炭酸水 たいらとショートショート
「先にお飲み物お伺いしましょうか?」
「ボトルごと炭酸水が欲しいの」
「炭酸水だけで、よろしいのですか」
「本当はお水が欲しいの、でもそれだけ頼むわけにはいかないでしょ」
「はい、少々お待ちください」
彼は厨房に入ると、水と炭酸水、おしぼり、コップをセットした。
マスターは、注文はそれだけかと尋ねた。
「はい、今のところ」
マスターは炭酸水だけが好きだと言っていた人を、遠い昔知っていた。
興味を持って、彼女を見やった。
マスターは急ぎ足で彼女の席に行き「失礼ですが