【CL愛知ベスト8】今だからこそ輝いたマルヤクデVMAX【ポケカ】
■記事概要
CL愛知でベスト8の成績を収めた《マルヤクデVMAX》についての記事になります。無料部分と有料部分の二部構成にて、自分の思考を余すことなくアウトプットしておりますので、ぜひ読んで頂けると嬉しいです。
■自己紹介
シャベルといいます。SMレギュ中頃の「フェアリーライズ」からポケカを触りはじめ、「タッグボルト」から本格的に大会へ参加するようになりました。
ポケカ以外を含めたカードゲーム歴は8年ほどで、普段はshadowverse(シャドバ)というデジタルカードゲームで遊んでいます。シャドバでは256人規模の公式オンライン大会で1度だけ優勝しました。
その他にもHearthStoneやドラゴンクエストライバルズなどはガッツリ取り組んだことがあり、全体的にカードゲームを趣味として楽しんでいる社会人プレイヤーです。
そのため、今回の記事でも構築解説に特化した内容だけではなくポケモンカード自体や採用ポケモンの特徴まで俯瞰しての作成を心がけています。
■なぜ今「マルヤクデ」が勝てたのか?
今回のCL愛知において《マルヤクデVMAX》は、そこまで使用率は高くなかったものの、ベスト8が2人・その他完走ラインにも一定数使用者がおり、十分な活躍を見せております。YoutubeやTwitterの反応でも、上位進出に驚く反応がチラホラあったように感じました。
そこまで大きな注目を集めていなかった《マルヤクデVMAX》が、今回なぜ結果を残す事が出来たのでしょうか?まずはその要因を整理するところから始めてみましょう。
①環境におけるゲームスピードとの噛み合い
今のポケカはカードのインフレが進んでおり、過去のサンムーン環境などと比較しても、かなりゲームスピードが速いと感じています。3~4回しか自分の番がない試合も珍しくなく、1ターンが占めるウェイトがかなり重たくなっています。
そのため、デッキ選択や採用カード検討にあたり「自分が1ターン余分に貰える」カードや「相手の総ターン数に制限をかける」カードは、今のポケカでは非常に価値が高いと考えています。
上記を踏まえてマルヤクデの特徴を整理すると、以下が挙げられます。
・VMAXの標準HPである320を持っており、ワンパンする手段が少ない
・「キョダイヒャッカ」による青天井打点を見込める
・進化前の《マルヤクデV》でエネルギーのトラッシュが可能
相手のサイド3ポケモンを1Tで倒したり、手張り分のエネルギーをなかったことに出来たりなど、ゲームテンポの取得に非常に優れた性能を持っています。
自分の1ターンを生み出し、相手の1ターンを減らす。マルヤクデというポケモンの性能は、前提として現代ポケカのゲーム構造に非常に噛み合っているのではないかと考えています。
②流行デッキの変遷による立ち位置の向上
店舗大会上位リストを見ていて、大会前の環境では以下のような流行度であると考えていました。
▼とても良く見る
・三神ザシアン
・《ビクティニVMAX》+《MM》
・《れんげきウーラオスVMAX》
▼そこそこ見る
・炎軸の《MM》
・《ムゲンダイナVMAX》
・《ドラパルトVMAX》
▼たまに見る
・草軸の《MM》
・《いちげきウーラオスVMAX》
・《マッドパーティ》
これらを見ていると、今年に入り追加された《いちげきウーラオスVMAX》《れんげきウーラオスVMAX》《ビクティニVMAX》が環境を動かし、去年まで流行っていた《ムゲンダイナVMAX》が数を大きく減らしています。
また、双撃のファイターでは《ミカルゲ》という圧倒的なマッドパーティメタのカードが追加されており、その影響でマッドパーティのデッキも減少することが容易に想像出来ました。
上記の2デッキはどちらも《マルヤクデVMAX》が不利を取る対面であり、去年まで流行していた苦手体面が減った環境は《マルヤクデVMAX》にとって非常に追い風となったと考えています。
※おまけ:2020年6月のPJNOで使用予定だった《マルヤクデVMAX》
とても楽しみにしていたのですが、体調不良で0回戦敗退。。。
運営の方々にはご迷惑をおかけしました。
■後攻選択の理由
ここまで書いた分析により、私は《マルヤクデVMAX》を使用することを決めました。
その後、まず真っ先に考えたのは「先攻と後攻どちらを取るべきか」でした。結果として当日は後攻を選択したのですが、ここからはその理由についてお話ししていこうと思います。
①マルヤクデは先攻でも後攻でも強い
