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壺の中のアイディ

そう言えば"思えば遠くへ〇〇〇"と言うタイトルの歌があったがこの頃は割とそう感じることが多くなって来た。何十年も経ったというのについ昨日のことのようだと年長者が発するのを聞きながらスルーして来たがとうとう自分がそれを発する年齢になってしまったのか?どうする?いやどうしようも無いだろ、パスしようか?トランプじゃないんだから無理だ、素直に現実を受け入れる方がクレバーである。とは言ってもこのままでは収まりがつかないので何かそう感じないメンタルコントロールの方法があるかも知れないとまたもや悪足掻きを始めるマイキャラだった。

よくTVのインタビューで「自分の人生を振り返ってみて後悔してますか?」と質問されて「全く無いです!」と言う人がいるがそんなはずある訳が無い、本当に無い人はほんの一握りのビリオネアだけであとは大嘘つきのチキチキコンか私の様な本音は違うがこの場はこう言っておいた方が体裁が良いので・・と無意味な自意識過剰型カッコメンである。何年いや何十年もこんなことやって来て良く飽きないとは思うが"三つ子の魂百までも"とはよく言ったものだ。

何とかあの日あの時にまで戻れたら心に点在する黒氷河の様な後悔を溶かせるのになあ・・となると単純にこれしかないでしょ"イッツァ・ターイム・マシーン"過去に戻って「やっぱりこうして置けば良かった」と思い続けている拘りをチョイス&Put in a bag、そして再びバック・トゥー・ザ・フューチャーして検証する夢の企画?いや決して夢では終わらせる訳に行かないマイ必須プロジェクトなのだと思い込みを強めてゆく・・そうとなったらこんな無駄な文章を書いている場合じゃない、アクションあるのみと早速調べてみることにした。こういう時のレスポンスだけは何故か速い。

当然の事ながらアインシュタイン博士の特殊相対性理論の流し読みからの着手になるのだがチュー教授のブーツストラップ理論なんて言うのもあるぞ!「部分が全体で全体が部分」ん?どこかで聞いた事があるなあ、私のアバウトな記憶がビンゴなら確か"風の谷のナントカ"で途轍もなく巨大な芋虫が同じことを言っていた様な言ってなかった様な気がする。まあ、あまり追求しない方が無難かも知れない、曖昧meなので・・・

何れにしても数学が超特大の苦手の私には到底難し過ぎてよく分からない 。何となく現在から過去へ時間軸と空間軸を二辺にして三角形を描いた時、斜辺を光よりチョッとばかり速く進めば過去に戻れそうな気がするがやはり似たような別の時空間にしか戻れないらしい。何だかパラレルワールドというスキーのビギナーの様な変テコなものが無数に存在するらしいのだが例えば仮に行けたとしても本来自分が居た過去ではないフェイキーな場所?と言うことは自分の過去映画の中に入って再度体験することは出来ても何も変えることも出来ず戻って来れるかどうかも分からない。大体そんなマシンの作り方の取説も無く、ましてや作る時間も無いのにどうしようもないじゃないかあ~全くお話しにならない!やあーめたと即断念!
現代若者限定流行語ではそれを"秒で"と言うらしいのだが秒だって最小単位(5.39×10のマイナス44乗)のブランク時間もあれば上はテラ秒(1×10の12乗)もあるし「一体どの辺りの秒なの?」と聞いてみたくもなるが「秒は秒でしょ!」と秒で返されるか禅問答ヨロシク終わりのない会話になりそうなのでこれもやっぱり辞めておこう。果たしてまた暫くは普通の生活が続いて行く筈だったのだが・・・

何気なく付けたTV、どうやら映画の予告編らしい・・日本版ローマの休日かあ?「あたしの居た世界には色がないんだ」今夜、ロマンス劇場で…んっこれってタイムスリップじゃない?しばらくは忘れていた、いや忘れようとしていた?忘れたかった?何だかよく分からなくなって来たが兎に角、それを機にタイムスリップ心がまたもや再燃してしまったことは間違いなかった。


それからと言うもの寝る時間も惜しんで思考を巡らせたが”巡らせ過ぎて頭痛がして来てそのまま寝てしまう”そんなことの繰り返しで何の進歩もない日々が続いた。「まあ自分には無理かな・・」と呟きながらいつの間にかドコニ・デモアール公園のベンチに座っていると「ここ座っていい?」と初老の男が言うので「あ、ど・どうぞ」と即答する。条件反射なのか脳が作動しなくても口が勝手に動いてしまう時がある。
「えっ僕の姿が見えるの?」と仰天のツラ構えで2度見3度見が止まらない。
「え?まあ普通に・・」と次に何か言いかけた言葉もスパッと遮って話し始めた内容は多くの人々にはとても信じ難いものであったが私にとっては喉から手も足も飛び出してくる程の極旨情報であった。

その話によると初老の男の本当の年齢は15歳、70年前に学校の廊下で友達と20m走のラップタイムを競っているうちに誰かが悪戯で仕掛けた胡麻油トリップにスリップして何故か開け放ってあった2Fの窓から飛び出しそのまま時間もスリップしてしまい気が付くとこのベンチに座っていた。でも帰り方が分からない上に老化速度が加速して来て見ての通りの老人ヴィジュアル、このままでは直ぐに85歳まで到達して老衰で命果ててしまうのかも?そんな不安を抱えながらまた、このベンチに来てしまったと言うのだ。そして、もう1人相棒がいるらしいのだが・・・

-Continued to the next chapter-

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