今年もありがとうございました。

2023年も今日で終わります。混沌極める国内政治や国際情勢の中で、この一年私と妻、および親類共々が安寧に暮らすことが出来たのは、全くもって幸運なことであると痛感しています。
一年が終わろうとしている12月31日、人道危機に瀕する人々は一体どのような感情を胸に抱くのでしょう。何も解決しないまま経過した日々を想い、無情な一年がまた始まる。私自身はそうした紛争、武力衝突、災害、差別などに接することなく生きてきました。ですから彼らの心情は計り知れなません。
私の育った環境は確かに貧困でしたが、給食費を払えない、毎日袋麺、夏も冬も同じ服という程度のもので、労働を強いられたり銃を突きつけられるといったことはありませんでした。口唇口蓋裂のため容姿をからかわれたり、いじめを受けることはありました。いじめを受けている最中に母が不倫をして家を離れたことも、少なからず私に傷を残しています。その後もうつ病を患ったりしましたが、もう過去のことです。
今でも幸せそうな他人の子どもたちを目にすると吐き気を催すこともあります。けれど一年また一年と過ぎ去っていくにつれ、私もまた幸福な子どもだったのだろうと思うようになりました。自己憐憫の沼から抜け出して、ようやく世界を見渡すことが可能になったのでしょう。
私は幸せな環境にいます。恵まれた環境にいます。私は良い一年になりますように、と願うとともにこれ以上悪い一年にならないように、と世界に祈ります。今年もありがとうございました。よりよい世界が訪れますように……。

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