見出し画像

2018年7月8日、特別な日

2018年7月8日

乃木坂46 真夏の全国ツアー2018~6th YEAR BIRTHDAY LIVE~〈DAY3〉

“あの日”の出来事は今も鮮明に覚えているし、これからも忘れることはない。

2018年7月6日からスタートした、東京公演。東京公演は明治神宮野球場と隣の秩父宮ラグビー場を同時に使用した「シンクロニシティライブ」として開催された。

夢の時間の始まり

私の中で“あの日”が始まったのは5月28日。
部活の引退を控え、本格的な受験戦争のスタートとしての意味合いも持たせて、友人と応募した。

6月8日。当選発表の日。その日は部活があった。帰宅し、メールを確認すると、「当選」の文字が。すぐさま、友人に連絡した。

お互いに初のライブ参戦ということで、サイリウムやらタオルやらを買いたいということで、6月30日の東京ビッグサイトでの事前販売にも行くことになった。
土曜授業の後、普段とは逆方向の電車に乗り、向かった。途中の乗換時、渋谷駅が改良工事中でホームに段差があることに驚いたのをよく覚えている。
それまでの握手会等のイベントの様子を見聞きした限り、かなりの混雑になることを予想し、親には「帰るのは夜になるかも」と伝えていた。しかし、嬉しいことに混雑は予想を大きく下回り、30分ほど並ぶだけでグッズを買うことができた。並んでいる間に、友人と古文単語やら、英単語やらの問題を出しあったのが楽しかった。あと、買うときに、他の人も、販売担当の人も分かりきったことなのに「アイドルグッズ」を買うということに少しだけ恥ずかしい気持ちがあった。笑

グッズを買った後歩いていると、他のファンの人から「生写真買いましたか?」と何度か聞かれて、これが「アイドルオタクの世界か~」とか思った。また、グッズとして販売されていた布製のバッグに関しては「オープンキャンパスに行けば無料でいくらでももらえるのにね」などと友人と会話した。(なんか、こいつ嫌な奴だな)
そのあとは、渋谷に「乃木撮」のパネルを観に行ってから帰宅。
帰宅してから、グッズ購入時にもらったくじを削るとC賞が当選していた。すぐさまLINEで友人に連絡すると、「さすが!」と返信が来た。私自身も「さすがオレ」と思った。

前日は、土曜日だったが授業があった。帰宅時に、ライブTシャツを着た一団を見かけて、気持ちが高まった。また、この日は乃木フェスの「ロマンティックいか焼き」のイベントの最終日だった。ロマいかは私が一番好きな曲だったので、そのイベントにはこれまでで一番力を入れていた。無課金でメンバー別ランキングにおいて100位以内を目指していたのだが、惜しくも105位で、とても悔しかった。

ライブ当日

そして迎えた当日。
ずーっと楽しみにしてきたはずなのに、なぜかちょっと面倒くさい気持ちがあった。
手持ち無沙汰な午前中は、謎の写真を撮って過ごした(その写真は後日、英単語帳に貼りつけ、受験勉強のモチベーションにしていた)。そして、人生で初めて「髪の毛をセットする」ことをした。初めてで何もわからず、納得できるまで1時間以上かかった。笑

そして、家を出発。外を歩いていると暑さで汗が噴き出てきた。路面の熱さを足の裏で感じた。
青山一丁目駅で友人と待ち合わせてから、会場に向かった。
道中、「昨日までのセトリみた?」「みてない。コールの予習すらしてない。」「おれもみてない。サイリウムカラーだけ調べた。」とかいう会話をしたことを覚えている。
開場時間まではしばらく時間があったので、神宮球場を一周して雰囲気を味わってからは、各種ブースが設けられている聖徳記念絵画館の方へ向かった。道は自動車の往来が制限されて、そこには乃木坂グッズに身を包んだ多くの人がいて、このライブの規模の大きさを実感した。また、歩いていると、遠目からではあったが当時はまだ建設中だった国立競技場が目に入った。その外観と大きさが印象的だった。
絵画館前に着くと、そこは人が一段と多く、大変な混雑だった。特に、グッズ売り場は一際人が密集していて、近づこうとすら思えないほどだった。生写真も売り切れていて、驚いた。

