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大好きなあなたへ…4/5

回復のきっかけ

 ギリギリの状況の中、救いを求めて日本メンタルヘルス協会体験講座を申し込みました。講座開始直前の準備時間、衛藤先生が私の隣にそっと座り、声を掛けてくださいました。「今、お辛いですね」と。

 人の為にとばかり考えて生きてきた私に、この先生は寄り添ってくれた。体験講座で先生は「最悪の環境はカウンセラーの素養を身に着ける上では最高のプレゼントだった。」とおっしゃいました。

 そうだ、世の中には私なんかより、もっと辛い環境の中でも頑張って生きている方、逆にもっとやりたいことがあったのに、旅立つ運命にあった方の遺志を継いでみえる方、そんな方に私が出来る事があるのではないか。

この時、私は心が救われるきっかけをつかみました。

自分と向き合う 

 マイナスの感情を切り捨てずに、まずは受け入れる。あるがままに。
 そう、私も悲しんでいいのだ。無理して悲しみを抑え込んだり、自分の気持ちに背かなくても良い。私は、悲しいのだ、悲しみたいのだ。

 誰も認めてくれなくとも、自分は自分を認めよう。
「おい、俺、よく頑張っているじゃないか。」
「おまえ、凄いな。」

 小さなことから行動してみよう。行動に集中する。
よし、まずは自分の心を題材に心理学を学んでみよう。
 その場で心理学基礎コースを申し込みました。
 
 こころに温度が戻ってきました。

心の静寂

 学びを重ねるにつれ、こころの中に虚しさとは異なる静寂が訪れました。「母子一体感と離別感」「Iメッセージ」「セルフラブ」これが理解、実践できたとき、今までやってきた人のために生きるという行動に、真の力が備わりました。

 皆のために考え行動することは間違いではない。自分を愛せていなかったのだ、自分に感謝し自分を受け止めよう。

 また、厳しかった母のことは、少しずつ穏やかに受け入れることが出来ました。母は最初から母だったわけではない。私を若干23歳で産み、育ててくれた。私が娘を叩くときに感じた心の痛みを、同じように感じていたのだろう。感謝しかないじゃないか。

娘からのメッセージ

 自分の心が満たされて行くとともに、食器洗いを自然に再開していました。ある日、いつも近くに来て私の手元を覗いていた娘の姿を、食器を洗いながら思い出していました。すると、声が降ってきたのです。

「いただきものは、預かりもの。たまたま手元に来ただけ。」
「用が済めば、また必要としている人のところに贈られていく。」

娘が伝えてくれたのだと感じました。

人生の意味

 毎日いただくお花も、辛い経験も、娘ですら自分の所有物ではない。大切な預かりものだったのだ。すべての物は、その使命を果たしたら次に必要としている人のところへ贈られていく。

 他人の顔色に振り回されていた自分が消え、大きな流れの中に佇む自分の姿が見えました。この瞬間、心の中が心地よい「無」に至り、急に涙があふれだしました。感動の涙です。

 全ての物事は繋がっている。娘は確実に私の中で生きている。娘の人生は、ストーリーとして語り継がれていく。私が思い語り継いでいくことで。

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