面白いってなんだろう?
「面白い」を生み出したい
「面白い」とは?・・・というと少し哲学的になりますが、この記事は「面白い」を生み出したい私があれこれ考えた結果をまとめた備忘録です。
「面白い」は人それぞれ
結論から書くと、「面白い」=○○というシンプルな形にまとめたかったのですが、それは叶いませんでした。なぜなら自分の身の回りにいる人への聞き取りだけでも、面白いと感じるものがみんなそれぞれ違っていたからです。
・・いや、正直そうかなーとは感じてたんですけどね(^◇^;)
なので、面白い=○○ ではなく、人が面白いと感じる時の状態と、それを生み出す条件について考えることにしました。
「面白い」時の脳内
さてまず「面白い」という言葉ですが、これについて考え始めると、そもそも日本語の「面白い」は幅がとても広いことに気がつきます。そこで身近な外国語である英語での表現を探してみると、interesting, amusing, entertaining, fun, amazing, incredible, awesome, cool, fantastic, fabulous, wonderful, brilliant, humorous, laughable, risible, comical, mirthful・・・
少し調べただけもこんなにあります。概ね、驚きや興味、楽しさやかっこよさ、「いいね」という感覚といったものが「面白い」で代用されているようです。これらはどれも高揚を伴う気持ちよさを表現していて、これらは脳内で働くある物質の作用を想い起こさせます。
その物質は“ドーパミン“です。ドーパミンは人間の感情を高揚させる働きがあり、私たちの気持ちが上向きになることができるのは、このドーパミンが脳内で正常に働いている証拠でもあります。一部の精神的な病気ではこのドーパミンの分泌量が減少するということも知られており、人の感情を動かすのにとても重要な役割を担っています。
興味を引かれたり、すごい!と驚いたり、快楽を感じたり、物事に集中したり、あるいは意欲が湧き上がったりした時には、私達の脳内でこのドーパミンが働いています。そしてこれらの状態と言うのはつまり、「面白い」と感じる場面と一致します。
ドーパミンと欲求
ところで、ドーパミンの作用した結果と「面白い」と表現されるものが一致しているとなると、ドーパミンが分泌される条件・状況は「面白い」に繋がるのではないかという仮説が立てられます。
さて、ドーパミンが分泌される条件ですが、これは脳が潜在的に蓄えている経験や出来事の記憶と強く関連しています。特に報酬系と呼ばれる脳内回路は、経験や出来事について、「自分にメリットがある」と脳が判定した場合にそれを蓄積し、関連する行動を繰り返すよう潜在的に働きます。
では自分にメリットがあると判定される場合とはどのような場合でしょうか?
それは自分自身が持っている何らかの欲求を満たしてくれる場合です。しかし欲求というのは人によってそのバランスが大きく異なります。例えば他人からの共感を得ることに対して強く反応する人は承認欲求の優先順位が高いと言えますし、障害の回避欲求が強く、身の安全が確保される状況を最も好む人もいれば、新たな知的刺激を求めて危険に飛び込んでいくことで最高の喜びが得られるというように、認知欲求が最上位にあるようなタイプの方もいます。
そしておそらくこの点が、「面白い」が人それぞれ異なる根拠にもなっていると推測します。つまり、人それぞれ欲求の順位が違うためにドーパミンが放出されやすい状況や条件が異なり、それによって「面白い」が人それぞれ違っている、という結果になるのだろうということです。
(まとめ)「面白い」を生み出すには
さて、「面白い」は人それぞれの欲求の順位や程度に応じて、それぞれ違った形で現れる可能性が見えてきました。それでは「面白い」を意図的に生み出すにはどうしたら良いのでしょうか?
これは非常に難しい問題です。欲求の順位が異なる以上、単一の方法で誰もが「面白い」と思うものを生み出すには、誰もが優先順位を比較的高く持っている欲求を特定し、それを刺激する必要があるからです。一方で人間である以上比較的誰でも上位に持っている欲求というものもあるかもしれません。例えば誰もが思いもよらなかった技術や不思議な出来事は多くの人に「面白い」ものとして受け入れられます。これはおそらく、好奇心(=認知欲求)というものが多くの人間に元々備わっているからだと思います。人間は好奇心によって様々な技術や知識を作り、蓄えてきました。あるいは好奇心があったからこそ、個体として他の動物に比べてあまりにひ弱であるにも関わらず、地球上でこれだけ繁栄しているとも言えます。
もしかすると他にも好奇心のように、人間の多くが上位に持っている欲求があるかもしれません。「面白い」を生み出すためには、少なくとも対象とする人たちが共通して上位に持っている欲求を特定する必要がありそうですね。
この記事が、「面白い」を生み出したい多くの方の参考になれば幸いです。
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