私たちは、先日グッズ購入の際に当たったくじの引き換えに向かった。C賞の景品はステッカーだった。その中で私がもらったのは阪口珠美のステッカーだった。これは後日たまちゃん推しの友人にあげた。
その後、DAY2のライブ中にメンバーが書いたサインや生写真のトレードをしているところをみてから、長蛇の列に並んだ。
その列は、各メンバーのパネルの写真を撮るためのものだった。
最初は躊躇していたが、ライブ開始まで時間もあるし、せっかく来たんだからということで並ぶことにした。
炎天下の中、1時間以上並び続けた。
その間の会話はほとんどが受験に関する話題だった。勉強法や志望校だったり、ときには学校の友人の近況だったり。あの時はお互いに「受験」のことが気になっていたし、ある種の不安があったのだと思う。やっと先頭に辿り着いても、求めていたものは意外とあっけなく、終わってみると何でもないものだったように感じた。
でも、全く後悔はしていない。並んでいる時間に価値があったからだ。友人との会話はもちろん、この場にJクラブのユニフォームを着ている人を数人見かけて、Jリーグファンの多様性、乃木坂ファンの幅広さを思い知ることができた。

パネルの写真を撮ったあとは、神宮球場に戻った。途中にあった、神宮第二球場で高校野球の予選(?)が行われていて、その球場の構造に驚いた。また、道中の自販機が軒並み売り切れ表示のみの物体と化していたり、その横のゴミ箱がペットボトルを飲み込みきることができず、あたりにゴミが転がっていたりする様子にライブの規模を再認識させられた。
と、同時に、いよいよライブがはじまるというワクワク感が高まっていった。
神宮球場は先ほどよりも多くの人がいて、移動にも一苦労だった。メインゲート(?)の方へ行き、写真を撮りまくった。

あまり遅くなると、入場に時間がかかってしまうと予想し、一通り撮ってすぐに入場した。身分証も確認されるチケットチェックは初めてだったので、
少し緊張した。笑
無事にチェックを通過して、自分たちの席に向かった。間違えて2階に行ってしまったり、1階に行ってからも席の位置が分からなかったり、右往左往したがなんとか辿り着くことができた。
席に到着して、最初に感じたのは、「席、狭いな」ということだった。それは、席の幅が狭かったわけではなかった。たぶん、これまでのスタジアムで、前後左右の席がすべて埋まっているという状況に遭遇していなかったので、「心理的に」狭いと感じたのだと思う。ただ、想像よりも、ステージ、アリーナレベルまでの距離が近かったので、そういった感情はすぐに消えた。

席を確認してからは、コンコースに繰り出した。普段の野球の試合では締め切られているであろうアリーナ席につながる通路が開いていて、じろじろ見てしまった。売店で、オリジナルカップに入ったファンタグレープを買った。私は炭酸飲料が好きではなく、どちらかと言うと嫌いだが、この時のファンタグレープは人生で一番おいしかった。球場の外の自販機がすべて売り切れで良かった!

席に戻ってからは、何もすることが無く、ひたすらに待ちの時間。どんな会話したっけ。。。とりあえず、「写真撮らないで」っていうボードを持ったスタッフさんがたくさんいたのは覚えている。笑
17時開演だったが、16時40分くらいになってから心配になって、急いでトイレに行った。トイレは長蛇の列で、開演に間に合うか不安になった。幸い、列はすぐに流れて、16時50分ごろには、席に戻ることができた。

開演

開演前にメンバーから、注意事項のアナウンスがあった。通称「影アナ」。声だけでは、誰なのか分からなかった。。。
予定の17時を数分すぎてから、ついに“OVERTURE”が会場に鳴り響いた。まだ暑さが残る中、大型ビジョンの演出も相まって、興奮が一気に高まる。私も声をあげ、サイリウムを振った。
一曲目は「自惚れビーチ」。この曲は、私にとって、この日のハイライトとなっている。以後の受験勉強で、この曲を聴いて気持ちを奮い立たせることが何度もあった。それは今も変わらない。私にとって、ライブのスタートの高揚感、興奮はそれぐらい強烈なものがあった。

