もんてろソロ 2色目
【僕とぼく】 〜プラK復活記念4マン〜
そっと上手袖から姿を見せると
ゆっくりとピアノに近づいていくもんてろ。
空気を揺らしてしまうと
自分の心の中に
また
不安の波が押し寄せてきてしまうのではないか・・・
だから、ゆっくりと。
そんな思いが伝わってくるかのよう。
この日のために購入したという電子ピアノ
譜面台のはしっこに「ちいかわ」(だったと思う)のライト
その向こう側から伸びるマイクスタンド
本当に一人きりでやるんだ・・・。
そう思っただけで熱いものが込み上げてきます。
新生プラネットKの復活を記念する
弾き語り4マン
もんてろ二回目の弾き語り。
前回(7/29の魁のアルバム18)は
絶叫する60度の「粒」一曲をピアノで披露し
あとはサポートギターを付けたスタイルだったので
全編一人で弾き語るのは初めて
ピアノに取り組み始めて「3ヶ月」
それだけでも凄い事だというのに
勇気を出して臨むステージには
よっくん(ザ・マスミサイル)
ロンドンタナカ(アラウンドザ天竺)
魁(ALLiCA)
という
経験値からして段違いのモンスターたちが控えているのです。
"全力疾走しても追いつけないのは承知している・・・"
そう心の内をポストしていたもんてろ。
ただ、
その「全力疾走」が誰より速いスピードなのは間違いありません。
それはそうです!
常識的に考えて
ピアノに挑戦してから3ヶ月の人が受けるオファーではありませんし、
そもそも
オファー自体が飛び込む事なんて無いでしょう。
それなのに
このメンバーの輪の中に招かれるという事・・・。
それすなわち
もんてろへの期待の表れに他なりません。
そしてそこに
見え隠れする魁ちゃんの存在です。
魁のアルバム18でもんてろの演奏に触れ
『もんてろなら!』
そんな進言があったであろうことは想像に難くありません。
そして
その期待に応えるために
もんてろがただならぬ努力をしたであろうことも
また
想像に難くないのです!
"弾き語りのオファーをいただいた時、何で弾き語りなんだよ!と正直思ったんですけど、これはチャンスじゃないか!
「挑戦」の機会を下さったという事は
自分がアーティストとしてステージアップ出来る
チャンスだと思って(出演を決意しました)"
【言うは易し行うは難し】
という言葉が有ります。
※言葉で言うのは簡単だが、それを実際にするのは非常に困難であるという意味です。
本当にそう!
それが至極難しいんですよね。
とりわけ、もんてろは自分の時間だけにフォーカス出来る環境にありません。
そして何より凄いところが
もんてろって人は言葉にすら発しないのです!
人知れず努力を重ねます!
本当に凄いです!
なので、
もし上手くいかずにグダグダになってしまったとしてもステージに立った勇気、挑戦を讃えよう。
そういった心境を抱く一方で、
もんてろというアーティストが
それなりな形が見えずに中途半端なままステージに立つのをいちばん嫌う人だと言う事も
良く知っています。
ですから
期待も持っていたのですが、
その期待を遥かに超えてきてしまうのですから
あなたという人は
どこまでカッコいい人なのでしょう!
「ふうっ」と落ち着かせるように
軽く息を吐いてから
『みんなじゃがいも』と自分に言い聞かせると
着座スタイルのフロアに起こる笑い声。
ほんの少しだけ張りつめた空気が緩みます。
"またこうやってプラKのフロアに立たせていただける事の幸せを噛み締めながら歌わせていただきます!"
【カウントダウン】
鍵盤の上に「そっと」載せた指先が震えています。
ちょっと間を置いて
自分のタイミングで意を決すると
新生プラネットKで
もんてろが奏でた第一音。
きっとこれからもずっと忘れることのないであろう
もんてろの中から生まれた
とても
とても
やさしい調べ。
相変わらず指先は震えています。
それなのに何でこんなにやさしく
それでいて強い意思を感じさせる音色が出せるのだろう。
震える指先をずっと注視していたからか
気付けばボクの手のひらが汗でびっしょり。
コチラの方が緊張しているみたい。
いけない
いけない
もんてろの表情をもっと見なくっちゃ!
