神の贈り物 毎週ショートショートnote
人類は新たな能力を手にした。
人類は神からの贈り物に歓喜した。最初は。
新たな能力、それはテレパシー。
だが、スマホには意思伝達以外に利用できるツールが幾つもある。テレパシーだけではスマホをカバーできない。確かに不便だ。
人類にはこの能力を使いこなせなかった。相手に届いては困る内容も、すべてが筒抜け。コントロールできないのだ。かなり厄介な能力。
神の贈り物より、スマホの方が便利だと全人類が思っている事を神はどう思われているのか。
次に、スマホが突然白骨化すると言う現象が現れた。
科学者が集められ、分析されたが、何の収穫も無かった。新しくスマホを作ってもすぐに白骨化する。神の思し召しか。
世界中の人々が神に一斉にテレパシーを送った。
「神よ、この能力をお返ししますから……」
神の能力を大きく上回るほどの発信数だった。
恐れをなした神は全てを無かった事にされた。
不要な能力も消え、白骨化スマホも元に戻された。
覚えている者は誰もいない話。
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