも名作です)。

風花雪月はキャラゲーとしてかなりの名作です。

◯個人的雑感想

私がプレイした風花雪月、黒鷲帝国ルートの物語をキャラを中心に語っていきます。

キャラ別感想、
ペア別感想、
スカウト組が帝国についた理由付け、
黒鷲学級の生徒の傾向
の順に語っていきます。

ちなみにスカウトしたのは
マリアンヌ、
シルヴァン、
2部でリシテア

ペアエンドは、
先生とエーデルガルト、
ヒューベルトとフェルディナント、
リンハルトとマリアンヌ、
ペトラとカスパル、
ベルナデッタとイエリッツァ、
ドロテアとシルヴァン
でした。

◯キャラ別感想

●主人公べレス(ベレト)

私は喋らない主人公に自己投影してプレイするタイプではないです。
喋らない主人公は喋らないという性質を持った主人公として見ているし、私はその「主人公を操るプレイヤー」という立ち位置で物語に接しています。

私はもともと物語の主人公が大好きなのですが、実はゲームの主人公というのが特に好きですね。

なぜって「特別」だからです。

ゲームの主人公(小説の主人公もなんだけど)はアニメや映画の主人公と違って特殊な立ち位置にいます。
というのもゲームと小説は「視点」をより意識させられるからです。
その視点から他のキャラを見る。
だからこそ、その視点に立っている主人公のことは見えません。
ゲームの主人公は見えないもの、わからないもの。

そういう主人公が好きな私にとっては、風花雪月の主人公はかなり気になる存在です。

彼女(彼)の存在がどの陣営が勝つかのファクターになっているし、女神に連なるものだからもちろん特別。

まだ黒鷲帝国ルートをクリア(さっき煤闇の章もクリアした)だけなので風花雪月の物語の核心にはあまり迫れていないと思うのだけど、主人公とプレイヤーの関係についてメタ的な理由付けがされていたらめちゃくちゃ好きです。

まあでもそのあたりはあまり期待していないかな?

プレイしてて思うんだけど、このゲームは周回前提のゲーム構成になっているので、大半のプレイヤーは当然一周目とは別のクラスを受け持って別の流れに入るわけだ。
制作側がそこらへんに意味付けをしないというのは考え辛いと思う。
(天拍の鼓動なんていうシステムしかり)

もし意味付けがされるなら、主人公がどんな思いで風花雪月の物語をループしているのか非常に気になる。

何を求めて繰り返しているんだ。先生。

結局ゲームの構成の話になってしまったけど、なんやかんや主人公は好きです。

戦闘面では周りの状況に合わせて役割が変わるサポート役。
火力は高いし頼りになる。
信仰を地味に上げていたので、2部のきつい戦闘では回復が追い付かない時は敵陣に突っ込める回復役としても使いました。
個人的に先生より生徒を活躍させたい気持ちがあったのもあり、生徒を死なせまいと信仰を鍛え、率先してサポートに回る優しい先生というイメージがある。

そういえば炎の紋章って結局何だったんでしょうね?

●エーデルガルト

まずビジュアルが良いですね。一目惚れです。
色の組み合わせもシルエットも最高です。
風花雪月のキャラのビジュアルでは学生エーデルガルトが1番好きです。(ちなみに2番目は学生クロード)

黒鷲を選んだ理由としては見た目もそうですが、最初に先生が庇う場面があるのもそうですね。
先生と同じ炎の紋章を持っていたり、何かと縁があるキャラクターだと思う。
こんなのメインヒロインじゃん。

彼女は皇帝になれる唯一の人なので、自分にはアドラステアの未来がかかっている、と考えています。
紋章主義のフォドラで宰相によって紋章を植え付けられたエーデルガルトは、そんな紋章主義とそれによる世襲制度を打開したい。
個人の能力が正しく評価され、正しく能力を生かせる世界を目指す。
そのために紋章を与えた女神の眷属であるレア様を倒し、セイロス教の支配を終わらせる。
そのためならば、今犠牲を出しても良い。

レア様と対立してエーデルガルトを守るか切るかの選択肢の場面は黒鷲帝国ルートで一番盛り上がると思う。
この時、私のエガちゃんに対する好感度が限界突破した。
「そうか、私はエガちゃんが積み上げた死体の上で野望をかなえる姿が見たかったんだ……」

エガちゃんのことをね、見ていたいんですよ。
正しいとか正しくないとかはどうでもいいんです。
こいつがどういう運命を辿るのかただ見届けたいんです。
(正直エガちゃんのやり方が正しいとは思わんけど、歴史は勝った方が正義になるので、どこが勝ったところで結果はそれなり以上になると思っている)

目的の為に冷徹になろうとするキャラだけど、感情を抑えられているかと言われれば微妙かも?

でも野望のために感情を捨てるエガちゃんはめちゃくちゃ好きですね。
私のエガちゃんへの愛は歪んでるんですよ。
他のキャラに対しては「健やかに幸せに生きてくれ」と思ってるけど、エガちゃんに対しては「自分の下した決断に感情が追いつかず苦しむ姿がもっとみたい」と思ってます。

つまり、黒鷲帝国ルートのエガちゃんは、

物足りない。

おまえはもっと苦しめる。

エガちゃんが先生のこと好きすぎるのが問題なのかな?
先生がいるとエガちゃんが幸せになってしまう。
最後に先生はエガちゃんと結婚させたけど。

エガちゃんは他のルートの視点から見たほうが面白いのかもしれない。
エガちゃんにハッピーエンドとか求めてないんですよ!

炎帝なんて名乗っていたり黒鷲遊撃軍だったり、エガちゃんの趣味はちょっと中二病入ってて、真面目なキャラなのに、妙に笑える。
エガ「私のもう一つの名は、炎帝」
え? はずかしくない?
苦しんで欲しいと言いつつ、エガちゃんの人間性とかそういう中二病な部分はかわいくて普通に好き。

ところでエーデルガルトは「七貴族の変」で父のイオニアス9世が実権を奪われたのにも関わらず、その貴族の子である学級の面々に対してそういった面はおくびにも出さないんですね。
世襲制度や血縁主義、紋章主義を廃したいからこそ、親は親、子は子、と分けて考えるのだと思います。
紋章を植え付ける実験を主導したのがエーギル宰相ですが、フェルディナントに対して憎しみみたいなものは、私が見た限りでは一切感じませんでした。

そういった理性的な面(単純にそういう価値観ではないからかもだけど)に加えて等身大の人間らしさを持ち合わせた彼女だけど、正直一人だけならフォドラを統治していくのは無理だと思います。
(なんとなく思想が現状を壊すことに寄っているように思う。壊したあと、どうより良い制度を構築するかが大事だから)
そんな器は持ち合わせていない。
でもエーデルガルトは黒鷲の学級の生徒との関わりを経て変化して、なおかつ周りにその生徒たちがいてこそ、フォドラを統一する皇帝にふさわしいものになる、と考えます。
エガちゃん一人ではあまりにアンバランスな気がするんだ。

というか今思ったけど、
私はいまだにエガちゃんのことを理解していない気がする。
紋章主義の世界を変えたい、というのは分かるんだけど、あんな強行策に出たのはなぜだ?

自分は皇帝にならなきゃいけなくて、未来がかかっているっていうのも、理性からそう思ったことなんだろうか?
きょうだいが皆死んで自分のために多くの人が犠牲になったから、とは言ってたけど、それに加えてなんらかの出来事があって、それが彼女にそうしなきゃいけない、という思考を植え付けたんじゃなかろうか?

