トリックテイキングについて🔰
この記事はボードゲーム初心者であり製作者(いずれも2020年〜)を始めた筆者(おるー)目線で見たゲームシステムの考察です。ベテランボードゲーマーの先輩方からすると当たり前だったりズレていたりするかも知れませんが、今の自分が考えていることの備忘録として書いています。そのため、専門的な解説ではない点に注意してご覧頂ければ幸いです(トップ絵は試しに作ってみたトリテ。現在ルールの詳細を検討中)。
トリックテイキングって?
トリックテイキング:カードを使った遊び方の一つ。さまざまなバリエーションがあるものの、基本的には以下の構造をもつゲームの総称。
①カードを配る
②カード1枚を出して勝負するミニゲーム(トリック)を複数回行う
③勝った(テイクした)トリックを点数化してゲーム全体の勝者を決める。
トリックテイキングの特徴
ゲームによって面白さの置き所や面白くなさの軽減方法は違っているものの、ゲーム構造自体から考えられる特徴はこんな感じかなと。
①関連
・トランプのカードを使うことが多い。
・全てのカードを配る場合、カウンティング(使われていないカードを把握すること)によって手札をどの順で出せば勝てるのか、という戦略が立てられる。
・配られた時点で手札の強さが概ね決まっている
②関連
・カードを出すだけなので簡単である一方、1つ1つの勝負は盛り上がりに欠ける。
・順番でカードを出す場合、先手番のプレイヤーが若干不利。
・弱いカードの利用価値が感じられにくい
・戦略性を出すために、出せるカードに制限を与えるルールが採用されることが多い。
例えば、スタートプレイヤー(リードプレイヤー)が出したカードの絵柄(スート)と同じものを出さなくてはならない(=マストフォロー)がメジャーで、他にも絵柄は関係なし(=メイフォロー)、すでに出た絵柄は出せない(=マストノットフォロー)、マストフォローかつ勝てるカードは出さなくてはいけない(=マストウィン)など様々なルールがある。
・カードの強さに関してもルールが採用されることがある。
例えば、前述のマストフォロールールで採用されることのある切り札(=トランプ)と呼ばれるルールでは、スタートプレイヤーが出したカードの絵柄を持っていない場合に「特定の絵柄のカードを出すと、スタートプレイヤーのカードの絵柄よりも強い絵柄として扱う」ことができる。これにより、勝敗の予測に影響を与えることで対戦相手の戦略を崩せる可能性が生まれる。
③関連
・大抵の場合、ゲームに面白さを与えるために得点方法に特徴がある
・比較的よく採用される得点方法として「ビット」がある。
ビット(賭け):手札の強さを見て、ゲーム中に何回勝てるかをあらかじめ賭ける。これによって弱い手札でも勝負の負け所・勝ちどころを見極める、対戦相手に必要以上の勝ちを取らせる、対戦相手がトリックを取りたいのか取りたくないのかを探るといったゲーム性が得られる。
さて、ここまでが前段です。後段ではこれを踏まえてトリックテイキングというゲームについて考察していきたいと思います(文体も変わります 笑)。
さて、これらの特性によってトリックテイキングという遊び方は「カードを1枚ずつ出してプレイヤー同士の勝ち負けの数をコントロールしながら最終的な勝利点を競う」というものになります。これはシンプルである一方でその面白さはやや隠れたものになるだろうと思われます。
なぜなら、すでに配られた手札の勝敗数を予測するためにはある程度自分以外のプレイヤーが持っている手札を想定するためのカウンティング(使用されたカードの記憶/使用されていないカードの把握)、その上でどのプレイヤーがあとどれくらい勝ちたくてどこで勝ちに来るのかという駆け引きがあり、ルールに特殊性がある場合はそこまで加味する必要があるので、この手のゲームを楽しむにはこれらの要素を抽象的に捉えて感覚的にプレイするか、カウンティングがある程度できることを前提に駆け引きを行う必要があるからです。
つまり、典型的なトリックテイキングゲームの面白さはこういったゲーム性を理解した上で初めて生まれるのだと思います。例えば以下のようなパターンで面白さを実感するのかなと。
パターン1 直感的に楽しむ
「よく分からないゲームだなぁ。何回勝てるかなんて運次第では?」→「これくらいの強さならこれくらい勝てるかな?」→「やった!想定外のこともあったけど結果オーライになった🙌!」
パターン2 戦略性に気づく
「これの何が面白いの?」→「あぁ、こういうパターンで勝ったり負けたりすることもあるのか」→「今はこれとこれのカードが残ってるはずだから、ここを狙ってこのカードを出すと相手の思惑を崩して自分が有利になるな」→「やった!戦略が当たった!嬉しい😆」
そのため、トリックテイキングを好きになるまでにはおそらくある程度、回を重ねる必要があるのではないでしょうか。また、一つ一つの勝負はカードを出すだけという点でやや派手さを演出しにくく、全体の勝敗についても「じっくりと進めてそっとガッツポーズをとる」というやや職人的な雰囲気を醸し出しているゲームのようにも感じます。
この辺りが、シンプルなルールの奥深さを味わうような伝統的ゲームを好む方に強くヒットする一方で、面白さを演出する要素がルールの前面に出ているゲームや、誰にでも元々備わっている能力を使ってみんなでワイワイ楽しむゲームを好むプレイヤーには刺さりにくいという結果に繋がっているのかなと。
