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連載した長めの小説です。お暇な時に、どーぞ(^o^)

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大人むきの純文学です……でもキャッチコピーは「面白系純文学」と言っておきます。
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記事一覧

【長編連載小説】 My little God 第一章

         My little God                             …

銀騎士カート
3か月前
62

【連載小説】冬のへいたい 1章、2章

           冬のへいたい                           …

銀騎士カート
10か月前
59

【連載小説】壷中磔刑 1章 2章

      壷中磔刑(こちゅうたっけい)                        …

銀騎士カート
7か月前
63

【短編小説】アガパンサス(改訂版)

   中学生になった初めての夏休みのこと。未だ友達も出来ず、遠野信吉はクーラーをつけっ放…

銀騎士カート
1か月前
84

【短編小説】聖女伝説(改訂版)

 街が、どんどんと変わってゆく。  古きけしきが消えてゆく様を見ると、やはりちょっと感傷…

銀騎士カート
2か月前
60

【連載小説】 彌終(いやはて)の胎児 9章〖62〗 最終話

       9章〖62〗最終話 か細い猫の鳴き声に、おぞましい連想が断ち切られた。  雪…

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【連載小説】 彌終(いやはて)の胎児 9章〖61〗

       9章〖61〗 十階建ての『メゾンF』の前。五〇七号室に、もう一人の加代子がいるのだ。一緒にマンションの入ろうとする啓吉を制して、加代子が言うことに、 「啓吉さんはここで待っていて。これはわたしと『妹』の問題。直談判よ。大丈夫、わたしを信用して。元は一人なのよ。底の底までお見通し。グサリと急所を突いてやるわ」  言い終わって静かに目を閉じ、顔を上向けるのに、啓吉はそっと唇を合わせた。加代子は力強いVサインを作ると、髪を靡かせ、甲斐甲斐しくマンションの入り口に消えた

【連載小説】 彌終(いやはて)の胎児 9章〖60〗

        9章〖60〗 とたんに、光の針が眼球を射る。光の縞目に、羽化した『桃源虫』…

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【連載小説】 彌終(いやはて)の胎児 8章〖59〗

        8章〖59〗 切羽詰まり、二人はとりあえず理科室に飛び込んだ。椅子を武器に…

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【連載小説】 彌終(いやはて)の胎児 8章〖58〗

      8章〖58〗 その時、背後に迫っていた火焔男が、叫喚(きょうかん)忌(い)ま忌…

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【連載小説】 彌終(いやはて)の胎児 8章〖57〗

       8章〖57〗 すでにして東校舎は炎の海、階段の下方からは真っ赤な巨大な舌が風…

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【連載小説】 彌終(いやはて)の胎児 8章〖56〗

               8章〖56〗  ガランとした北校舎の廊下を進みながら、教頭は…

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【連載小説】 彌終(いやはて)の胎児 8章〖55〗

       8章〖55〗「はっは、大丈夫。卒業生だけは、一応『VIP』に敬意を表して………

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【連載小説】 彌終(いやはて)の胎児 8章〖54〗

      8章〖54〗 啓吉が唖然と立ち尽くしているところ、出し抜け右手の会議室に通じているらしい扉が開かれた。反射的に首を振ると、ついそこにかの教頭が、演舌のよそおいそのままに立った。ガキの分際ながら細身の葉巻をくわえ、片手に銀の握りのステッキをつき、それがいっぱしのカンロクにさえ見える。そして、その脇には、深紅のロングドレスあでやかに、口紅をテロテロと光らせた御息所嬢が寄り添った。   教頭はステッキで金盥を差すと、 「どうしたね、ドラキュラ君。校長を燃やしに来たんじゃ