なんとなくエガちゃんの根っこって理性ではなく感情だと思うのね。
自分が世界を変えるって思考は、ある種の脅迫観念めいたものなんじゃないかと。
そんな感情を理論武装した結果が今のエーデルガルト。

ディミトリと昔からの知り合いみたいだし、青獅子や教会ルートやればもう少し分かるんだろうか?
そう考えると青獅子ルートがめちゃくちゃ楽しみですね。

戦闘面ではうちの随一のアタッカー。
最後はドラゴンマスターにしました。
先陣を切って敵に立ち向かう強い皇帝でした。

●ヒューベルト

最初から好きだったけど、じわじわ好きさが上がっていったキャラです。

エーデルガルトとの主従関係に萌えていたので、エーデルガルトとセットで好きです。
最初こそはエガちゃんとの関係でばかり見ていたんだけど、彼個人の人間性が面白いと気づいたのはいつだったか……

冷徹で手段を選ばなくてエガちゃん以外の人間に興味無さそうな第一印象に対して、ベルナデッタとの支援とかで見るおちゃめさみたいなのが凄く面白い。

エーデルガルトへの揺らがない忠誠、
かといって主に何もかもさらけ出すわけじゃない個人の意思、
目的のために手段を選ばない残忍さ、
ベルナデッタの行動に率先して注意をしたり、リンハルトを講義に呼びにきたりする面倒見の良さ、

そういう色んな面が同居していて多面的な人間。
私の中のイメージではなんだかんだ黒鷲の生徒のまとめ役です。

クククって笑ったり、ああいうキャラを彼自身演じていると思うんだけど、ふとした瞬間、
こいつふつうに楽しんでるだけなのでは? 
と思う。

理性的に見えて、でもそれと同じぐらい凄く感情的で人間らしい人間。
そもそもキャラを作るっていう時点で人間らしいよね。
冷徹な人間性は彼のキャラ作りの結果な部分ありそうだし(それをしなきゃいけない環境に育ったということでもある)
素はけっこうおちゃめで面白い人だと思います。

ペア感想のところでも触れるけど、フェルディナントとの支援が地味に彼の人間性を捉え直すきっかけになった。
なんだ、やっぱり普通の人間じゃん、って。
支援Aの数の多さ的にも、人間性が普通にまともで人とちゃんと関係を築ける人なんだと思う(それができない例がシルヴァン)。
極端なキャラ付けじゃなくてバランスがいいよね。風花雪月。

戦闘面では高火力魔法アタッカー。
前には出られないから活躍する機会は少ないけど、いざというときに敵を倒せるので頼りにしてた。

●フェルディナント

最初にフルネーム覚えたキャラ。
最初から良いキャラしてると思ったけど、まさかここまで好きになるとは思わなかった。
彼の人間性を知れば知るほど面白い。

エーギル宰相の子でエガちゃんに対抗心を燃やす自称ライバルという時点で好きだけど、彼の見どころは変化だね。

風花雪月は1部から2部で5年が経過するわけだけど、その年月の経過を黒鷲で最も感じたキャラでした。
子どもが大人になったと感じたキャラ。
私は子どもが大人になる話が好きなので、そこも刺さった要因のひとつですね。

学生時代のバカなぐらいのまっすぐさと無邪気さから他キャラにウザがられてるのを見るたびに、私はこう思っていましたね。
「フェルディナント、どれだけ世界が変わろうとも、おまえはおまえのままでいて良いんだぞ」

大人になるって子どもでいられなくなることだと思うんですけどね。
私は、2部で戦争が起こったらみんな変わってしまうだろうと思ったんですね。
目の前の現実を見て自分の愚かしさを知っていったり、
望まない自分の役割を受け入れてしまったり、
大人になることは悲しいことなんですね。

でもきっとフェルディナントなら、そのままでいてくれるんじゃないかと思ったんですよ、私は。なので5年後の戦闘時の台詞やらエーデルガルトの支援Bや先生との支援Bで大ダメージを負いました。

変わってしまった。
フェルディナントが現実を知り大人になってしまった。

エガちゃんとの支援Bフェルディナントの心がいったん折れて支援Aまで立ち直らないので、エガちゃんとの食事会話やらを見る度にダメージを負いました。

父のエーギル宰相は罷免され、領地を失って、誇りだった貴族の立場も失って、エーデルガルトの下で一兵士として戦うフェルディナント。
ある意味、黒鷲の中でも一番環境が変化したキャラなのかもね。

戦闘時の現実を受容する台詞が地味に聞いてて辛いです。
「戦場に出るんだ。覚悟はできてる」とか、
「許しはいらない。それが戦いだ」とか、
現実と理想のギャップをそれでも受け入れちゃうところは、やっぱりメンタルが強いんだろうね。

で、
そんな元々の強メンタル、現実的思考、自分の理想を追い求める高潔な精神を併せ持つフェルディナントが子どもの無邪気さを捨て、大人になり、挫折を経て立ち直った結果どうなるかというと、

究極の光属性みたいな人間が出来上がった。

なんなんだこいつは。

こいつの事を考えてあまりの良い奴さに吐き気を催したことがある。

人間の範疇に収まっているのかいないのかのギリギリの境目。
聖人に片足突っ込んでそうだけどお願いだから人間でいてくれ。

話は変わりますが、黒鷲の学級の生徒って基本的に理性が強めだと思うんだけど、「環境が人を作る」という言葉や、ヒューベルトとの支援会話、5年後のディミトリに対する評価であったり、フェルディナントは黒鷲の中でもかなりの理性人間かもしれない。

そもそも普段の彼は素ではないと思ってるんだけど、あの大げさな言動って演じているものだと思うんですね。
彼の場合、ずっとそれをやっていて演技が板についているので素はどっか行ったって感じだと思う。
感情的な言動をしているけど、中身まで感情的か分からない。

ディミトリに関する台詞でうろ覚えなんですけど、「王は感情を捨てなければならない。それができないならば王をやめるしかない」みたいなことを言うんですけど、この時のフェルディナント、大げさな態度ではなくめちゃくちゃ普通にこれを言うんですね。
「けっこうキツイこと言うなあ」って思った記憶があります。

エガちゃんがフェルディナントに対して憎しみを一切向けないように(心の内はどうであったとしても)、フェルディナントも自分の父を罷免したエーデルガルトに対して個人的な感情はあまり向けてないんですね。
「父は欲深くはあったが、帝国の為に尽くしたのも事実。なのにこれはあまりにも……」
これ以上の感情は、たとえ思っていたとしても表に出さない。
個人的な感情を切り離して、理性で判断し行動する。

王は感情を捨てなければならない、ってあまりに正論過ぎて理想的すぎると思ったんだけど、エーデルガルトやフェルディナント、加えてペトラなどは、それが出来てしまうんじゃないだろうか?
いや、エガちゃんは微妙か?

「環境が人を作る」というのは、その環境がその人にそうあれと要求する、ということでもあるので、フェルディナントがそういうセリフを言うのは非常にらしいですね。

フェルディナントはめちゃくちゃ優しい人間ではあるんだけど、そういう厳しさとかキャラ作ってそうなところは、めちゃくちゃ人間らしいと思います。
というより人間であってくれ。

好きだけどやっぱりこいつ苦手かもしんない。

戦闘面では回避重視で育てたのでまあ強かった。
当たらなければどうということはないというアレ。
敵の攻撃は当たらないし、火力もあるので安定感抜群。

●リンハルト

一見して黒鷲学級って統一感ないよなあって思うんだけど、リンハルトとかカスパルとかベルナデッタが要因かもしれない。
個人的に解釈が難しいキャラです。リンハルト。

リンハルトって戦いを嫌っていて血を見るのがイヤっていうキャラなんですけど、確か最初の賊の討伐で敵を殺した時も、めちゃくちゃいやそうなんだけど、人を殺したことに対するショックとか、そういう感じではなかった気がするんですよね。
「うわあ、めっちゃ血が出てる……」みたいな感じだった。
ものを嫌がる感じですよね。
虫を嫌ったりするのと近いかな?
人を殺すことも人が死ぬことも嫌がってると思うんだけど、なんて言えばいいのか難しいな。
あるいはそういうのが表に出にくい性質なのかも。

