透明な手紙の香り(シロクマ文芸部)
透明な手紙の香り。
透明なので、ほとんどの人が気づかない手紙。
それは海の青と空の青が紡ぐ香りをまとった手紙。
そんな話、誰が信じるものですか。
そんな私に手紙が届く。
誰にも見えない、私にも見えないけれど確かに私は受け取った。
存在さえ知らなかった胸の中のポストに届いたその手紙。
ポパンと私のポストは誇り高い音を響かせた。
差出人が無い手紙。青の気配をまとった透明な手紙の香りは、青のイメージを広げていく。
透明な手紙の香りとは一体何なのか。
海と空が接するところ、そこに