タイムスリップコップ 毎週ショートショートnote
西暦2060年
宇宙飛行士の私は新たな任務に就く。宇宙と地球間の瞬間移動。地球上では普及しているが、宇宙空間はこれからだ。
まずは一対のコップでのミッション。宇宙空間で採取した小さな星屑をコップに入れ、地球に転送する。勿論、その辺にあるコップでは無い。企業秘密のしろもの。
話を聞いた幼稚園児の娘は、早速おねだり。
「パパ、ピンクのお星様を送ってちょうだい。お願い」
娘はキラキラと目を輝かせている。
うーむ困った、どうしよう。
すると妻が、そっと手渡してくれた。金平糖を。
「これでは無理だよ」
「役に立つ事も無いとは限らないわ」
宇宙空間で、私は星屑を採取できなかった。宇宙センターから、何でもいいから送れと指示。
金平糖を送ると連絡し、了解された。
地球に届いたのは、ピカピカ光る小さな本物のお星様だった。
金平糖はタイムスリップコップの中で何らかの科学反応を起こし、ピンクのお星様になったと…JAXAから報告があったとか、無かったとか。
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たらはかにさんの企画です。
今週のお題は
タイムスリップコップ です。