ゴーン氏と主人

ゴーン氏とは紛れもないあのゴーン氏である。スパイ物顔負けの日本脱出劇で、その有り様にあちこちで色々と議論されている。
日本の法律を馬鹿にされているとも思うし、ある意味日本なんてどうでもいい、と思っているような節もあり、許されていいものではないと思うが、日本の法律の運用の仕方そのものに不満がある、というところは納得のいくところがある。

日常生活においてほぼほぼ法律を屈指して戦うことなどはないかもしれない。せいぜい交通違反くらいだろうか。人によっては相続税あたりでお世話になるかもしれない。

とにかく日本の法律の運用がまどろっこしすぎ、というのは納得がいく。一つ話をしようと思う。

主人は長く運送業に関わっている。結婚したかしないかの時期だったからもう十年経つと思う。その運転技術を買われてとあるところからいわゆるヘッドハンティングの話があった。元の会社より業務内容が楽で給料も高い。初級の電気関係の資格だけが必要だったらしくそれも取った。

会社に退職届も出した。

が、ここに来て待ったがかかった。元の会社がヘッドハンティングした会社を訴えたのである。
理由は”国家がそういう事をしていいのか”というもの。

公務員待遇ではなかったがほぼ公務のような会社からの引き抜きだったので、権力の乱用ではないか、というのが元の会社からの訴えだった。(詳細は伏せます)

弁護士がついたが、だいたい弁護士というのは示談にもっていくもの。でも決着がつかなかったのだろう。未だに話は何も無い。

主人に悪いところは一つもない。より待遇のいい仕事の話があれば転職するのは極自然の話だろう。

でも元の会社には戻れず。ヘッドハンティングした公務もどきは決着がつかないと雇えないという。かくして主人は無職になった。

弁護士の言うことにゃ、裁判で勝つためには新しい仕事に就いてはいけないという。なので失業保険ももらったが決着がつかないままそれの期限も切れた。
私の稼ぎなどでは生活していけるはずもないから弁護士に相談したところ、ハローワークに通ってくれとなった。結局はそこで紹介された会社に就職して、今に至っている。

裁判の話がどうなったかは今は話題にも登らない。きっともうウニャムニャになっているだろう。

元会社は社員一人失い、公務もどき会社は社員入れ損ない、私達は稼ぎを失った。誰も得していない。皆損失を被っただけだ。むしろこちらが損害賠償請求したいくらいだ。

冤罪などを防ぐ為には綿密な調査が必要だろう。
法律や裁判の事など私は殆ど知らない。きっと提出する書類やら何やらかにやら大変なのだろう。

が、日本の訴訟はかかりすぎだ。あのまま無職のまま賠償金が入るからなどと皮算用あてにして、生活費の為に借金して、未だに解決のめどがたっていない、あるいは負けた、慰謝料なんて入りませんなんて具合だったら目も当てられない。

長ーく裁判やっているのをたまに耳にする。双方消耗しきってしまっていて、半ば根比べのようになっている。なんとかならないものか。

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