彼の価値基準ってちょっと複雑なんじゃないのかなあって思うんですけど、そこらへんがわかる支援会話などは私が見た範囲ではなかったので、知りたい部分です。

倫理観が無い、というよりズレてると思うのね。
ヒューベルトとの支援会話で過労で倒れたヒューベルトを、「他に人がいなかったから面倒だけど仕方なく」介抱したり。
でもそれに対して「仲間じゃなかったら見捨ててるかもね」とも言う。
それに加えて
「エーデルガルトとヒューベルトは働きすぎだから、倒れられたら面倒だから適度に休んで」
と一応の気遣いを見せる。

リンハルトの場合、そういう行動をするのも必要な時しかしないのかもしれません。
例えばマリアンヌの支援では、紋章によってマリアンヌが現在進行形で悩まされていて、なおかつ人を不幸にする紋章なんてない、という合理的な判断の結果、マリアンヌに関わっているとか。

人を殺したことに対するショックとかはないけど、仲間に倒れられたら面倒だし、死なれたらイヤ。
結果は変えられないから、人を殺したことに対してあれこれ悩むのは無意味、とかね。

ドロテアとの支援での「自尊心なんて生きる上で邪魔なだけ」「過去なんて捨てちゃえばいい。向き合う必要はない」というセリフ。
彼のめんどくさがりの性質を自分で正当化しているだけとも取れるけど、
合理的な判断の上で、普通の人なら持っているあらゆる感情を切り捨てているのかもしれませんね。

そう考えると、
理性の黒鷲学級にふさわしいキャラだと思いませんか?

戦闘面では回復専門、
2部の戦闘ではリブローをいつ使うかが勝負の分かれ目。
2部の戦闘、ストーリー上のは基本的に全部手に汗握る戦いしてるんで大活躍でしたね。
一回の戦闘に3~4時間かかりましたからね。

●カスパル

2部になって好感度が上がったキャラです。
フェルディナントの次に変化を感じたキャラです。
私はフェルディナントの場合は変わらないでいてくれるかもしれないと思っていたんですが、カスパルに対しては、きっと変わってしまうだろうと思って覚悟していましたね。
身長の低さとか幼げな顔立ちは、大人になった時に変化をより大きくするためだと察しますから。

一見して猪突猛進で脳筋なんですが、本人がどこかで言ってますが、一度悩みだすとドツボにハマるタイプです。
カスパルは正義にこだわっているんですが、そういうタイプって黒鷲では珍しいかも?
合理的な判断ではなく、正義感と感情で行動するから。

彼の場合は「理性」よりも、「家族関係」で解釈すべきキャラなのか?
次男坊で紋章を持たないから家を継ぐことはできず、自分の力だけでやっていくぞ! と思っているんですが、
それに関して父親や兄に対して恨む気持ちとか、自分の生まれを呪う気持ちがあるわけじゃあないんですね。
それは家族として愛があるからなのかというと、そういうわけでもないみたいです。
いや、愛が無いわけではないと思うんですけど、黒鷲の生徒たちは基本的に家族に関してドライみたいだし、基本的な思考が「それとこれとは別」なんですね。

黒鷲の生徒は目の前の現実を受け入れる能力が以上に高いんだけど、カスパルもそれに漏れないです。
そういう現実受容的な性質から、当人は前向きにやっていけるんだと思います。
過去のことや、目の前の現実受け入れて割り切ってしまう感じでしょうか?
「現実だから悩んでも仕方ない」って。

ペトラとの支援会話を見る限り、父親への愛は確実にあるはずです。
「親の仇の子を俺なら絶対に許せない」と言っていますし、楽しそうに父親のことを話す場面だってあります。
いや、でも仇を許せないという感情が愛情からくるものとは言い切れない気もする。

でも一方で戦争が起こって帝国側についた時には、「親父と対立しなくてよかった。家族の情とかじゃなくて、おっかないから」みたいなことを言います。

情より恐怖が勝るのか?それとも単純に恐怖が強すぎるのか?

カスパルは黒鷲の中でも家族関係に重きを置くタイプなのかと思いきや、こういうドライ(なのか?)な発言もあるし、難しいですね。

カスパルの家族観として、「家族関係は当然重要なもので、そこに個人の家族に対する愛情の有無は関係ない」、という思考なんでしょうか?(難しいのがカスパルは感情寄りの人間なので、本人が自分の思考を把握していない可能性があることです)

他にカスパルの正義感に関して、アッシュとの支援会話が重要そうなのですが、スカウトに間に合わずCまでしか見れなかったのが残念。

先生との支援のは話ですけど、学生時代のCでは「俺も先生も悪くないだろ!」って言ってますが、5年後の支援Bを見る限り、自分の行動は間違っていたかも知れないってずっと思っていたんでしょうね。

カスパルのそういう猪突猛進で脳筋に見えて悩みだすとドツボにハマる性質、キャラ造形のバランス感覚がめちゃくちゃ上手いんだなあと思います。

ところで2部のカスパルの笑顔の差分は最高ですね。

戦闘面では、斧と格闘を鍛えてウォーマスターにしたんだけど、格闘は強いね。
4回攻撃でうち2回クリティカルとか頻繁に出るもんね。
前衛で積極的に前に出て再行動も無いから集中攻撃を受けることがよくあるんだけど、
そういう時に生き残る力がありましたね。
怒涛の避けとクリティカルで次に繋いでくれた。
そういうときめちゃくちゃカッコいいです。
でもクリティカル時の「その首よこせ!」はあまりに蛮族じみてるのでやめてほしいです。


●ベルナデッタ

引きこもりですね。
黒鷲の中で他キャラと共通点が見出しにくいんだけど、それは私が気づいていないだけなのか、それとも別の役割があるんでしょうか?
単純にかわいいから好きだけど。
支援会話も基本的にギャグなので見てて楽しいですね。

理性と感情という軸では解釈しづらいけど、親子関係という意味では、ドライな感じがみんなと同じですね。
父親が厳しくて毎日のしつけがストレスになって部屋から出られなくなってた、っていうのはそこそこ重いはずなのにあんまりそんな感じがしないのは、やっぱりギャグ適性が高いんだろうな。
あと卑屈さが過ぎて逆に神経が図太い。

黒鷲の生徒はリンハルトとかもそうですけど、戦争に対して積極的でない子が多いんですね。
ベルもその一人です。
2部での戦闘時、敵を殺した時の台詞ですが、「また生き延びられた……また殺した!」とか悲痛な台詞で、なかなかきついです。
だからといって、じゃあやめよう、とならないのが黒鷲の子たちですね。
戦いがイヤなのはずっと変わらないけど、でもエガちゃんに着いていくんですね。

やっぱりエガちゃんが戦争を始めたからこそ、リンハルトやベルやドロテアちゃんみたいなやつがいると安心しますし、必要だと思います。
イヤでも着いていくのはなぜだろうか?
黒鷲の子は現実を受け入れちゃう性質なので、そのせいなのかもしれませんね。

戦闘面、
弓専門で育てていましたが、遠距離攻撃は強いですね。
2部は特に食らうダメージが痛いですから。
ハンターボレーつええ。

●ドロテア


先生とエガちゃんを結婚させるって決めてたからアレだけど、エガちゃんがいなければ迷わず先生を彼女と結婚させてた。
実際何度も心が傾いた。
学生時代に女神の塔で会うイベントがあったけど、誰が気になるか選ぶ場面があったらしい。選んだ覚えがなかったのにドロテアちゃんが来たので大変心が傾いた。

ドロテアちゃんが好きだからっていうのもそうだけど、ドロテアちゃんを選んであげたい、っていう気持ち。
救いたい。

1番最初にドロテアちゃんの好感度が爆上がりした時はですね。
なんとなく生徒の名簿の所見を眺めていてですね。

「嫌いなもの 自分自身」

ドロテアちゃんは自分が嫌い!
もう好きですね。
はい、もう大好きです。

私の好きなキャラの属性のひとつですけどね。
闇の深いギャルと闇の深いチャラ男。
(そして風花雪月で闇の深いチャラ男といえば…)

ぶっ刺さりましたね。
ドロテアちゃん、なぜ自分のことを嫌いなのか理由を知りたいと思ったら、彼女の言動のひとつひとつが気になるじゃないですか?
で、そうやってドロテアちゃんに向き合おうとして気づいたんでね。

この風花雪月というゲームがどういうものなのか。

そうだ!
これはキャラゲーだ!
キャラクターを見るんだ!

