黒猫(ショートストーリー)
ある日、黒猫を見た。
結構大きな猫だった。
私はイラストやアニメに描かれる黒猫は好きだけれど、本物は少し怖い。
鋭い眼差しで、こちらの心の奥底を覗かれているような気がするのは私だけだろうか。
それから1週間ほど過ぎた時、私はまたあの黒猫に出会った。と言うより黒猫が私の後を歩いていたのだ。
私は気配を感じ、ふと振り向いた。黒猫は私が振り向く事を想定してなかったようで、一瞬猫の目が泳いだ。
「うちでは飼えないよ」
思わず声をかけた。
黒猫は姿勢を低くし、私を上目遣いで見据え