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紫陽花を シロクマ文芸部

紫陽花を見ると不思議な気がするの。
こんなに愛らしいのに毒を秘めているなんて。
秘めているからこそって事かしら。
江戸時代には死者の花なんて言われていたそうだけど、昔の紫陽花は今と違った姿だったのかもしれないわね。

ねえ、私、毒の花を愛でているのよ。あなた、どう思うのかしら。こんな季節になると、私ね、あなたの知らない女になるみたい。

別に紫陽花から毒を抽出して、あなたに、なんて考えてはいないから安心してね。もちろん私が毒を仰ぐなんてこともあり得ない。
ただね、ただならぬ誘惑の心が生じるのは事実だけど。
心配ないわよ、ただ面白がってこんなこと話しているだけだから。

あら、私にプレゼントなの?珍しいわね。
何?紫陽花の鉢植え?意味深ね。
ねえ、私達って案外お似合いかもよ。

明日は紫陽花寺をハシゴしてみましょうよ。

こんなデートの誘い方って無いわよね。昨日のドラマに影響され過ぎだわ、私。

あら?あなたのプレゼント、花色を変化させているわよ。
あなたの心変わり、を教えてくれているのかしら。
紫陽花の毒、あなたは必要?
紫陽花の毒、私は必要なのかしら。








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