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小判食え 毎週ショートショートnote

お爺さんは裏の畑で大判小判を手にした。愛犬ポチの手柄だが、ポチはもう二度と帰って来ない。宝物よりポチを戻してくださいと、毎日、お婆さんと二人で神に願い続けた。

ある日、一羽の烏が現れた。
「突然鬼が現れて、ツヅラいっぱいに小判をよこさないと、烏を皆んな食べるぞ」と脅されています。どうぞお助けください」

「うちにあるツヅラに小判を入れておくから、鬼に取りに来いと言いなさい」
烏は何度もお礼を言い、帰って行った。

その夜、鬼が現れた。
お爺さんとお婆さんは、震えながらツヅラを差し出した。
すると鬼は、なぜか泣き泣き小判を食べ始めた。驚く二人。
小判はだんだん少なくなっていく。
その時、二人は気がついた。鬼に尻尾が現れたのだ。忘れもしないポチの尻尾。
二人は鬼に掛け声を送る。
「小判食え、小判食え、もっと食え!」

すると、はっきりとポチの姿が現れた。
そして、二人は泣きながらポチを抱きしめた。


烏は神様のお使い『八咫烏』か。不思議なお話です。
        


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たらはかにさんの今週の裏お題『小判食え』です。
もう笑うしかありませんね。
花咲かじいさんが下地です。
最後、『不思議なお話です。』と自分で書いて笑いました。


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