見つめる目薬 ショートショート
この頃、誰かに監視されている気がする。素敵な女性が建物の陰から胸をときめかせて僕を見つめていて欲しいものだけれど。あり得ない。
命を狙われるほどの大物でも、ワルでも無い。借金も無い。
そうだ、外だけでは無く、アパートでも何かの視線を感じる。なぜなんだ、僕はどうかしたのか。
彼を見つめていたのは、目薬かも知れない。
彼がどこに居ても、彼を見つめる視線は途切れない。
彼が最近別れた彼女は、薬局勤めの女。
彼から別れを告げた。
彼は目薬を買うほんのついでのように、彼女を捨て