解けない呪い

 今年も年頭から、あれこれ思い巡らしてばかりいたら、何かをする前から諦めてばかりいた自分が現れた。びっくりした。が、それは紛れもなく自分、だった。
 どうせ無理、うまく行く筈がない、最後までやり遂げられない、私なんかには出来ない。そう思い込み、やりもしないうちから諦め、やらなかった自分。そのくせ、あの時ああすれば、こうしておけば、よかったと、後悔してばかりだった自分。

 更に思いを巡らせた。

 そこにいたのは、周囲の目、評価ばかりを気にして立ちすくむ自分。出来ない奴と思われたくない、そら見たことかと言われたくない。そう思った途端、フリーズしてしまった。そして、失敗してはならない、途中でやめてはならない、変更してはならない、この暗黙のメッセージに絡め取られ、縛り付けられてしまった。
 むしろ、失敗から学ぶものは多く、不都合、不具合に気づいた時点で、中止、撤退したり、手法や軌道を修正したりするのは大切だというのに。
 そら見たことか、最後までやり通せ、変更してはならない、これらは全て、毒親たちからの呪い。 解けていない呪い。凍りついたまま、溶けることのない自分。唖然、呆然。
 前にも書いているが、これらの呪いを解くために、自分の、と思い込んでいる価値観、認識が、どこからか来たのか、改めて吟味して来た。が、呪いは思いのほか深く、多岐に渡っていた。氷像になったままの自分が、あちらこちらに立っている。

 価値観、認識の再吟味、今年もやめられそうにない。楽しいこと、ではないのだけれど。

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