となると、トリックテイキング系のゲームを新たに作る場合、方向性としてはA「伝統的なゲームの奥深さが好きなプレイヤーのための、さらに頭を使って駆け引きをするトリックテイキング」なのか、B「トリックテイキングの面白さをもっと分かりやすく前面に出して特別な技能がなくても気軽に遊べるトリックテイキング」、或いはC「トリックテイキングのようにミニゲームを繰り返しながら全体をコントロールするのが面白いけど、本質的には(既存にないものを含め)別カテゴリーに分類されるようなゲーム」やD「直感的に自分と相手の手札の強さを読み取って賭けをするトリックテイキングではないゲーム」などが考えられます。ちなみにDにはブラックジャックやポーカーなどが好例かもしれません。
個人的には駆け引きを楽しみながらも、特別な技能を使わずにコミュニケーションをとりながら楽しめて、回を増すごとにルールの妙を感じさせるようなトリックテイキングを作りたいと思っているからBが理想で、Cでもいいかな。という感じ✨
新しいトリックテイキングゲームを作る!(脳内会議議事録)
さて、方向性は「トリックテイキングの面白さをもっと分かりやすく前面に出して特別な技能がなくても気軽に遊べるトリックテイキング」に決まりました。
となると面白さが前面に出にくくなっている「カウンティング」要素は思い切って切り捨てるのが良さそうです。ランダム要素を入れてカウンティングの意味をなくすか、見える化して誰でもカウンティングできるようにするかが良いのかな?配り切り→前半では直接勝利点に結びつかないが、勝っておくと有利になる→あまり勝ちすぎると後半息切れ→後半は情報がある中でトリックを取り合う。みたいな。
あとは順番に考えていきましょう。ここからは完全に脳内会議の書き出しなので、文章構成などは崩壊します。要注意。ゲーム作りの初心者が何を考えているかに興味をお持ちの方がいらしたら、どうぞ💦
①カードを配る
まずはカードを配るわけですが、カードの配り方で面白さを演出するにはどうしたら良いでしょうか。。
欲しいカードが取れると嬉しいですよね。或いは欲しくないカードを押し付けることができても面白い。でもそれだとみんな強いカードを欲しがるから、一部の人だけが欲しくなるカードが存在すると良いかも。取るとボーナス点に繋がるとか?もしくは人によって「強いカード」が異なる得点ルール?完全に強さが分けられるよりは一部のカードは複数のプレイヤーにとって「強く」なるほうが面白いかも。
・秘密のボーナスカードがある→手札の格差が減る
・欲しいカードを取るか、相手の欲しいカードを押さえるかのジレンマ→ドラフト?オークション?未知の方法も模索したい。手札一部交換とか?
・配布後に必要性の低いカードを除外できる仕組み→他のプレイヤーにとって有用な場合、捨てた後でカードの入れ替えができるとジレンマになる?秘密のミッションなどがあれば、さらに捨て札を公開することでそのプレイヤーがどのようなミッションを持っているかが透ける仕組みにするとか。
②カード1枚を出して勝負するミニゲーム(トリック)を複数回行う
・プレイヤー毎にカードの強さが異なる→手札の格差が減る。
・1回の勝負でどこまで戦略性を楽しめるか?→ある程度予測される手札状況(使用されたカードの公開、事前の行動により各プレイヤーが取りたい戦略が見える工夫→最初いくつかのトリックは直接勝利点に関係しないほうが良い?
・トリックを取る/取らないを競うため、他プレイヤーの妨害が発生しがち→場合によっては面白さを損なう→軽減する方法は?チーム戦?トリック毎に争うプレイヤーが見える化されるとか?・・・例えばトリック毎に条件カードを取る→トリック毎にチームが組まれる→ミッションが併記されている「相方にトリックを取らせる」「切り札は出せない」「フォローできる場合、このカードを公開し、手札にある最も強いフォローカードを出す」「自分の手番の直前にプレイする相手チームプレイヤーにトリックを取らせない」など。このカードで手札情報が少しずつ公開されると面白いかも?
③勝った(テイクした)トリックを点数化してゲーム全体の勝者を決める
・トリック数以外を勝利点化する仕組み→例えば各トリックの前に戦利品としてカードを出し、トリックを取った際にそのカードを入手→コレクションで点数化とか。でもこれは結局トリックをとることが前提となるのでポイント制と変わらない?戦利品が例えば呪いの品だったり、マイナスポイントだったら?→「ハゲタカの餌食」の発想になるので却下。戦利品をプレイヤー自らが選択できる仕組み?事前に特定カード(弱いカード)がボーナスとしてプレイヤー毎に指定される→トリックで取るか、トリック前に戦利品として1枚出すルールにして必要な時に全力で取りにいくとか。
・ビットは研究し尽くされている印象なので新しいものという意味ではビットを使わない方法で勝利点を取る方法にしたい。
・ゲームボードを使うことでやや複雑な点数計算も可能?拠点毎にカードを配置して戦う?トラップをしかけて有利にしたり、カードの組み合わせで特殊な効果を得たり。→トリックをとる場所を工夫することで手札が弱くても勝てたり。
・・・面白いゲームを作るのは本当に難しいですね。ルールを聞いただけで面白そうなゲームもあれば、ルールだけでは「???」となるのにやり始めると何回でもやりたくなったり。勝てそうで勝てないゲーム、コンボが決まると爽快なゲーム、協力して喜びを分かち合えるゲーム・・・ボードゲームの面白さはいくらでもあると思うので、今までにないスタイルの面白いゲームを世に送り出せるようこれからも頑張りまーす💪(*´ω`*💪)
乱文失礼しました💦
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