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2023/3/15 『おぼろげに』

君たちはすみやかにかげろふ
スタンザ、ステップ、行進する小人たち
悩める宇宙の恋人たちよ
金色の林檎のなめらかにくたばれよ
飛行場につめたく指差して
ナンシーの白い肌を離陸する
ジャマイカへ、まばゆい白波の連なりからも
ジャッキして、ジョッキして、極小のカオス
乱れ咲く恋人たちの感情の蠱惑
さわがしい雀たちの罠から密かなくぐり戸をくぐり
ローマンチックな小花散る細道を
川沿いの道のスズカケの葉陰を
リャマの顔つきで流れる水流の
ほぼ、真実の写像である雲
それはもしもの時の昼の休憩時の煙草の煙
サユリ、ササユリ、オリエンタルユリ
こうした時間のなめらかな内面のすべる
ほぼ、巨大なビルディングはマーケットのうしろに立つ
かぐわしい雛のぬくもりの羽にこめられて
旅のひとよ、こしかけて、一杯の茶をすすれば
まだ見ぬアルプスの連山の
雪は輝く
おぼろげな日々
銃は弾をこめられて
ひきがねはやさしく歌う
まさに、おぼろげな
投身
伽羅の香り。