風花雪月はストーリー展開を楽しむゲームではありません。
キャラクターを見るんですよ。
そのキャラクターがなぜそういう思考に至ったのか、このキャラクターとこのキャラクターはどういう関係性なのか、そういうことに興味を持ってそれぞれのキャラクターに向き合ったとき、解像度が十倍ぐらいになった。

キャラの作りこみ半端なくね???

キャラ造形の説得力が凄い。
こういう環境に育って、本人の性質はこうで、親がこういう人間だと、こういうふうになる、っていうキャラの作りこみ。

ドロテアちゃんはこれに気づかせてくれた功労者です。

ドロテアがガルグマクに来たのは、ようは結婚相手探し。
歌姫である自分に寄ってくる貴族は嫌い。
もう孤児として毎日ゴミを漁っていた頃には戻りたくないから、そんな貴族やお金持ちと結婚して安定した暮らしをしたい。
でも、そうやって嫌いな貴族を利用しようとする自分は嫌い。
ということだと思ってる。

そうやって貴族を嫌いながら利用しようとするドロテアは貴族ばかりの黒鷲学級で唯一の平民。

「貴族」を嫌うドロテアが、理性の黒鷲学級にいるのは考えてみれば納得ですね。
黒鷲は親、子、立場と個人を切り離して考える子ばかりですから。

ドロテアちゃんもやっぱり理性的だと思います。
自分の目的の為に嫌いな貴族と結婚しようとするのですから。
目的のためなら感情を抑え、自分を演出することができるのだから理性の人です。
彼女もキャラ作ってるタイプですよね。
ギャルなのもキャラ作りの結果であって素はそうでもないんだと思います。

「嫌いなもの 自分自身」で私のドロテアちゃんへの好感度はもうすでにヤバいのに、ドロテアちゃんが先生にぐいぐい来るのでさらにヤバいです。

ドロテアちゃんの目標を進言してくる時のセリフなんですが、
「私、女神は信じないけど、先生のことを信仰してみようと思って」

ドロテアちゃんは先生のことを信仰している。

大変だよ……

いちいちセリフがヤバいですね。
自分でもよくわかりませんが、この時私ははわわってなってました。
なんかいちいちセリフがぶっ刺さってきますね。

ところでドロテアちゃんはレズビアンだと思っているのですが、ドロテアちゃんが先生に抱く感情は信仰であって恋愛ではないんですね。
(ちなみにドロテアちゃんはイングリットに片想いしている)


ドロテアちゃんが現実主義なのはお金持ちと結婚しようとしていることからも分かるので、女神を信じない、というのもキャラ造形に説得力があってとても好きです。

先生を信仰するってどういう感情なんでしょうか?
神様の代わりだから、自分を導いてくれる存在ってことでしょうか?
あるいは自分を愛してくれる存在ってことかもしれません。

歌姫である自分に寄ってくる人間を嫌い、現実主義であるから女神を信じないドロテアちゃんが先生を信仰し無条件に信じようとする過程を考えると、とても面白くないですか?

ドロテアちゃんも戦いに積極的でないキャラなんですが、投書で面白いのがありまして、うろ覚えですが、
「相手に死んでくれと願うだけなのと、そう願いながら殺すことと、どちらがマシなのか?自分で手を下すだけ殺す方がマシなのか?」
正解は
「殺した方がいい」
でした。
この投書、あまりに内容が重すぎて見た時かなり戸惑ったのを覚えています。
死んでくれと思うのはそうしないと自分が殺されるからではありますけどね。

何を思って殺す方がいいという結論に至ったのかって考えたんですけど、行動と心情が乖離しているのがイヤなのではないか?
例えば、ドロテアは歌姫である自分に貢いだりする人間が嫌いですが、それは相手が興味があるのは美しい歌姫に対してであって、自分自身ではないからです。
そしてドロテアは自分が嫌いですが、それは遊んでいる相手に興味もないのに媚びて利用するからです。
ドロテアちゃんはキャラ作ってると思うのですが、これもやっぱり行動と心情が乖離しているんですね。

だから相手に死んでくれと願いながら何もしないより、その上で殺した方がいいと思っている。
上っ面とか嘘とか、そういうものに対する嫌悪があるのかもしれません。
それでも嘘を吐けるし、自分を偽ることが出来てしまうんですが。

今はとりあえずそう解釈しておきます。
支援もまだいっぱいあるので、残りにそこらへんがわかるものがあるといいですね。

私の黒鷲ルートをプレイするうえでの目標が「先生をエガちゃんと結婚させる」と「ドロテアちゃんを幸せにする」だったんですが、ドロテアちゃんの「何も持っていない私を愛してくれる人を探してる」というのを聞いたら彼女の幸せを願わずにはいられない。
でも先生にはエガちゃんがいるのでドロテアちゃんを選べない。

つまり、

絶対に良い相手とくっつかせる。

ドロテアちゃんなら黒鷲の子たちとなら誰とでも幸せになれるでしょう。
でも私はドラマ性を重視したいです。
ドロテアちゃんを救うのはもちろん、彼女に完璧な物語を作りたいんですよ。
その私の思う完璧な物語を作れるドロテアちゃんの支援Aできる相手が、黒鷲にはいなかったんです。
でもスカウトしたじゃないですか。
ドロテアちゃんと支援Aできる、彼女と同族のキャラが。

そう、風花雪月界の闇の深いチャラ男、

シルヴァンです。
(シルヴァン編とペア編に続く)

戦闘面
理学と信仰を両方鍛えていたので普段は回復、困ったときの魔法攻撃。
遠距離の魔法を使えるのでいざというときのやられる前にやる、が出来ます。
目立った活躍はしないけどいないと困る。

●ペトラ

考えてみればペトラっちの心情にもあまり触れられませんでした。
そういう意味では若干存在感が薄くてもったいないことをしたと思います。
というか心情描写が少ない?
というより、心情を表に出すことがあまりなかった気がします。

ペトラっちはブリギットの王女で、将来国を統治する立場。
王になる自分は強くあらねばならない。そのための努力は怠れない。

彼女の考え方はずっとブリギットの王女としての立場に依ってて、先生との支援Aでも言われているように、ペトラ本人の欲望とか、そういうものが出てこないんですね。

ペトラっちは理性の黒鷲学級で、おそらく一番の理性人間です。
なんせ自分の欲望すらない。
ブリギットの為。祖父の為。
立場を悪くするようなことはできない。
ドロテアちゃんとの支援Bで言うように、彼女は基本損得勘定で人づきあいをしているんですね。

ペトラっちとカスパルの支援Aで、彼女が「本当はカスパルのことが憎い」って言ったのは、異例の事なんでしょうね。
黒鷲の子ってそもそも自分の素みたいな部分をあまり出さないんですよ。
素というより激しい感情とか、そういうもの。
でもそういうのが無いわけじゃあないと思うんですよ。
自分の父を殺した人間の子であるカスパルを憎い、と思う感情。
それを、黒鷲で最も理性的であるペトラが持っているんです。
彼女がそれを口に出したのは、相手が黒鷲の中でも感情的なカスパルだったからなんでしょうね。
カスパルの「本当は俺が憎いんだろ!?」もカスパルでなければ言わないですよ。
みんなそう思ってても聞かないですから。
エーデルガルトとフェルディナントなら、互いにそこらへんには一切触れないと思います。

