『リアリティのダンス』 /0

a veces la noche es demasiado triste ya en su entrada, incluso para un festín formado tan sólo con una mesita sacada a la calle, una vela en el medio y sus dos comensales,

夜はときどき、その入り口からもう寂し過ぎたりする。路地に出された小さなテーブル一つ、その真ん中に灯す蝋燭。その小さなテーブルを囲むたった二人。ただそれだけの小さな宴にも、寂しすぎる夜があって、昨日はそんな夜だった。

今日の夜は夕方の黄色い光の中を温かく近づいてくる、そんな夜のような気がして、さっきそれを確かめに近くをぐるりと歩いてきたのだけど、帰ってきたらやっぱり温かな夜が少し先に待っているような気がして、それで安心して掃除の続きをしたり、合間に本を開いたりしている。そんな夕方。

七月になったらロルカを読もう、と思っていたのではなかったのかしら?と思いながら寄り道して『リアリティーのダンス』を読んでいる。最後に読んだのが数年前の東京行きの飛行機の中で、そのまま読みかけになっていたのだけれど、開いたらページの間からゴーッという低いエンジン音が聞こえてくるようだった。

最近はノイズキャンセリングのおかげでその音をずっと聞き続けることなく往復していたけれど、こうして聞いてみるとすごい音ね、でもこんな音をずっと聞きながら9000キロを(大体いつも窓際の席に斜めに座って壁と背もたれに半分ずつもたれかかりながら)往復していたのよね、と思いながら数日間開いたり閉じたりしていたらついにもう空の上にはいないのだと本が(?)気がついたようで、やっと本を開いても何も聴こえなくなった。本を開くと、何も聴こえなくなるようになった、かもしれない。音よりも色が見えてくる、冒頭部分。



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