「一線の湖」砥上裕將
「線は、僕を描く」の続編。
この作品も、描写がひたすら美しくて読んでいて心が洗われるようだった。とくに第4章は本当に惹き込まれた。
前作もそうだったけれど、砥上さんは生きることの素晴らしさ、一瞬一瞬の輝きの美しさを伝えてくれる。やはり、何かに直向きに打ち込んでいる人間はかっこいい。私も彼らのように強かに生きていきたい。
やってみないと分からないことはたくさんある。
私はこの一年で挑戦したことが多い。自分は向いてないだろうなと思うこともとりあえずはやってみた。その結果、あれできるじゃんって思ったりやっぱり無理ってなることもあった。
「やれない」「できない」って決めるのは今じゃない。
やってみてから考えてみるのもいいんじゃないか。
これは少し難しい…。
芸術って、何かを表現したいとか誰かに伝えたいと思って創作するものだと思っていて。そういう意志なしでできるものなんだろうか。
でも確かに、絵に「描こうとする意志だけが描かれる」のは違うかもしれない。意志よりも、自然に出てくる思いや人間性、何か瞬間的なもののほうが大切なのかもしれないな…。
この湖山先生の言葉は本当に心に沁みる…。
芸術家としてだけではなく、一人の人間として生きていく上で大切なことだと思った。
生きていくのはいいことばっかりじゃない。特に人間関係の悩みは尽きない。どうしてそんな自分勝手なの?なんでそういうことを言うの?他人だから理解できないのは当たり前だけどイライラしてしまうこともある。
でもよく考えたら同じ時代に、同じ場所で、同じ時を共有しているということは、すごくかけがえのないことなんじゃないかって。
今の環境や関係ができる確率は一体どれくらいなんだろうって思ったら、自分の周りの人たちを大切にしたくなった。
このマインドをお互いが持てたら素晴らしい人間関係が築けるのではないか。
この心がけを忘れないようにし、自分の人間性をもっともっと磨いていきたいと思う。