ペトラっちの心情にひょっとしたら先生との支援Sで触れられるのかなあと思うと、興味はありますね。

戦闘面は……
完全に育成を失敗しました。
ペガサスに乗せましたがダメージが通りません。1とか2です。
ベルより力が下でした。
何がいけなかったんでしょう……
盗賊か? アサシンか?
ある種のトラウマになってます。育成失敗のトラウマ。
次は強く育ててあげたい。
ゴメン、ペトラっち……

●イエリッツァ

2部で加入した厨二病患者。
今時ここまで普通に厨二病してるキャラも珍しいです。
死神騎士というのはもう1人の自分らしいです。
典型的だ。
心情的な部分にはあまり触れられなかったかな……
そもそも支援が少ないですし。
黒鷲学級とは枠が違うので、共通点も見出しにくいです。

支援は先生とベルナデッタとのしか見ていないので、メルセデスとの支援が気になりますね。

フリュム家ってなんだっけ? っと思って図書館で貴族の事調べていたんですが、

イオニアス9世の中央集権政策に反発していて、帝国からの独立と同盟への参画を目論むが、帝国軍の介入により失敗。
後始末により本家断絶、今は養子が当主に。

ということで、それがたぶんイエリッツァ先生ですね。
フリュム家の嫡子に据えたのがエーデルガルト。
(なんでエーデルガルトとイエリッツァ先生の支援ないんだ?)
イエリッツァ先生は過去に罪を犯したらしいのですが、それが
「つまらぬ男とその家族を殺した罪」
だそうです。名簿に
嫌いなもの 父
とあるのと、貴族名鑑でのバルテルス家についての記述から、おそらくエミールが本当の名前です。
で、姉がメルセデスと。

これはメルセデスとの支援を見ないわけにはいかないです。
はい、黒鷲2週目やるの決定(他のルートやってから)。

戦闘面は、
ずっと死神騎士だったんですが、弱くはないと思うんですけど、強くも感じなかったです。
馬って再行動こそできるものの、2部はステージがほとんど障害物の多い特殊な地形が多かったので、移動が他の飛んでる前衛に追いつかない。
馬が使い勝手悪すぎるのが問題です。
イエリッツァ先生は弱くない!


〇これ以降スカウト組

●マリアンヌ

スカウトしないと黒鷲、青獅子ではそもそも2部では登場すらしないらしいということでスカウトしました。
元々は金鹿の生徒ですが、金鹿では珍しい陰キャ(金鹿を陽キャの集団だと思っている)。
スカウトメンバーなので、支援もあまり見れていませんし、彼女の心情についてはまだまだ分からないことが多いですね。
そこらへんは今後に期待しましょう。

エドマンド家の養子で本人は獣の紋章を持っていますがそれを隠しています。
忌み嫌われている紋章に振り回され卑屈になり、なんなら死にたいとまで願っている。
彼女は自分に関わった人間は不幸になる、と言いますが、実際に両親が紋章が原因で失踪しているみたいですし、あそこまで卑屈になるからには、もっと色々な不幸が起こったのかもしれません。

非常に信心深い人物で、同盟のお国柄なのか分かりませんが、あの信仰にはなにかそうなるきっかけがあるのでしょうか?
黒鷲の生徒があまり信心深くないので、気になりますね。

個人的には、彼女の卑屈さとかはあんまり心配してはいなかったです。
女の子の場合、そういう子はだいたい周りの子が助けてくれる場合がほとんどなので。
しかし、死にたいとまで願っていたので想像してたより重症でした。
まあ、のきなみ支援のBやAでは少し前向きになるのでたぶん大丈夫。

個人的にはシルヴァンとの支援がBまでとはいえけっこう好きです。
シルヴァンのアレが本心からの言葉でないとしてもね。

ところでマリアンヌって気弱に見えて頑固ですよね。卑屈さと気弱さは別軸です。
卑屈といえば黒鷲ではベルナデッタですが、彼女も気弱ではないです。

2人とも他人と関わるのがイヤがるキャラですが、キャラの方向性としては全く違うのが面白くないですか?

戦闘面は、
黒鷲には元々回復役でリンハルトとドロテアがいるので、活躍の機会はあまりなかったです。
敵の魔法を1ターン封じるとか変わった魔法が多かったので、次は活用したいところ。

●シルヴァン

風花雪月界の闇の深いチャラ男。
スカウトしたキャラとはいえ、1部でゴーティエ家の遺産の盗難騒動があったり、それなりにキャラとして掘れた方だと思います。

ゴーティエ辺境伯の嫡子で、領地はスレンの民族との防衛線のためにより強い力が求められる。
紋章を持たぬ兄は廃嫡され、自分は大層大事に育てられました。
当の兄からは妬まれ殺されかけたそうですが。
女好きで色んな女性を口説いていますが、その実女嫌い。

好きなタイプのキャラなんだけど、なぜかずっと苦手意識があった(今はけっこう平気)。
なんというか、

ネタにしづらい。

私はふざけたノリでゲームするし、キャラのことはネタにするタイプだけど、
シルヴァンにはそれができなかった。

散策や支援でこいつを見るとね。
妙に生々しく感じる瞬間があるんです。

別にキャラ造形がリアルなわけではないですが、心理描写の度合いなんでしょうね。
シルヴァンって嘘を吐きまくるし、心情を吐露したと思ったら絶妙に本音は隠すタイプです。
そういう部分がとても「他人」だと感じる。
他人をネタにはしにくいです。

コイツの心理についてわかっているのは現状よくて2割ぐらいだと思ってます。

で、なんなら他のルートや支援見てもわかって4割ぐらいじゃないかなあと。

正直、女性嫌悪に関して本人の言う「紋章目当てに寄ってくるから」というのも、いまいち納得がいかない。
そんなものなのかもしれませんが、私が思うのは、その理屈自体がシルヴァン自身の勝手な理由付け(あるいは思い込み)で、女性嫌悪の原因は他にあるのではないかと。
それを本人は無自覚で、自分でも理由が分からないのではないかと。
女性を嫌悪してるのは事実だけど、その理由については後付けだと。

そんな風に思うわけです。

シルヴァンってその「紋章目当てに寄ってくるから女が嫌い」って割と作中で何度も言うんですよ。

私の勝手なイメージですが、シルヴァンの言動のほとんどは嘘か、
誇張表現か、本音の隅っこだと思うので、自分の心理をそんなに何度も口に出すと思えません。

ま、深読みしすぎかもしれませんがね。

シルヴァンは他人と深い関係を築けない人間なんですが、支援を見れば一目瞭然。
たいてい支援A相手が他のキャラなら10人ほどいますが、シルヴァンはそれが計5人です。
たったの5人。

うち3人が青獅子のキャラで残りが女先生とドロテアちゃんなんですね。

ドロテアちゃんはシルヴァンのクラス外唯一の支援A相手。
シルヴァンのキャラ造形は男版ドロテアちゃん。

これはスカウトしないわけにはいかないです。
ただドロテアとの支援を見たかっただけです。
本当に理由はそれだけでした。

実はあんまり軽率にスカウトはしない方針だったんですが、この時はすごく軽率でした。

ですが、結果としてかなりのドラマを生み出してくれました。
ドロテアちゃんにも。黒鷲学級にも。

シルヴァンは黒鷲にスカウトするのがとてもハマっていました。

黒鷲学級の生徒の共通点として理性というのは何度も言っている部分ですが、シルヴァンの心理はたぶん理性と感情のちょうど中間なのではないか思います。
今青獅子ルートの序盤ですが、
シルヴァンは理性と感情で違う判断をしていて、そのどちらにも振れないんですね。