視線を上方へと移します。
すると
いつもは想いを込め目を閉じながら
心の奥の方から言葉(想い)を紡ぐように歌う
「カウントダウン」
だけどこの日ばかりは指先に全集中。
フロアと心を通わせながら・・・
その余裕が無いのは仕方がないといったところ。
とはいえ、
唄い慣れた「カウントダウン」です。
心にすっと入ってくるやさしい響き。
演奏もほぼノーミスです。
一曲目を無事にやり終え、安堵な表情のもんてろ。
でもいちばん安堵してたのはフロアで見守る
みんなだったのかもしれません。
ここで
緊張し過ぎていたために
楽譜を照らすライトをつけ忘れていたことに気がつくもんてろ。
二度目の笑い声が起こったフロア。
"自分が復帰してからの出会い再会の中で、
私にはもったいないくらいの「凄いね!」って
言葉をかけてもらっています。
なのに、私自身は自己肯定感が低くって自分自身が凄いって思えないんです。
ただ最近はそういう自分を
伸びしろがある!
可能性がある!
そうポジティブ変換しようと心がけていて、この気持ちを常に持って音楽活動をしていきたい!
そう思ってもともとあった歌詞をこの日の為に
書き換えました"
そう想いを届けると
あんた何かでは2回しかやっておらず
(ただとても素敵な曲だからずっとやって欲しいと思ってた)
タイトルも定まっていなかった曲を披露します。
そしてこの日
披露するにあたり付けた曲名は
【僕とぼく】
《 僕がこれまでの人生で残してきた足跡
たとえばそれが正しかったとか間違ってたとか
そういうものすべてひっくるめてそれは自分が生きてきた証し。
そんな足跡を抱きしめてあげられるような自分でありたい。
そして、そんな自分になって未来へ
足跡を刻んでゆきたい! 》
※《》で囲った部分は歌詞の内容ではありません
そんな想いを集約するような
ワンフレーズ
僕はぼくと生きてゆく
とても深く心に残った詞(うた)
自分を信じてあげられるのは自分だけ。
一人で生きていく・・・そんな強い意思が感じられる歌詞です。
けれど、
【僕】と【ぼく】
漢字の【僕】とひらがなの【ぼく】に
表記を変えている真意。
そこにもんてろの想いが隠されている気がしました。
もんてろの歩んできた道
これまでにもんてろからもらった
言葉、想い
心のアルバムのページをめくりながら
考えを巡らすと
そこに込められたもんてろの「想い」が
見えてきたように思えるのです。
ひらがなの【ぼく】は漢字の【僕】に比べ
丸くやさしい印象に変わります。
自分(僕)を信じられる
じぶん(ぼく)を作ってくれたのは
支え、助けてくれた【みんな】
一人では決して生きていけない
みんなによって生かされている
本当の意味でそれに気付いた時
【僕】は【ぼく】に変わることが出来たんだ!
そんなもんてろのメッセージ、感謝。
ひらがなの【ぼく】には
【みんな】という意味が隠れていることに気が付いたのです!
僕はぼく(みんな)と生きてゆく
なんて素敵な詞(想い)なんでしょう!
もんてろはこの想いを伝えたいがために
無謀にも思える今回のオファーを受けた。
そんなふうにさえ思えてきます。
この曲は間違いなく
【みんな】に愛される曲になると思います。
(あくまで独自の考察である事は付け加えておきます)
そしてこの曲中には
ミスタッチが2、3度ありました。
その度に
頬を膨らませながら大きく「ふぅーっ」と息を吐き
一瞬だけ演奏を止めたものの
すぐにリカバリー。
頭が真っ白になってもおかしくない場面なのに
そうならなかったのも
みんなが側にいてくれたからかもしれませんね。
(実際はもんてろのたゆまぬ努力の賜物に違いありませんが)
【僕とぼく】本当に素敵な曲。
そして本当に素敵な曲名です。
"弾き語りは難しいですね"
失敗を少し悔やんで見せたものの
何だろう。
悔しいってより
失敗すら愛おしく抱きしめている
清々しい表情にボクには見えたのです。
そう、まさしくこの曲【僕とぼく】のように。
三曲目は
絶叫する60度から【才の雨に撃たれて】です。
"気合いが入るとどうしても雨を降らせてしまう、雨女こともんてろです"(笑)
この曲を用意していて雨を降らせるのですから
完璧な演出です!
