2022/7/9『アダム』
おお、アダム新月の始まり
カッシーニの丘へ昇る船のように
暗殺者たちの誘惑する御前会議
ワイングラスのロゼの中央から
兵器庫は喉の奥に存在する
ギャラクシー、鱗を持つ鳥たちの、攻撃する都市の
やわらかな肉体の謎めいて見えるのは
意味と意図とポアンカレの果てしない予想の果てに
我等は鏡のイワダレの苔の山椒の
手首から甘えた声を出して香りから浸食する
綱と糸と嗅ぎ煙草、潜水艦の艦橋は、ホエール
アダムは漆黒の闇の濡れた草の葉は
ワルキューレへ進軍する戦車部隊からトキの群れ
が、大空へ飛翔する瞬間の
ラミネートされた行政府たちの要人たちの
鰻のかば焼きの食べられて肉体の中へ
神は発見する
歩くときには余次元の肩幅が邪魔になり
サングラスの角度によってはミズクラゲが解凍する
わたしは、水になる、あなたは、氷になる
アダムの眼はヒグラシの背中から生まれる
ビー、ビー、ビー、手から淡路島から
運動の解禁された山脈の治水から
我々の泪は孟子の肌から
グールモンは馬上の人となり
地図の上には印が残される、ギロチンの模様
朝陽のあたる神の横顔は
シンボルとしてのアジアのタワーとして
絵画が壁の溶かされる場面の
行政区はとりどりの建物のラインをひく
安全に倒壊するヒマラヤの登山家たちの
夢はひたすらに
ボーリングする地下の都市は声の震え
死んだ者はアダムの言葉を聞く
ラムダ、ラムダ、拍子木の、ラムダ
林は雨の音を知るだろう
神はアダムを呼ぶ。