信者ブラスバンド 毎週ショートショートnote
ここに一人の男がいる。
見目麗しい姿。
崇高な雰囲気を身にまとう。
彼は多くの者達を魅了する。彼の姿を一目見ただけで、このように彼の信者とも言える取り巻きがあっと言う間に増えていった。
ただ、彼の内面を探る者は無い。知りたいとも思わない。ただ彼の側にいたい。ただそれだけ。そして彼の喜びが私の喜び。なんでもして差し上げたい。そう思わせる男の魅力。
ある日、彼はおもむろに呟く。
「私を讃美してくれる私専属のブラスバンドがあればなぁ」
その甘い声にウットリするあまり、間違って聞こ