その後、「走れ!Bicycle」で秩父宮ラグビー場のメンバーとの入れ替えが行われ、このライブの一番の特徴であった“シンクロ”も行われた。
“シンクロ”後は早くも、「きっかけ」が歌われた。その次は「ガールズルール」。ガルルが始まる前、みおなとあすかが舞台裏に走っていったので、何かアクシデントでもあったのかと心配になった。しかし、それ以外のメンバーでパフォーマンスは続けられ、メンバーがステージを降り、スタンドの方まで来てくれた。スタンドのファンは大盛り上がり。私の近くには、らんぜやまっちゅん、いくちゃんなどが来た。テレビ越しに見ていたスターがすぐそこにいるという状況は夢のようだった。
その次の曲は「あの教室」。みおなとあすかのユニット曲。「きっかけ」後に、二人が舞台裏に消えたのは、この準備のためだったのだと気づいた。みおな推しの私と、あすか推しの友人にとって最高だった。

その後はユニット曲、ソロ曲がしばらく続いた。
それから、3期生の「トキトキメキメキ」「三番目の風」のパフォーマンスが行われた。どちらもメンバーが可愛くて、コールも楽しかった。特に「トキトキメキメキ」はライブ後しばらく頭の中で無限ループされていた。笑
それからはシングル曲が続いた。「サヨナラの意味」「逃げ水」はサイリウムの色が揃えられて、素晴らしい光景だった。
そして、日が落ちて暗闇が空を覆い始めた時に「シンクロニシティ」。このライブのコンセプトにもなっている最新シングルが“シンクロ”でパフォーマンスされた。メンバーのパフォーマンスはもちろん、ビジョンに合わせてファンがサイリウムの色を変えていく様子がすごかった。

その後もシングル曲が続いた。
「夏のFree & Easy」のイントロの「(夏だからやっちゃおう!)なつだ~か~ら~」の部分にハマってしまった。その後、しばらくはスマホで聴くときも心の中でコールをしてしまうようになった。笑
「裸足でSummer」のサビでのタオル挙げは会場のこれまでのサイリウムと違いのファン一人一人の動きがはっきり見え、無数のタオルが掲げられる様子は圧巻だった。そして、落ちサビでの花火には心まで揺さぶられた。
そして、最後は「君の名は希望」。生オーケストラの演奏で歌い、会場も紫一色に染まった。
歌い終わると、メンバーは東京メトロに乗って帰っていった。

アンコール

メンバーがいなくなると、アンコールを求める「乃木坂46」コールがどこからともなく発生した。最初、私は何と言っているのか分からなかったが、すぐに呼応してコールを始めた。すると「ザンビ」のティザー映像がビジョンに流れた。映像が終わると、メンバーが写り、あすかが映像について「なんか、こういうのも作っちゃいました~」と言っていた。その時は詳細について語られなかったが、後にテレビドラマで放映されるとは思いもしていなかった。そして、そのまま、アンコールの抽選が行われ、21枚目のシングルのアンダーメンバーが神宮に来ることになった。実は、私には少し残念な気持ちがあった。
それが決まると、「ロマンスのスタート」が流れ、メンバーが移動してきた。その後、新曲の「三角の空き地」が披露された。かっこいい曲だなぁと感じた。
その次は「乃木坂の詩」。これは“シンクロ”で行われた。会場が再び紫一色に染まった。秩父宮のファンの歌声も聴こえてきて、すごく感動した。
これが終わると、メンバーが中心に集まり、このライブの総括。そして、このライブをもってグループを卒業することとなっていた、斎藤ちはる、相楽伊織が挨拶して、メンバーは戻っていった。