例えばドゥドゥーとの支援Cで
「ドゥドゥーはダスカー人である前にドゥドゥーという個人だ」
と言っていて、これはとても理性的です。
ですが、それをシルヴァンが感情でそう思っているわけではありません。
そう思えるなら女性を「紋章を持っている自分に寄って来るから」と一概に嫌悪したりしません。
だからシルヴァンは理性と感情がかけ離れているのです。
黒鷲の生徒ならそこで感情を抑えて理性で行動します。
そして序盤の印象ですが、青獅子の生徒なら感情のために理性を誤魔化すでしょう。
でもシルヴァンは理性と感情が完全に両立しているふうに見えます。
すごく理性的なことを言いながら感情的な行動に出るんです。

だからシルヴァンは最初は青獅子の生徒で、黒鷲にスカウトするのが凄くハマる。

そしてシルヴァンはドロテアちゃんとドラマを生み出します。

だって似たもの同士だもの。

(ペア編へ続く)

戦闘面、
スカウト組はあまり使わないかと思ったら最後ドラゴンマスターになってメインアタッカーになっていました。
安定して強いです。

2部のシルヴァンの戦闘セリフは全体的に哀愁を感じて好きですね。
フェリクスとの敵対台詞が重すぎて引きました。
正直シルヴァンには悪いことをしたと思っています。

●リシテア

天才、努力家、紋章2つ持ち。
2部で加入したのでこの周では掘り下げが足りなかったです。
でも彼女は紋章2つを植え付けられたっぽかったりとエガちゃんとも縁があるので非常に勿体ない。
支援A見たかった〜。


ということであんまり言うことはないんだけど、彼女は他人や理想のために命をかけて戦うみたいなタイプじゃないみたいで、勝ち馬に乗った形ですね。
風花雪月のキャラはみんな殺す気も死ぬ気もまんまんなので、こういうキャラがいて安心しました。

考えてみればみんなおかしいです。

他のルートではドロテアちゃんあたりは命をかけるなんてことして欲しくないです。
リンハルトも投降してくれ。

終わり。

戦闘では使っていないんですけど、相当強いらしいです。


○ペア別感想

ペアエンドを迎えたコンビの個別感想です。
恋愛的な話からそうでないのまで、私個人の解釈も交えた割とカオスな感想になります。
部分的にテンションがおかしいので注意。

●先生とエーデルガルト

最初から先生はエーデルガルトと結婚させるって決めていたので、特にドラマ性を重視したわけではないです。
ただ思い返して思うのは、エガちゃんがものすごく先生のことが好きなので、これで選ばないのはあまりにかわいそうです。

恋愛か否かで言えばこの2人はバリバリの恋愛ですね。
先生にしても支援で「夜這い」なんて言葉を選べる辺りその気があります。
結婚相手が選べるというゲームの性質上、先生が露骨にそれっぽい表現をすることってあんまりない気がします。
だからやっぱりエガちゃんってメインヒロインなんじゃないかなって思うけどどうなんでしょう?

エーデルガルトって先生の前ではまるで少女なんですよ。
エガちゃんは自分の皇帝という立場を常に意識しているし、周りもそうだったけど、先生だけは自分をただのエーデルガルトとして見てくれる。
そうエガちゃんは言っていますね。

理性と感情の話をしますけど、エガちゃんが自分自身の感情を出せる相手は、先生しかいないんでしょう。

そして先生が黒鷲を選ばなかった世界線ではエーデルガルトは敵として出てきて死ぬ。
まだ青獅子は序盤なのでわかりませんが、そのエーデルガルトっていうのは、彼女の人間性を誰にも見せられないんじゃないかと思います。

それが運命を分かつ一つの要因なら、先生は本当に罪深いですね。

そして黒鷲は理性が強い学級ですが、そういう意味で感情を否定しているわけでもないのだと思います。


●ヒューベルトとフェルディナント

何が起こったのか理解できなかったし、今も理解できていません。
でもなぜか納得している。
この2人はそういうものなのだと(?)。

先生が生徒と結婚できるのは知っていたけど、生徒同士がどんな感じになるのかあんまり知らなかったのは良かったと思います。
序盤は支援がどこまであるのかとか全然意識せずにプレイしていて、支援Aが男女ならキャラによっては恋愛なのも知らなかったです。

実は1番最初に支援Aを見たのがカスパルとベルナデッタだったんですが、
これがバリバリの恋愛だったんですね。

それで、
おや、男女の支援Aはどうやら恋愛らしいぞ?
と。

それで誰と誰ならしっくりくるかって漸く考え始めて、ペアエンドの存在を知り、支援がどこまであるのかを見ました。
ヒューベルトとフェルディナントが支援Aプラスまであるのを意識しだしたのもこの時です。

まあでも同性支援Aはあんまり気にしてなかったです。
だってカスパルとリンハルトはそもそも最初から親友ですし、ヒューベルトとフェルディナントですよ?
想像できない。
この2人に至っては1部では支援Cまでしか見られませんし、いつも口ゲンカしています。

他の男女支援Aを見て、ヒューベルトとフェルディナントの相手がいないなあって困っていました。
ヒューベルトとドロテアちゃんはけっこう好きですが、ドロテアちゃんにはシルヴァンがいるので。
それに、個人的にヒューベルトにはエガちゃんを看取ってほしいという願望があったので、それで他のキャラとペアエンドもなあ、という話。
フェルディナントは基本誰とでも仲良くなれるので毒にも薬にもならないAが多かったです。
ドラマ性が無い。
でもエガちゃんとの支援Aは好きです。
私はこれを見たときに、絶対にフェルディナントに政治をさせると誓いました。
エガちゃんとフェルディナントの関係も好きですしね。

支援Aを見る過程でリンハルトとカスパルの支援Aを見たのですが、さっぱりしたものです。
普通に親友でした。

で、同時期にヒューベルトとフェルディナントの支援Aマイナスを見たのですが、私はなぜかスルーしました。
仲が良いのは良いことだよね。
ぐらいにしか思わなかった。

でも思い返してみればこの時点でもうすでにおかしいです。
よくスルーできたな、私?

そして見るじゃないですか支援Aプラス。
ええ、見たんですよ。支援Aプラス。

いや〜、凄かった。

なんというか凄いです。
ここまで行っちゃうもんなんですね。
Aの時点で凄かったとこの時気付きました。
でも理解はできなかったんです。
思わず5回ぐらい見返して、やっぱり理解できなかった。
でも納得はできるんです。
だってそうなったんだから。

ヒューベルトにはエガちゃん以外の人間に入れ込んでほしくないと思っていましたが、そんなこと言ってる場合じゃない。

だって、
あのヒューベルトがですよ?
顔を赤らめたんですよ??
贈り物までしたんですよ???

そんなに好きならもういいよ……

他のキャラの前では絶対に自分のキャラを崩さなかったヒューベルトが、
キャラを崩したんですよ。
素でびっくりするヒューベルトって他の場面で見られるんでしょうか?

そんなヒューベルトを見てしまったらもう文句は言えないです。

ヒューベルト、おまえ普通のやつだったんだな……
ヒューベルトもただの人間だったんだ……

そんなヒューベルトの人間らしい一面を引き出してしまった支援Aプラスだから、この2人のペアを成立させたんです。

面白いしね。

半ば悪ふざけ、半ば諦め精神で成立させたペアだったんですが、結果的には大満足です。
ペアエンドではヒューベルトはエガちゃんを支え、フェルディナントは彼と並んで政治に携わったんですから。

エーデルガルトとヒューベルト、
エーデルガルトとフェルディナント、
その両方の関係が好きだったのでこの3人が帝国を統治したオチは1番望むところです。

そういえば結局ヒューベルトとフェルディナントのアレって恋愛だったんでしょうか?
恋愛なら純情過ぎるし、
友情なら距離が近過ぎるし、
まあ、どっちでもいいか。
どっちでもあの2人はたぶん大丈夫です。

なんでああなったのかって考えてるんですけど、理由付けをするならやっぱり、2人が理性的だからなのかな、って思うんですけど、うーん。微妙か?

