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開け新世界!にっぽんの舌、応答セヨ!


初夢にお年玉、凧揚げにおせちと祝酒。
新たな日の出とめでたい宝船がやってきた!
やっぱりにっぽんは正月がよく似合う!!


正月は新しい命を人々に与える年神様を家々に迎えて五穀豊穣や子孫繁栄を祈る行事。
にっぽんの全ての行事のルーツと言われているそうですね。

江戸の商人は年末に一年の掛金を回収し、庶民も大晦日まで大忙しで働き納め、初売りが始まる2日までは全く何もしない寝正月。

しかも「元旦にホウキを使うと幸せまで掃き出す」という俗信で掃除もNGでしたが、きれい好きな江戸っ子は元旦から唯一営業していた湯屋にだけは向かった様です。

余談ですが江戸の湯屋は明治2年に新政府の取り締まりで根絶されるまで衝撃の男女混浴が続き、その光景を見た外国人に凄まじいカルチャーショックを与えました。

トラブルも少なからずあった様ですが、基本的には規律と風紀を守るにっぽん人。もし誰かのお尻などに指先でも触れようものなら、脳天から怒声と冷水をぶっかけられたそうです。

スマホもコンビニも無い時代、江戸っ子はのんびりと初湯に浸かり、美味い飯と酒を楽しみながら駿河半紙に書いた七福神を枕下に素朴な正月を迎えました。

ところで江戸のご馳走とは何だったのでしょうか?

寿司や天ぷら等もちろん人気でしたが、実は江戸グルメの真髄は白米・豆腐・大根の『江戸三白』に集約されます。
淡白で繊細、たいていの料理と相性良く質素で味深い。私たち日本人の本質にも近いところが江戸っ子の心を掴んでいたのかと思います。

令和においても毎日お目にかかる食材ですが、他にも美味しい料理が沢山ある現代では米や大根の産地の味の違いに注目したり、豆腐の奥深さに感動するには、溢れかえる化学調味料で少しはがり舌が麻痺している様な気もしますね。

食に関して一見便利な時代になった様に思いますが、にっぽんが本来縁のなかった色々な食を楽しむ様になってから味覚もだんだんと鈍くなり、さらに様々な習慣病との付き合いも始まってしまった、とも言えると思います。

江戸風俗研究家の杉浦日向子さん曰く、1週間くらい化学調味料を絶ち、淡白な食事を心掛けると驚くほど舌のセンサーが敏感になり素材そのものの味を感知できるらしい、との事で

先祖伝来に備わる繊細な『にっぽんの舌』で江戸三白の奥行きに挑戦するのも粋かと思い、
飲食をやっている者として、今年は舌を鍛えようと考えたのであります。

皆様も風流で最先端のトレンド「江戸」いかがでしょうか?天晴れにっぽん!







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