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2023/5/20 『 ラウラ 』

濃い色でもなく薄い色でもなく
ほとりから流されて来たラウラ
君はもう淡い悲しみというべき世界へと
ピリピ、パリピ、運河のような方角を示すのか
拡散する空爆、世界の果てまで、包まれて
無力な我等と言う
ひんがしの、遼原の、たちさわぐ申年の
ミモザたちは真昼を越えて、たちさわぐ
健康の都市のいっぱしのロドリゲス、されば
ようこそここへ、ようこそこの谷間へ
愛すべきおみなごは谷間の百合である
愛欲の花粉である
さかまく巌のしぶきのままに
われらは交情のあまつさえ声のまにまに
シャラの花の落ちる瞬間の
アベリア、オベリスク、ソードグレイ、
しかも満ちて来る潮のささやき
君の耳はすでに音楽の絶頂点が到来する、この場所に
サンキライ、砂漠の花の、モデラートする
シャバシャバと鳴る香り草の冷たい実が
わたしを招くだろう、温水地帯へと
クロードモネのパレットのひび割れた感情線
ここより先はひなの里、ささくれた感傷は捨てていく
真昼の乾いたシャワーの音だけがする
君の汚れた手を洗ってここに
スカイブルーの精神の塔が立つ
清められた、そしてすべてに優先された雲
タジキスタンのははこぐさ
もう心配はいらない
深海を覗き見る精神の杖である
ハビタブルゾーンへと旅立つ時なのだ。