さらにこの日は、もんてろよりむしろ強力な神通力を持つ「雨男」よっくん師匠もいましたからね。
(外は雨模様を通り越してどしゃ降りでした)
そんなよっくんとの思い出を回想した曲前。
いつだったか
プラKでのマスミサイルとの対バンで
「教科書」を一緒に歌おうよ!ってノリになり
歌詞を叩き込もうとしたけれど、見る動画見る動画
どれも「クセ」が強くって全然覚えられずに
本番では結局えっふーに全部ぶん投げてしまったというエピソードを添えます。
→それを受けたよっくんが
自分のターンで「教科書」の唄い方を見失う場面は可笑しかったなぁ。
ただ誤解の無いように補足しておきますが、
決してディスった訳ではなく
「クセ」と表現して伝えたかった事は
それだけアーティストがその歌を自分のものにしているという事。
なので人の持ち歌、
大切に育った歌を唄うっていうのは
畏れ多くてとてもとても・・・
という意味を言いたかった。
ちょっと言葉足らずだった・・・と
もんてろ自身が申しておりました。
この頃になると
鍵盤の上のもんてろの指先も随分と落ち着いてきた様子。
そしてボクら
フロアに漂っていた緊張感もすっかり薄れ
もんてろの演奏に合わせ
「才の雨」と言えばの手拍子が起きます。
決して簡単ではないであろうコードを見事に弾き終えると
"三拍子の手拍子が見えたよ、
懐かしいね"
とてもやさしい言い回しで笑顔を携えたもんてろ。
今が充実しているから
過去を抱きしめ何のしこりもなく
絶叫する60度の楽曲に向き合えるもんてろ。
そしてそれは
きっと魁ちゃんも一緒。
これからもずっと
大切に
二人が残してきた足跡たる
絶叫する60度の楽曲たちを
未来へ繋ぐべく唄い続けてくださいね。
そして
この日の弾き語りに
【才の雨に撃たれて】を選曲し
難しいアレンジに挑戦しながら
何千回と唄ったであろう想い入れのある持ち歌を
新曲のように
新しい息吹を注ぐように唄うもんてろを見て
はっきりと気付いたこと。
もんてろは【才】の塊(かたまり)だと思っていました。
例えば、
強い意思漲るライブパフォーマンス然り、
もんてろの代名詞ともいえる煽り
魂の着火剤たるあの唄声
しかし、
今回のこの挑戦ではっきりと分かりました!
このメンバーの輪に入り、
見事な演奏を可能にしてみせたのは
もんてろの計り知れない【努力】があってこそ。
もちろん
「才」という部分が備わっている事も間違いありませんが、もんてろが見せる(魅せる)
輝きの大部分は、努力の上に築かれた結晶だと分かったのです!
努力は才能を凌駕する
もんてろはこの言葉をも凌駕します!
なぜなら
もんてろは「努力」の部分を決して人に見せないんですから。
本当はすごい努力してるのに
それを「才能」だと錯覚させてしまう。
(実際、させられていた)
こんなマインドの人・・・
今まで会ったこと無かったですもん。
凄いで片付けちゃ申し訳ないけれど
いや、ホントすごいです!
ラストは【ぬりえ】です。
やってほしい!
心の中でそっと願っていたから
とても嬉しい選曲。
あの頃に色を重ねて。
自分たちが信じた音楽で、
今しかないこの形に彩りを与え
一緒に景色を描いていきましょう!
もんてろがそんな想いを込めて作った
【ぬりえ】は
この日の趣旨
「プラK復活記念」にぴったりです!
プラKも
魁ちゃんも
もんてろも
形は変われど「想い」という根幹の部分は
何も変わりません。
「ぬりえ」という楽曲の性質上
絵の具に例えてしまって申し訳ないけれど
プラKやよっくん、ロンタナさん。
魁ちゃんは言うまでもなく
ライブを重ねる毎に増えていく
絵の具の色。
弾き語りという新たな「画用紙」(キャンバス)も得てもんてろが、
いや、みんなで描いていく未来が楽しみで仕方がありません。
後奏の最後の一音を弾き終えたあとの
もんてろの清々しい表情。
(本当にチャレンジしてよかったね)
(もんてろ「X」より、衣装もとても素敵でしたね)
もんてろが袖にはけると
「すごいじゃん!!」とロンタナさんの声が
フロアまで届いてきました。
あの声の響きは
お世辞でもなんでもなく真に心から出た言葉。
よっくんからは
おっさんズチェキの際に
「もんてろすごいじゃん!」との言葉をもらい
魁ちゃんはボクらに向け
「誰かの初ライブ、手の震えるライブってなかなか見れないから!もんてろも貴重な体験って言ってたけどみんなこそ貴重な瞬間を目撃したと思っとるよ。もんてろはきっとすぐ上手くなるから失敗して「あっ!」とか言ってるのめちゃくちゃ貴重」
そう言ってくれ、
そして
もんてろには
「もんてろも頑張ってね!復活おめでとう!」
そう言葉を送ると共に
経験の差、格の違いを見せた
素晴らしいステージでもんてろを労い、
プラKの復活に花を添えていました。
それにしても
本当に素晴らしい夜でした。
そして何より
もんてろの挑戦に感動した夜でもありました。
さらにボクは
改めて心に強くこう思ったのです。
僕もぼくと生きてゆく
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