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仕事は準備が9割と格差の再生産

仕事するより回しせよ


わたしの曽祖母が口癖のようによくいったという言葉で、幼い頃から何度も聞かされていた

仕事よりもその前の準備が大事
それこそが仕事をうまく回す秘訣

という意味で 仕事は準備が9割 とか
他にも様々な言い回しがあるだろう

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先程ナスの炒め物をしていたときふとこの言葉を思い出した

油がはね出したので
火を弱めて高いところに乗せていたエプロンに手を伸ばした
とそのとき、エプロンの上に乗っていた除菌ティッシュがすべりおち、台所の作業台に乗せていた合わせ調味料にヒット

見事に床に黒い水たまりができ
めんつゆと酒の匂いがやるせなく漂った

よりによってはいていたのは白のパンツ
汚れないよう裾をまくって
現場復帰に急ぐ


このとき真っ先に頭をよぎったのが

格差の再生産ってこういうことだよなぁ…

自分の粗忽さを棚に上げて。

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私は最近1LDKの一人暮らし向けの狭いマンションに引っ越した

以前住んでいたファミリータイプの2LDKだと
キッチンの作業スペースが広く
合わせ調味料を作業台の端のこぼれる危険性のあるアリアナなど置かなかった

エプロンにしろ除菌シートにしろ、日常的に手を伸ばして使う可能性のある物は、取りにくい上の方に乗せたりしなかったし

そもそもエプロンの上に除菌シートを無造作の乗せたりもしなかった
それぞれ決まった入れ場所に整頓して入れただろうから、何かを引っ張ると何かが落ちてくるような収納はしなかった

なぜならそれを可能にする十分な収納スペースがあったからなのだ


屁理屈を並べ立てよう

こうして折角の夕飯の準備中に掃除の手間が発生して、しかも冷蔵庫とシンクの隙間の床にまで合わせ調味料が飛び散ったりしたものだからほっておくと虫が沸いたりしかねないし

奥の壁にはねためんつゆもしっかり吹いておかないと退去時にシミができて清掃費用を取られかねないし

苛々しながらもお気に入りの白のパンツが汚れないよう気を張りながら床を拭き

だんだん卑屈になってきて
なんでこんな不運なことが起こるんだなんてぶつけようもない怒りがわいてきたりまでして

こういうことなんだよね…
格差の再生産って


所得に見合った広さ・機能の家に住む

不便さが興じて不運な事故が多発する

日々苛々しがち、自分は運が悪いという自己評価

社会に出ても人に当たる/卑屈になりがち

思い出せば職場でも似たような場面があった

200人規模の小さな企業に、数千人規模の大企業から転職してきた後輩
小さな会社では会議室数が少なくて、会議室の空き状況の細かな管理や調整の工夫が職人技並みになっていた私が、半ば得意げに新人後輩に熟練の技を伝授していた時後輩がポツリ

前の会社では、会議室が2フロア分あったんで、こういった工夫は全然したことありませんでした…!

 ・・・・ うん、 だよね。


リソースが揃ってればそれだけ本業に専念できる

些末な事務処理に手間を取られ苛立つこともないのでいつも感じよく仕事に当たれる

いつも感じがいいので顧客や同僚からの評価も上がり成果も発揮しやすくなる


大企業に入るべし!ってことが言いたいわけでは決してないけど
リソースが揃っている環境というのは精神衛生面においてプラスに働く部分があるというのは否めないなぁとここでも実感したことを思い出した

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でも当然、みんながみんな快適な家に住めたり何でも揃ってるオフィスに勤められるわけじゃない

万事完璧な環境じゃないからって、挽回が効かないなんてことない

自分には十分なリソースが与えられてなかったら、
その分工夫や努力をすればいい

そこで頑張ったらその分、恵まれた環境で工夫する余地がなかった人より、頭のトレーニングにはなってたりするだろうし
ない物を代用品や運用で補って工夫した経験は、別のことにも活きてきたりするものだ

仕事は準備が9割。


今日のめんつゆの件だって同じ。

- もし私が今日、そもそも最初からエプロンをちゃんとしてたら?

- 狭くても収納に工夫して、物の上に物を置くなんてガサツなことをしていなければ?

- 作業台が狭くて合わせ調味料を端に置くのが危ないのはわかってたはず。面倒でも使うときに出してしまう方式をとっていたら?


格差の再生産をものともせずともアメリカンドリームや下克上成し遂げるツワモノたちは

自分の置かれた環境を嘆いてる暇あったら
環境をより使いやすくする工夫を重ねることができた人たちだったのかも。



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