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「こんな世の中で生きていくしかないなら」
「こんな世の中で生きていくしかないなら」りゅうちぇる
「自分を好きになるなんて難しい。できることは自分を甘やかしてあげること」―。息苦しさを感じる心がふっと軽くなる、りゅうちぇる初の著書。
「多様性」や「自分らしさ」「子どもへの教育」「家族愛」など、いま思うことをつづる。
タイトルに惹かれて手に取って、著者名を見て驚いた。本を遺していたなんて知らなかった。
これは読まなければと思いページを捲る。
優しい文体で書かれた愛のある素敵な言葉たち。
心が軽くなったり癒される反面、この考えを持つ人がどうして…と思う気持ちも拭えなかった。
私にとっては、心に留めておきたい言葉ばかりの一冊だった。ただただ、この本を書いてくれたことへの感謝でいっぱいです。
僕の場合、嫌いな人や苦手な人と会ったときは、その人のバックグラウンドを想像するようにしている。(略)
僕がいうバックグラウンドは、この人が今日家から会社に来るまでに、どんな時間を過ごしてきたのかを想像すること。
家で誰かに「行ってきます」って言ったのかな。どこの駅から通っているんだろう。満員電車にゆられてきたのかな。だったら、車で快適に送ってもらった人とは、機嫌が違うのは当たり前かも、なんて考える。
そうやって考えていくと、「この人だって、自分の人生を頑張って生きているんだな」ってことを感じられる。
最近、友達から愚痴を聞くことが増えてイライラしていたときにこの言葉を読んだ。
愚痴を言わずにはいられない友達のバックグラウンド。自分のことでいっぱいいっぱいで落ち着く余裕もないのかもしれない。ちゃんと寝れてないのかもしれない。大学に恋愛にバイトに、すごく忙しいのかもしれない。
そんな状況だったら、誰かに話したくなるのもしょうがないかもな。聞いてあげて、ネガティブなほうに引きずり込まれないようにしよう。
少し考えるだけで、優しくなれる気がした。
この世界はいい人ばかりじゃなくて、うんざりするようなことを言ってくる人もいるし、理不尽な目に合うこともある。だけど、少し想像力を働かせれば受け止め方を変えることができるのかもしれない。余計なストレスは減らしていきたい。
「この返事って、私のことを好きってことだと思う?」
「普通、好きじゃないとこういうメッセージを送らないよ!」
若い子たちが、こんな感じで、気になる人からのLINEを見せあったりしていることがある。
これも、自分の中で「愛ってこういうもの」って決めつけているんじゃないかな。
恋愛話をしているときに、「普通はそうだよね」って言葉がよく出てくるのも、やっぱりどこかで相手に自分の「普通」を期待しているんだと思う。
女子だから分かるけれど、こんな会話は日常茶飯事だ笑。私はいつも聞く専門だけれど、LINEでは本当のことなんてわからないといつも思う。
脈あり行動とかいうけれど、気にしているのは女子だけで男子は何も考えていないということが多い気がする。妄想するのは勝手だけど、それで決めつけてしまうことはよくない。
恋バナに限らずいろんなことに言えると思う。私にとっては当たり前なことが、相手にとっても当たり前であるわけではない。その人の言動を自分の価値観だけで捉えずに、柔軟に解釈することが大切かも。
でもこれは言うのは簡単で、実際にやるのはすごく難しい。どうしても自分が正しいと思いたい気持ちがどこかにあるから…。かと言ってすべて自分をなくしてまで人に合わせるのも違うし。うまく自分と他人の価値観を共存させていく方法を見つけたいな。
「この子もいつか、こんなにもいろんな意見のあふれる世界に飛び立っていくんだな」
キツい言葉にもさらされることがあるだろうし、いろいろな価値観にぶつかって悩むこともあるかもしれない。
でも、それが「世の中」だ。
だとしたら、そんな世の中に出ていったときに、折れない心を育ててあげたい。自分の信念を曲げずに生きていける子どもにしてあげたい。
だから僕は、子どもにたくさん「愛」を伝え続けている。
それが、この子の強さになると思うから。
最近、バイトとか学外の活動とかで「世の中」を実感する。
本当に本当に、いろんな人がいる。もちろん尊敬すべき素晴らしい人もいるのだけれど、私のこと何も知らないでいろいろ言ってくる。思っていたよりも同調圧力は強く、ぼーっとしてたらすぐに流されてしまう。かなり怖いな、と感じる。
でも私たちはその中で生きていくしかない。世の中を恨んだって呪ったって何も変わらない。誰も助けてくれない。自分の欲しいものは自分で取りに行かなければいけない。そしてその方法は、学校では教えてくれない。
でもこの言葉を読んで、何かを愛することが自分の軸をつくっていくんじゃないかなと思った。
私は音楽を愛していて、言葉を愛していて、人の想いが込められたものを愛していて、美味しいご飯を愛していて、自然を愛している。それが、自分の支えになっている。
けれど、何かを愛するためには、愛される必要があるんじゃないかとも思う。愛されないと、愛せない。なんか小説に出てきそうなフレーズだけれど、愛を一番最初に与えてやれるのは親なんじゃないか。具体的に言うと、無条件で全肯定してあげること。毒親からの歪んだ愛は違う。
誰かに愛されて、それを受け入れて、自分も愛する。
そんなことが、こんな世の中を生き抜く術なのかもしれない。
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