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2023/2/2 『メゾンテノン』

透過する東海道のあたり
浜松のあたり、海岸が曲率する
モスクワの凍った水道管が
破裂しそうであるがゆえに
タビラコ、その金平糖、またシルバーリングの
もだされた目的のしまいこまれた外観の
やぶれかぶれの蚊取り線香
そのひぶくれの京阪神地帯のかさぶたは
めくれそうでいて、めくれないままに
ひだすきの赤い藁の焼けたあとの
こんもりとした肉体からの褒章
サクラメントは桜である
ゲージからの格率性は
指揮する者の排出する記憶のタクトを振る
トール、トール、トール、
潜在する口癖のナイロン製のパシャール
われらはすでに日没の遮断するもの
カール性の植栽の熟れた林檎の木から
カワトト、カワトト、カルンは死ぬかと
メゾンテトンのうすい影
誇り高き次元のうすら味
まずはこれを食してみたまえ
放り出された知恵の猛禽類
諸君ははるばると来日して
煩悩をできるだけ可能であるとする
俺らは、かるパンを見ながら泣いた
そんなわけで興味深く真実のかくばった光を見る
陶工たちは話しの・はしばし・に土を交わした
十字懸垂の体操選手も
鼻緒のついた下駄のとぎれて
すぐそこにわたしはいる
彗星の尾を引いてみなみの空へと消えて行く
河風、唐津の土、味噌の方言たち
テシオドシウスの几帳面な性格によれば
わたしたちは硬直している
やがての再来の瞬間には
川魚もあきらかに
つくる。