2022/7/22『機械』
縞瑪瑙(しまめのう)は地中深く沈められ
掘削する機械の先からガスが噴出する
生来の気性である科学者の暗黙の
指先ではじかれる煙草
キスリングの描くキリマンジャロの
頂きは、輝く、上昇する気象観測の
気球は、はっとするくらい高く
きっと君たちはそれを信じる
エリコーの城壁を落そうとする明確な
機械である我々、シグナルのままに
サツマエビス、それは焼酎のラベルから
男たちの精神の主義から植物の根にも
本来性の土壌を起伏し、マダムの乳房へと
深くボーリングする、もっともな理由
あきらめてもいない、心臓は人工のままです
きよらかな生命の流出、ならば
わたしは掘削機械である
砕かれた岩石の粉
散布される水
つかのまの虹
それらは大陸の湾曲する絶望
原石は深く眠り
わたしの眼は縞瑪瑙。