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知足を継ぐひと
#あの会話をきっかけに
2021年、魚の骨が喉に刺さり入院/手術した男は「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれた南米ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領だった。彼は言う「貧しい人とは物を少ししか持ってない人ではない、限りなく欲があり物がいくらあっても満足しない人だ!」
その言葉を聞いた時、俄かにシンクロして来たイメージは古の銭「和同開珎」かと思いきや4つの文字はそれとは違っていた"吾・唯・足・知"あの水戸光圀公が寄進されたと伝えられている京都龍安寺の知足の蹲踞(つくばい)だった。
その文字はセンターの"口"を共通にした形になっていて0時から時計回りに3時、6時、9時と順に読んで行くと「吾唯足るを知る」と読める。流石!黄門様、デザインセンスにしても天下一品である。
そしてその意味に震える「足ることを知る人は心穏やかで豊かであり、足ることを知らぬ人は常に心乱れ貧しい」Almost match!前述のムヒカ氏の言葉とほぼ一致した。
2012年6月ブラジルのリオで開催された国連の"持続可能な開発会議"で各国の首相や閣僚は自然と人との調和や貧困の問題を話し合っていたが僅か8分のスピーチで静かな会場を感動と拍手の嵐に変えた人こそムヒカ氏なのである。
彼はただの大統領ではなかった、いや"ただの人"であり続けたが正しいと思う。官邸を拒んで農場で質素に暮らし、報酬の多くを貧しい人達のために寄付、それは彼の言葉をそのまま体現していたと言える。
来日した時にもこんな言葉をプレゼントしてくれたらしい。
「確かに日本は裕福な国だ、国の発展のために絶望的に働く人が多い。でも自分の幸せのためにも闘わなくてはならないね!」
"自分にとっての幸せ"
それは今の私達に残された最後のキーワードなのかも知れない・・
このままだと地球は大変なことになるとみんな言葉では分かっている。耳にタコもイカも出来てる人もいるだろう。
「まだ先の話だしそこまで生きてないから・・それに自分だけがやっても何も変わらない」と言う人には「アナタの子供達が暮らす世界を想像してみて下さい、最初は1人でも集まれば大きなチカラとなり変革に繋がります!」とそれに対する返答もちゃんと準備されている
でもそんな会話が繰り返されても私達の居る景色はどうだろう・・・
殆ど変わっていないではないか!そう感じるのは私だけだろうか?
会話にも色々ある。挨拶程度のものから雑談、商談、約束・・でもこの話はそんなに軽くない、今までの様に風が通り過ぎるのを見ているだけでは済まない。
暫くボウッとしてると浮かび上がって来たのは
「全てはお金さえあれば何とかなる、幸せだって買える!」
実はその共通意識が現在世界のベースになっていたのだと改めて確信した。
自分だけは違うと言い張る人がいるかも知れないがもはやこの経済ルーティーンを変えるのは並大抵のことじゃない。何故ならスピードを落としたり、ましてSTOPなどした日には生活出来なくなる、死活問題なのである。コロナ渦で痛感してきただけに動き出した歯車に水を差す者などいる訳がない。
2015年9月に採択されたSDGs持続可能な開発17の目標の中の筆頭には「貧困をなくそう!」とある。果たしてこんな感じで望みを叶えることが出来るのだろうか・・・アラジンのランプは4つ目の願いを聞き入れてはくれない!
今も地球はオファーを送り続けている、知足を継ぐひとへと。
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