いきなりちゃぶ台をひっくり返すような話で申し訳ありませんが、《マルヤクデVMAX》は先攻でも後攻でも強く動くことが出来ると考えています。
▼先攻
先攻を取る場合、2ターン目からマルヤクデVMAXを積極的に前に出すことができ、3ー2-3などの強いサイドプランを押し付けることが出来ます。
こちらから先に相手の盤面に干渉しやすいため、システムポケモンを処理したり、相手が少しでも遅れたら一気にサイドテンポを突き放すことが可能です。また、相手に先攻を取らせないというメリットもあります。
▼後攻
後攻スタートの場合、1ターン目からわざを使えるのが最大の魅力です。
特に炎デッキでは「フレアスターター」「ばくねつスタンプ」「ヒートボンバーGX」などわざの選択肢が多く、強いプランが複数あるのが特に優れていると感じます。
また、サポートカードも使えるため、先攻よりも安定したゲーム進行が可能となっています。
そのため、ここからは自分が特に後攻を選択する上でメリットだと感じた点を深堀りしていきます。
②安定した動きを重要視したから
先ほども記載しましたが、後攻では1ターン目からサポートカードを使用することが可能です。私はこの点を非常に、それはもう非常に高く評価しました。
CLという長丁場が予想される舞台で、出来る限り下振れによる負けを防ぎたかったのもあります。1ターンの出遅れが致命的な今のポケカ環境において、初手で中途半端な動きしか出来ずにゲームエンドだけは絶対に避けたいという思考がありました。
初手のハンドが下振れた際に、先攻だと無理やり《デデンネGX》でリセットするしかありませんが、後攻だとドローサポート=《博士の研究》でリセットする選択肢が取れるため、システムポケモンを置かないで済む選択肢が生まれるのも好印象でした。
③《ビクティニVMAX》側の先2ボスダイビクトリーの確率
最近の《マルヤクデVMAX》にて先攻を取る選択が生まれた背景には、《ビクティニVMAX》の存在が大きいと考えています。
先攻2ターン目でのダイビクトリーは非常に脅威で、《ボスの指令》もセットになると確実にこちらのVポケモンを処理されてしまいます。
ただ、練習過程で《ビクティニVMAX》の理解を深めていく最中、幾つか気づいた点がありました。
・先2ボスダイビクトリーの再現性が、体感だと大きく高い訳ではない
・先2で《ボスの指令》を使われる場合、《溶接工》を使用されず、7エネヒートボンバーGXによる《マルヤクデVMAX》ワンパンのリスクが落ちる
・初手で《ヒート炎エネルギー》を《マルヤクデV》に貼る展開が稀にある
特に一番上の体感での再現性の低さ(=6割くらい)が印象的で、練習時のリストが悪い可能性があるものの、過剰なまでに意識する必要はないかもしれない、と思うようになりました。
また、後攻1ターン目に《マルヤクデV》を2体並べることが出来れば最低限のケアは出来るため、少なくとも先2ボスダイビクトリーだけを理由に先攻を選択する必要はないと考えるに至っています。
④後攻を取るデッキに後攻を渡さない
レッドパーフェクションやグリーンパーフェクションをはじめとした、後攻1ターン目の強い動きがあるデッキはじゃんけんで勝っても後攻を選択するかもしれないと考えていました。
副次的なメリットではありますが、そうしたデッキに後攻を渡さない事で、相手のプランを崩すことが出来るのも、自分が後攻を選択した理由の一つです。
■使用構築と他上位リストとの比較
自分は今回こちらのリストを使用しました。
合わせて、もう一人のベスト8進出者のリンさんから快くデッキ紹介の許可を頂きましたので、併せて紹介させて頂きます。
2つを見比べると分かるのですが、実は採用カードで一致している部分が非常に多くなっています。初めてリストを見た際はかなり驚きました。
ポケモンやサブアタッカー、システムポケモンの採用枚数はほぼ一致しており、動きの軸となるボール・入れ替え札の枚数比や、エネルギー周りの採用枚数などはかなり近しくなっております。
差分となっている6枚については、より安定感を高めるための札であったり、相手の要求値を高めるサブパーツの部分で、ここの相違からもそれぞれの思想の違いが読み取れて面白いのではないかと感じます。
ここから先は《マルヤクデVMAX》で最も良い結果を残した一人として、採用カードを吟味する際に考えていたことを紹介していきます。
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