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ミートソース標準レシピ

パスタのミートソースはイタリアのボローニャ発祥で、イタリア語では Ragù alla Bolognese ラグー・アッラ・ボロニェーゼ と呼ばれます。1984年、ボローニャの人達は無形文化財としてミートソースの標準レシピを商工会議所に登録したそうです。イタリアには北から南までお母さんの数だけミートソースのレシピはあるんだろうけど、今回はこのボローニャ商工会議所お墨付きのレシピを参考に、僕の経験から少しアレンジしてご紹介します。
家庭で簡単に用意できるトマト缶は400g。なので、トマト缶ひと缶を使い切る前提で割り出した材料の量を書きます。肉は合計で1kgになりますが、余ったらタッパーに入れて冷凍保存もできますので、簡単だけど作るのに時間のかかるこの料理、少しまとめて作っちゃいましょう。

材料

牛肉500g
豚肉500g
トマト缶(400g) 一缶
人参70g
セロリ70g
玉ねぎ50g
白ワインカップ3/4
牛乳1カップ
オリーブオイル大さじ6またはバター70g
固形ブイヨン
塩、胡椒 
パルミジャーノチーズ(食べるときに)

材料について。

牛肉は赤身の多い部分で出来るだけ粗挽きにすると本場っぽくなります。塊で買ってきてフードプロセッサーで粗く挽くのも良いと思います。豚肉は脂身が多い部分を。ボローニャの標準レシピではパンチェッタ(生の豚のバラ肉を塩コショウをまぶして自然熟成したもの)を20パーセントほど混ぜますが、日本では高価で入手困難なので無視します。僕が住んでいたトスカーナ地方ではパンチェッタは余り使いません。

セロリはイタリア料理の基本として重要な野菜です。なるべく使ってください。味と香りは、より、らしくなります。野菜の量ですが標準レシピに従ってキッチリ計るとこんな感じ。これはかなり中途半端なので、にんじんは一本、玉葱も小一個としても大丈夫です。セロリも葉の部分まで全部入れちゃいましょう。

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固形ブイヨン、これは当然オリジナルのレシピにはありません。でも、多くのイタリアのお母さんたちは投入していると思います。(あまり言いたがらないだろうけど。笑) 最近は化学調味料無添加のものありますので、気になる方はそちらを使うと良いかと思います。もちろんほとんど動物性タンパク質のソース、旨味は十分出るので、使わなくても全く問題ありません。

作り方

1)オリーブオイル大さじ6(面倒であれば半カップ) またはバター70g でみじん切りにした人参、玉ねぎ、セロリを炒める。炒めた野菜がしんなりしてきたら、ひき肉を炒めます。

2)ひき肉に火が通ったら白ワインを1カップ弱(赤ワインでもOK)を加え、アルコールが飛ぶまで混ぜながら中火で加熱します。次にトマト缶をひと缶投入後、弱火で煮込んでいきます。空になったトマト缶に少し水を入れてかき回し、缶の内側に残っているトマトを溶かして鍋に入れます。固形ブイヨンも投入。ボローニャのレシピでは「2時間」煮込むとなっています。ごく弱火で、そして焦げ付かないように時々かき回して下さい。ちなみに鍋の蓋は半ブタで、イタリア人は木のヘラを写真のようにして半ブタ状態にします。水分がなくなって焦げ付きそうなら水を少しずつ足してください。

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3)仕上がる10ー15分前に牛乳1カップを足します。牛乳を足すのはまろやかさを出すためですが、本場ボローニャではマスカルポーネチーズを使うところもあるようです。最後に塩胡椒で味を整えます。

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以上が基本的なミートソースの作り方です。が、少し味や香りを複雑にしたい場合は、セージ、タイム、ローリエなどをお好みで加えてください。トスカーナ風に仕上げようと思ったらローズマリーを一房入れて煮込みます。僕はローリエとローズマリーを使います。
そしてオススメの隠し味は鳥のレバー、これを50-80gくらい足すと味に複雑さと深みが出ます。これは超オススメです。
ボローニャのレストランでは鳥のレバーを加えている所は多いように思います。ミートソースの中に卵巣の部分などを丸ごと発見したりします。

パスタとソースの味を一体化させるためには、ソースの方は薄味に仕上げ、パスタの方に思い切って塩味をつけてやります。
パスタを茹でる時に入れる塩はひとつまみではなく一掴みです。日本のうどんやそばと違い、パスタは塩を練りこんでありませんので、パスタとソースの味の一体感を出すにはパスタだけで塩分を十分感じるように茹でて下さい。
どの程度の塩味なのか知りたい方は、「1000ccの水、100gのパスタ、10gの塩」と覚えてください。イタリアの料理レシピサイトによく出てくる数字です。つまり200グラムのパスタを茹でる時は2リッターの水、20gの塩という事です。

今回はパッケリという巨大なショートパスタを使ってみました。
パスタを湯切りした後、茹でた鍋に戻し、そこにソースを加えて和えます。パスタが茹で上がる少し前に茹で汁をカップ一杯ほど別に取っておき、水分が足りないと思ったら茹で汁を足しながら和えます。弱火にかけながらぐるぐるぐるかき混ぜる感じです。お皿に盛った後、パスタの上に鍋に残ったソースを乗せて完成。パルミジャーノ・チーズをお好みで。
Buon Appetito !

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