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寅ビア Part2

寅さんトリビア、略して寅ビア。
今日はその第二弾。


テーマは満男



寅さんの妹「さくら」と「博」夫婦の間には「満男」という一人息子がいます。

前々回ご紹介した『浪速の恋の寅次郎』から「満男」役が、吉岡秀隆さんにバトンタッチされます。
つまり、一般的に知られている「満男」は27作目からという訳で、意外と後の方からの出演だったのです。
これを機に、吉岡さんは山田洋次監督作品の常連となります。

ということで、今日は吉岡秀隆さんに関連したおはなしです。

子役で大忙し


吉岡さんと言えば我々世代には、『北の国から』のイメージも強いですよね。
しかし、倉本聰さんより前に、山田監督が目を付けたというのが事実です。
『浪速の恋の寅次郎』が1979年公開で、翌年には山田作品『遙かなる山の呼び声』にも出演します。吉岡さんはここでも賠償千恵子さんの一人息子役を演じます。
その名も「たけし」…
いずれにしても、この頃からはテレビに映画に子役として大忙しですよね。
実際、ロケ先でサイン攻め?にあいますが、まだ小学生の吉岡君を渥美さんがかばってくれたというエピソードがあるくらいです。

類似性


この『遙かなる山の呼び声』ですが、舞台は北海道です。
倉本さんはこの映画から多大な影響を受けたはずだと、私は勝手に決めつけてます(笑)
現に、倉本さんは『遙かなる…』を見て、吉岡さんを抜てきしたらしい、です。
『北の国から』も北海道ですし。(放送開始は1981年)
更に、『北の国から』で有名なシーン(セリフ?)に、「ルールルー」と言ってキタキツネを呼び寄せるってありますよね?
一方『遙かなる…』では、「ベーベー」と言いながら家畜の牛を追うのです。
そんなことが私の推論の根拠です。

日本映画のレジェンド作


この『遙かなる山の呼び声』
主演は高倉健さん
お相手が賠償さんで、息子に吉岡さんです。
もちろん、渥美清さんもチョイ役で出てきます。
他には、武田鉄矢さん・ハナ肇さん・ムツゴロウさんもご出演。

https://youtu.be/jS1UIxZ_xig

山田洋次監督作品は、健さんが任侠映画から脱皮を計るきっかけともなり…
鉄矢さんもその後俳優として売れる契機となります。(金八先生ですからね!)
『幸福の黄色いハンカチ』に次いで、日本映画やドラマに歴史的な功績を残した一本と言えるのではないでしょうか?

そして、お出掛けもままならないお盆期間中に、北海道の雄大な景色を見ながら、旅行気分を味わってみるも良いかも知れませんね。

最新作から見るのもオススメ


『男はつらいよ』に戻りますと、渥美さんは晩年、体調が優れず映画の撮影も休み休みでないと出来ない状態だったそうです。
(元から片肺が無いので、撮影の合間には横になって出番を待っていたくらいです)
その為、『男はつらいよ』は、「満男」とゴクミ演じる「泉」の物語を織り混ぜた構成になっていきます。
ですので志らく師匠は「満男シリーズ」と呼んでます。

最新作『お帰り 寅さん』でも、小説家としてサイン会をしている「満男」と、UNHCRの職員として日本を訪れた「泉」が20年振りに再開し、2人を中心に物語が展開します。

この映画を見る前は、昔話に古い映像を差し込むだけの「寅さん」プレイバック的な感じなのかと大して期待をして無かったのですが…
もちろん「寅さん」の映像は流れますが、実際に見てみると、やはり笑いあり涙あり、このシリーズでそんなことまでやるか?という意外なシーンもあり、心に響く映画となりました。

あまり『男はつらいよ』を知らないという方は、この映画からご覧になってはいかがでしょうか。

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