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馬鹿な女

わたしは、どうしようもなく手に入らないなにかを渇望して、そしてまたどうしようもなく全ての虚しさを泣きたい時、文章を書くのだと思う。たとえばこのnoteだったり、またどこか別の場所に、しょうもない弱音を吐くのだ。可哀想に。

わたしは外を眺めている。窓の外は大降りの雨。そして部屋の電気は消され、ただひとつ、こうこうと輝いているテレビがチープな心霊番組を流している。バイトのメンバーみんなで見ているのをわたしはひとりぼんやりしている。なんだか悲しくてたまらない。

あと何回、こんなことをできるのだろうか。
あと何回、こんな風に空が白むまでバカできるのだろうか。

昔からわたしは物事の終わりをよく考える子どもだった。テーマパークに行った夜はそのちかちか光る電飾を思い出して「人間ってこうやって電気を浪費して死んでいくのか」と眠れなくなるのだ。自分のことながら全く可愛くなくてうんざりする。

わたしはいつも、終わりばかりを気にしている。恩師や友達が死んだあたりから、特にひどい。今日のメンバーの中にはこの間振ったばかりの男の子たちもいる。今でもお互いそのほつれを見ないふりして仲良しこよししてる、いつかすべて壊れて終わってしまうというのに。

どうせみんな死んだら終わりなのだから、気にすることなんてないのにね。と、笑ってほしい。そして馬鹿な女だと笑い飛ばして、可愛い女だと頭を撫でてほしい。せめて、今だけは。

#エッセイ
#馬鹿な女
#怖いもの
#渇望