フェルディナントを感情では嫌いでも、能力を正当に評価するヒューベルト。
そんなヒューベルトを見てすぐに彼への評価を改められるフェルディナント。

でもそれを言ったら黒鷲の生徒はみんな理性的ですから、ヒューベルトとフェルディナントは、元々感情面でお互いを嫌っていた、というのが重要なのか?
あるいはエーデルガルトに関係しているのかも。

エーデルガルトについても完璧に理解していませんし、ヒューベルトとフェルディナントも単純なようで複雑ですから、もっと注意してテキスト見ていきたいです。

ところで1部ではどうにもフェルディナントってエーデルガルトやヒューベルトと対等には見えないんですね。
エーデルガルトとヒューベルトが2人セット。外側にフェルディナントがいる感じです。
見ている世界が違う。

フェルディナントがエーデルガルトとの支援Bで
「私の覚悟などお遊びだった」
って言いますが事実そうだったんでしょう。

子どもだったんですよ。フェルディナント。

でもそのフェルディナントが最終的にはヒューベルトと併せて双璧とまで呼ばれるようになって、イメージ的にも2部ではエーデルガルトとヒューベルトとフェルディナントが3人セットで違和感がないんですね。

紋章を植え付けられきょうだいを失って、皇帝になる使命を負ったエーデルガルト。
自分の役割として汚い仕事を請け負ってエーデルガルトに命を捧げられるヒューベルト。

そんな2人にフェルディナントは並べるようになってしまったんですよ。
きっと同じ世界を見ているんですよ。

そう考えると私はめちゃくちゃ悲しいです。

でもそんなフェルディナントがヒューベルトを素でびっくりさせたんだから、やっぱり良かったんだと思います。

2人の支援Aでヒューベルトのセリフで、フェルディナントのことを「苦々しく」思っている、という表現が好きですね。
だってヒューベルトはテフ(コーヒー)が好きなんだもの。


●リンハルトとマリアンヌ

紋章の研究が好きなリンハルトと、曰く付きの紋章に振り回されたマリアンヌのペア。
リンハルトの支援Aってリンハルトの人への執着というか興味が見えて面白いんじゃなかろうか?

リンハルト、Aになると急に相手を無意識に口説き始めるんですよ。
リンハルトって人に興味が無いように見えて意外にあるんじゃないかなって思います。

マリアンヌに対する行動ってのは珍しい紋章を持っているからってのもあるけど、マリアンヌ自身を気遣う気持ちもあると思うんですよ。
リンハルトとマリアンヌの支援はリンハルトの人への興味が特に見えて好きですね。
特に支援Bが好きです。

マリアンヌ自身の紋章の問題を解決することにもつながるのでドラマ性もあります。

この2人って恋愛なんでしょうか?
わかんないな。
リンハルトって恋愛するのかな?

それで紋章関連のリンハルトとの支援といえばリシテアもそうだし良かったんですが、いかんせん一緒にいた時間が短すぎました。
1部でスカウトしていれば……


●カスパルとペトラ

ペトラの父親を殺した人間の子であるカスパル、カスパルの父親に父親を殺されたペトラ。

個人的には支援の内容的に黒鷲を代表するペアだと思っています。
親の因縁を子どもは継いではいけない。自分たちの子孫が未来永劫殺し合うことを望むのか?
黒鷲の生徒の考え方の代表ですよ。
親は親、子は子。

カスパルの一度悩むとドツボにハマる性質が出るのも、今のところ先生以外ならペトラだけ。
ペトラの感情が出るのも今のところカスパルだけ。
そういう意味ではドラマ性も強い。

この2人の支援っていわば黒鷲の生徒の傾向を説明するような役目だと思うんですね。

すごく理性的なペトラがカスパルに対して憎しみを持つように、他のキャラも言わないだけでお互いに複雑な感情を持っている。

感情的なカスパルが思い悩むように感情の裏に理性がある。

エーデルガルトやフェルディナントだって、お互いに何も思ってないわけじゃないんです。
言わないだけで。

で、理性的に見えるキャラにも感情はあるし、感情的に見えるキャラにも理性はあるんです。
少なくとも黒鷲の生徒にはそれが当てはまります。

それを表すのがこの2人なのが面白いですよね。

そして2人が結婚してもし子どもができたなら、仇の子孫という立場は消失してしまうんですね。


●ベルナデッタとイエリッツァ

支援あるのを認識した時、「なんでこの2人?」って思いました。
単純に接点が見当たらない。

ですが、最終的にベルナデッタの相手としては1番しっくりきたのはイエリッツァ先生でした。
ベルナデッタにしっくりくる相手がいなくて困っていたのでイエリッツァ先生がいてよかったです。

イエリッツァ先生の掘り下げがあまり出来なかったとは言いましたが、
一周目としては完成された描写量になったかなあ、とも思うんですけど、ベルナデッタとの支援のおかげです。

いかんせんイエリッツァ先生はその厨二病によりネタキャラに寄っている気がするんですけど、ベルがいい感じに彼をただの人間に寄せてくれました。

過去に何かがあって殻を作って、人を寄せ付けなくて、ベルはそれが自分に向いているけど、イエリッツァ先生は外側に向いていて他人を傷つけている。

ベルってたぶん他人のことに鈍いと思うんですね。
基本的に他人が怖いからみんな一緒なんです。
でもそんな風に基準がズレているからこそ、化け物じみた厨二病のイエリッツァ先生すら自分と同類の人間として解釈したんでしょう。

そして他人に近寄りたくないベルが自分から積極的に近寄った人間が、他の人なら寄り付かないイエリッツァ先生なんですよ。

ヒューベルトとの支援もそうですが、他人が皆怖いベルにとっては、ヒューベルトやイエリッツァ先生も他の他人とそう変わるものじゃないんです。
だから人間離れしたキャラが人間らしく見える。

そう考えるとベルとイエリッツァ先生に支援Aまであるのは納得できます。

イエリッツァ先生の掘り下げについても、過去に何かあって殻を作ってるのだろうと、そう思わせるだけで一周目としては上出来でしょう。


●ドロテアとシルヴァン

似た者同士だとは思っていましたが、やっぱりそういう風に作られた2人でした。

たぶん1番ニヤニヤしたペアです。

ドロテアはシルヴァンが本当は女の子が嫌いだと気づくんですが、それは自分もそうだからです。
貴族が嫌いなのに貴族に声をかける。

ドロテアはフェルディナントに対しては「貴族だから」嫌悪していますが、
シルヴァンに対するそれはおそらく同族嫌悪ではないでしょうか?

個人的に気になる部分ですが、支援Bでドロテアちゃんがシルヴァンを食事に誘ったのがなぜなのかわかりません。
話の流れとしてはシルヴァンが声を掛ける流れでも全然通じるので、ドロテアちゃんが嫌悪するシルヴァンに自分から声を掛ける理由があるはずです。

シルヴァンが「きみが欲しいのは孤独を埋める相手ってわけ」と言って、
ドロテアちゃんは「まあ、そんな感じです」と答えています。

シルヴァンは嘘つきですが、ドロテアちゃんについてはたぶんそこまで嘘つきではない(キャラを作っているかもしれないしそれは嘘とも言えるけど)ので、孤独を埋めたいのは、先生やヒューベルトとの支援から本当ですし、
その相手としてこの時はシルヴァンを選んだのもたぶん本当です。

でもシルヴァンじゃなくてもよかったはずです。
わざわざ嫌う相手を誘わなくてもいいです。

じゃあなんで誘ったのか?
嫌う相手だからなのか。
自分と似ているからなのか。

この2人の支援はお互いの本質に迫る会話ですが、2人とも本音をそこまで出すキャラじゃないので、意外に心情の出し方としては控えめな気がします。
言わなくてもわかってしまうのかもしれません。

ドロテアちゃんがシルヴァンに対していう「私はシルヴァンくんがお爺さんでも、家から絶縁された元貴族でも、貧民街の孤児でもいい」
直後に「お金はあった方がいい」と冗談交じりに付け足しますが、
「孤児」というのは自分のことです。
ドロテアちゃんは自分に似たシルヴァンにやっぱり自分を見ているんじゃないでしょうか?

