一分しまうま|毎週ショートショートnote
昔しまうまには、あの特徴である縞模様は無かったんですな。
まあ、普通の馬ですわ。
彼らとて、それに何の疑問も無かったんだ。
だがな、やはり例外はあるもんで馬の数頭は自己主張が強く、皆んなと同じである事が許せなかった。
それで神様に願い出たそうでな。何と神様は承知されたんじゃな。
神様はその馬達にどうして欲しいか尋ねられたのさ。
「美しい模様が欲しい」と彼らは答えた。
すると神様は馬達の身体を見事な花柄にしてくれた。
馬達は「目立ち過ぎます。これではライオンにやられます」と口々に訴えた。
神様は今度は彼らの全身を緑色にした。
それは乾季に目立つ。
何度かそんな事を繰り返した。
それではと神様は漆黒に彼らを染めた。
彼らは黙ったまま。
それではと神様は純白に彼らを染めた。
彼らは黙って下を向く。
とうとう神様は怒ってしまわれたんじゃな。
馬達を例の白黒模様にして、神様は消えてしまわれた。
こうして馬が一分しまうまになったそうですぞ。
ホンマかいな。
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たらはかに さんの企画です。
毎週、楽しませて頂いています。ありがとうございます。
一分しまうま というお題ですが、一分は
いちぶ いっぷん どちらにしようか迷いました。
いちぶ を選択しましたが…。