線画で絵が死ぬ
線画を描くと絵の息づかいがなくなる
普段、画材はコピックスケッチを使っています。
線画を描く時も、コピックシリーズのマルチライナーを使っていました。
以前から、なぜか線画を描くと絵が死んでしまうような気がしていました。
鉛筆で下絵を描いている時点では絵が生きているように思えても、マルチライナーで線画を描くと急に、死んでいくような気がするのです。
下は、「夏空に龍」の線画です。
いつものように下絵を作り、トレース台もカーボン紙もないので古風に鉛筆を使って転写し(笑)、マルチライナーで線画を描いたものです。
鉛筆描きの下絵が残っていないので比較ができませんが、平面的な印象が強く、はつらつとした表情や、ひげが風になびきそうな雰囲気などが感じられなくなってしまったと思ったのです。
しかし、色を塗り始めると、また絵がいきいきとし始めるようです。
輪郭だけで陰影がないからそう感じられるのかとも思いましたが、そういうものでもないようです。
下は、鉛筆で描いた龍です。
マルチライナーで描く時と同じようなレベルで、鉛筆だけで描いたものです。
鉛筆描きのままの方が、質感が出るような気がしています。
射抜くような目や、柔らかそうな口先、鼻息の気配などが消えないで済んでいるような感じがするのです。
…自画自賛ですが(^_^;)
せっかく下絵の時点で息づかいが感じられそうなものを描いても、線画を描くとそれらがいったん消え失せ、着彩を始めるとまた息を吹き返すような感覚なのです。
しかも、線画を描くと毎回極端に疲れて、休み休みでないと描けないことが多発していました。
かなりの緊張状態が続くからか、疲れもひどいし、緊張の波動が入り込んで絵が死んでしまうのかも知れません。
どうすれば絵が死なず、こんなに疲れることもなくなるかと思案しました。
線画を描かない
今やってみているのは、線画を描かないことです。
マルチライナーは使わず、鉛筆描きの下絵の時点でのものを線画と考えてしっかりめに下絵を作り、直接着彩してみました。
鉛筆の線にコピックを塗ると、線が少しぼやけてコピックの筆先が黒くなりますが(泣)、絵は死なないで済んでいるようです。
逆に、鉛筆線にコピックがかかったぼやけ感が柔らかい印象になるので、これはこれでいいかも知れないと思っています。
大変なのは、下絵の時点でしっかり鉛筆描きしないといけないので、アタリをつけた余計な線を消すことです…重要な線まで消してしまったり、自分の手で線がこすれたり(^_^;)
ここで、以前から持っていたノック式の消しゴムが活躍しています。
ペン感覚で使えますし、消しゴムの直径が2.3mmなのでピンポイントで消せます♪
この方法にしてから、線画で緊張して絵が死ぬこともなく、疲れ果てることもなく、さらに工程が減って時短になっています♪
鉛筆線を手でこすらないようにすることと、重要な線を消さないように気をつければ、なかなか良いかも知れません。
コピックの先が鉛筆で黒くなっても、描いた時の色味は黒くならなかったので、これはこれで良しとしています(^_^;)
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