ドロテアちゃんはそもそも自分が嫌いなので、シルヴァンへの嫌悪は自分への嫌悪です。
加えて、老いて歌声を失った自分に価値は無いとも考えています。

そんなドロテアちゃんがシルヴァンを誘い、
「お爺さんでも、孤児でもいい」
というのは
「自分が老いてもいいし、何も持たなくてもいい」
と受容する意味に取れます。
だってシルヴァンは自分自身です。

ドロテアちゃんは自分自身を好きになりたかったから、シルヴァンを食事に誘ったのではないでしょうか?

シルヴァンにとってはドロテアは先生と青獅子の生徒を除く唯一の支援A相手です。
シルヴァンは周りに「貴族」や「紋章持ち」として見られて自分自身を見てもらえなかった。

シルヴァンはドロテアとの支援Aで言っています。
「前に言ったよな? 俺が平民でも誘うのかって。あの時は試すような言い方をして悪かった。つい疑っちまうんだ。昔から」

シルヴァンはドロテアを試した。自分が平民でも紋章を持っていなくても相手が自分が好いてくれるのか疑ってしまう。
この発言はおそらくかなり本音に近い。
だってこの系統の発言は今のところはドロテアの支援Aでしか聞けない。

加えてシルヴァンの女の子に振られて落ち込む様子に、ドロテアは「落ち込むことがあるのねえ。あなたが女の子関係で」と言っています。
でもこの落ち込みだってシルヴァンの落ち込む振りかもしれないです。
しかしシルヴァンが女の子を嫌いだと最初指摘して見せたドロテアだから、その振りに気づかないとは考えにくいです。

だからおそらくシルヴァンは女の子に振られて本当に落ち込んでいます。
振りでなく。

じゃあなぜ落ち込むのか?

それは女の子が自分を愛してくれないからです。

シルヴァンはわざと女の子を試すようなことをし、酷い男を演じ、それでも相手が自分を好きでいるのか試しているんじゃないでしょうか?
こんな自分でも好きなのか、と。

貴族であることも紋章を持っていることも変えられないから酷い男になるしかない。
そんな自分を愛してくれるか試しているんですね。

ドロテアがヒューベルトとの支援で「自分を愛してほしい」と言っています。
これはシルヴァンも一緒です。
何も持たない自分を愛してほしいと思っています。

でもそんな風に愛を求めながら二人は人を愛せないんです。
でも二人はお互いを愛せるようになるんです。似た者同士の二人がお互いを愛するのは、自分を愛することなんですね。

ところでドロテアちゃんはレズビアンなので、シルヴァンに対する感情は恋愛ではありません。
そもそも男性に対して恋愛感情を持つかどうかは、支援を見た数が少ないのでわかりませんが、
ヒューベルトとの支援Aはヒューベルトを理解したいから、というものでしたし、
カスパルとのAは、お互い良い相手がいなかったらそれも悪くない、というものです。

シルヴァンとのAも恋うんぬんよりも、人生を共にする相手として選んでいるんですね。
シルヴァンもそんな感じに見えます。

こうして何者でもないドロテアちゃんを愛してくれる相手を見つける、という私の目標が達成されました。

ありがとうシルヴァン。


〇スカウト組はなぜ帝国についたのか

その理由付けです。
あくまで私なりの理由付けです。

今回黒鷲をやってスカウトしたのが
マリアンヌ、
シルヴァン、
2部始まってからのリシテアです。

もちろん3人のキャラとか知らない状態で始めたのですが、この3人には共通点があります。

3人とも紋章に振り回されて生きてきたキャラなんです。

エーデルガルトは紋章を植え付けられ、そのために多くの人間が犠牲になったから、紋章主義の世界を変えたい。

そこに紋章によって人生をめちゃくちゃにされたあの3人が加わるのは話の流れとしてはとても自然です。

個人的に3人がエーデルガルトの思想に共感して積極的に着いてこなくてもいいと思うんですよ。

マリアンヌあたりはたぶん状況に流されて着いてきましたし、
シルヴァンはそもそもの諦め精神が強いのと、
やっぱり先生に着いてきたというのが大きいんじゃないでしょうか?
きっかけは流された結果だったり、先生だとしても、
そこからエーデルガルトの目指す世界が自分の状況を打開するものだと思うようになった、
という意味付けができそうです。

リシテアについてはエーデルガルトとの支援Aまであるので言わずもがな。

黒鷲学級に紋章研究が好きなリンハルトがいるのもそうですが、
黒鷲のルート自体が、
「紋章とは一体なんなのか?」
「なぜフォドラではこんなに紋章が重視されるのか?」
という疑問を提示する話でもあると思うんです。
先生とリンハルトの支援で「紋章自体戦いのためにあるみたいだ」と言っていますが、
紋章の謎が明かされることはあるんでしょうか?

黒鷲にマリアンヌ、シルヴァン、リシテアが加わると、この世界の人々の紋章に対する考え方の解像度がかなり上がるんですよ。

そう考えると黒鷲で紋章の話をする人がエーデルガルトとリンハルトしかいないのが逆に不思議ですね。


〇黒鷲の生徒の傾向

キャラ感想で何度も言いましたが、
単純にいえば「理性」です。

親と子、立場とその人個人。
そういうものを別々に考える合理的判断と、
相手を憎む感情を抑えて表に出さないでいられる理性。

今青獅子の序盤ですが、
かなり黒鷲とは方向性の違う生徒が集まっているように思います。

みんなすごく感情的なんです。
そして支援が全体的に暗いです。

金鹿? 
たぶん部活テンションの陽キャ集団かな……

黒鷲は理性だとは言いましたが、今のところであって、
まだ言い切れない部分もあります。
何より級長のエーデルガルトの心情が全然理解できていない。

なんとなく彼女の根っこの部分は感情だと思うので、
もしそうであるなら、
黒鷲全体でもっと別の意味が付与されている可能性もあります。

あと細かい共通点ですが、現実受容と現実主義、も当てはまる気がします。

現実受容って、諦め精神、とも言えるかもしれませんが、
目の前で起こった現実を受け入れて、それを割り切れなくてもこれからのために行動するって感じでしょうか?

戦争が起こったから戦う。
殺さなきゃ殺されるから戦う。

現実主義は、
ドロテアちゃんの女神を信じない思考だったり、リンハルトの「過去なんか捨てればいい」という発言、
フェルディナントの「人には皆なすべきことがある」も、
ある意味当てはまるでしょうか?

女神は何もしてくれない、
過去を悩んでも仕方ない、
人には存在意義がある、だから何かをして結果を残す(こういう文章にすると語弊がありますが、フェルディナントのこの思考は理想主義に見えて現実主義に寄っている気がします。言い方が難しいんですけどね)

他の学級と比較できていませんが、今のところのイメージとして。

〇全体感想

ゲームシステムとシナリオの融合、
一人の人間として作りこまれたキャラクター、
それをあくまでプレイヤーが見ようと思わなければ見られない構成、

風花雪月はキャラゲーを極めたゲームでした。

長くなりましたが感想おしまい。
ここまで読んでくれた物好きな方がいたらありがとうございます。
他ルートでこんなに長い感想を書くかどうかは未定です。

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