メンバーがいなくなると、すぐさま再び「乃木坂46」コールが起こった。この時、私はダブルアンコールの可能性を考えながらも、このまま終わりたくないなぁという気持ちになっていた。
すると、ビジョンにはDAY1.DAY2のハイライト映像が流れ、まるでエンドロールのように各スタッフの名前、メンバーの名前が表示されていった。
その映像が終わると、またもや、あすかが写り、ダブルアンコールが始まった。
最初は21枚目シングルの「ジコチューで行こう!」、新曲の披露が行われた。この時は学校の文化祭の準備に積極的に参加するか否かを悩んでいた時期だったので、私にとっては、受験勉強に向かう応援歌のようにも感じた。
次は「ハウス!」。まいやんといくちゃんがスタンドのトロッコへ来たので、すごく近くで見ることができ、盛り上がった。
しかし、私の盛り上がりはこれだけに留まらなかった。
次の「おいでシャンプー」の時に、ステージの私たちに一番近いところにみおなが来てくれたので、オレンジと白のサイリウムを力一杯にアピールした。すると、なんと!みおなが手を振ってくれたのだ!!!友人にも「絶対お前だよ」と言われた。オタクあるあるかもしれないが、本当にうれしくて、まさに電気ショックをお見舞いされたかのような衝撃を感じた。
おいシャンが終わると、メンバーが集まり、ライブの総括が行われた。

メンバーがステージからいなくなると、「本日はご来場ありがとうございました」のアナウンスがなされ、本当に終わったんだなと思い、サイリウムはバッグにしまい、友人と感傷に浸っていた。周囲には出口へ向かう人もちらほらいた。
すると突然、「ガールズルール」の音楽がなり、ライトがつき、まいやんを先頭にメンバーが走ってきた。トリプルアンコールだった。
私は急いで、サイリウムを引っ張り出した。感情の振れ幅が大きすぎて、ブチアゲ状態だった。会場も一層の盛り上がっているように感じた。
曲が終わると、秩父宮と中継をつなぎ、二会場が一つになって、ライブを締めくくった。
これで本当に本当にライブは終了した。

夢の時間の終わり

帰りは規制退場で、案内があってから、席を離れ、球場を出た。本当に多くの人が球場から吐き出されたが、規制のおかげか、混雑はしていたが渋滞はすることなく、青山一丁目駅に辿り着くことができた。
ただ、到着した時の駅はおそろしい状態だった。
友人がICカードを忘れたということで、切符購入の列に並んだがそれも長蛇の列だった。
切符購入に時間がかかったことが奏功し、私たちがホームに着いた時には、混雑はある程度落ち着いており、電車にもすぐ乗ることができた。

友人と別れてからは、電車で英単語帳を開き、勉強をした。
この時が、私の受験勉強のハイライトであったことは間違いない。
虚無感を抱えながらも、それから逃げるようにして、英単語帳に向き合った。
ただ、自宅の最寄り駅に着いた時の虚無感、現実に引き戻される感覚は強烈だった。また、最寄り駅が同じライブ参戦者がいたり、時刻が予備校で授業がある日よりも早かったりしたことに驚いた。
帰宅してからは、いつも通り、「乃木坂工事中」を観てから寝た。この日は確か、水風船キャッチであやねちゃんが活躍した回だったと思う。

これからも

“あの日”のことは本当に思い出深い。他の何よりも思い出深い。今、これを書いていても感傷的な気持ちになる。それはなぜだろう。

ライブに参戦して、その規模感、演出の迫力に終始圧倒された。特に、満員の会場が一つになり、サイリウムを振る様子は、一つの生き物のような動きだった。
ライブ参戦前は、もちろんかわいいメンバーを生で観られることを楽しみにしていた。

しかし、実際に行ってみると、ライブ会場でしか味わえない価値がたくさんあることに気付かされた。
ライブに参戦するということは、単に乃木坂46のパフォーマンスを観に行くものではなかった。サイリウムを振ったり、色を揃えたり、タオルを掲げたり、大きな声を出してコールしたり、ファン一人一人もライブを創り上げる大事なピースだったのだ。
共に創り上げる「共創」というものがあの場所にはあった。だからこそ、私も当事者としてライブにかかわっている感覚を享受でき、より気持ちが高まっていったのだと思う。それはこれまで感じたことがないものだった。

加えて、あの時の状況は本当に特殊だった。
私たちは「受験生」で、受験に対して言いようのない不安を抱えていた。そんな中での乃木坂46のライブは他の誰よりも日常とは違う体験ができる場所だった。日常とライブの振れ幅は他の誰よりも大きかった。あの時の自分だけが感じられたことがあった。もう今後、どんなにお金をかけても一生味わうことができない価値があったのだ。

これからもあの日のことは決して忘れることはない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?