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不動産業開業の流れ

不動産業界はほかの業界と比べると新規参入しやすく、不動産業を開業しよう考えている方もいると思います。しかし、不動産ビジネスを始めるためには、複数の段階をクリアする必要があります。

今回は、不動産業が新規参入しやすい理由と、開業するまでの流れを解説します。

不動産業が新規参入しやすい理由

衣食住に関連する事業は需要がなくなる可能性はゼロに近いため、比較的新規参入しやすいです。
その中でも不動産業で独立開業が多いのは、簡単に言えば「リスクが少ないから」と言えます。その大まかな内容には以下の3つが挙げられます。

開業資金が安い

独立開業で大きな問題となるのが開業資金です。不動産仲介業を行うためには、宅地建物取引業者としての免許をとる必要があり、これにお金がかかりますが、それ以外はほとんどかからないと言っても過言ではありません。
要件を満たせば自宅を事務所にすることもでき、その場合は自宅のパソコンや電話を使用できるので、ほとんど費用はかかりません。インターネットFAXも活用できればペーパーレスでFAX対応可能です。開業費は製造業や飲食業との大きな差が出るところでしょう。

不動産業の初期段階で費用がかかるのは、総額150万円ほどになる宅地建物取引業協会への加入料でしょう。開業してもしばらくは収入がないため、運転資金は必要ですが、1人で始める場合は事務所代と自身の給与のみ。事務所が自宅ならばさらに抑えられます。他業種と比べれば独立・開業のリスクはかなり下がりますね。

仲介業だから無在庫

近年、コロナの影響で追い打ちもあり、経営難に陥る大きな原因の一つが「大量の在庫」とその「廃棄」です。飲食店はもちろん、食品のように腐らないものでも、アパレル業界のように流行のあるものは、期限やブームが過ぎたら売れません。とはいえ在庫がなければ、商品を売ることができません。

その一方で、不動産仲介なら物件を買い付ける必要はありません。買い手と売り手の仲介役が仕事なので、物件の購入は必須ではないのです。
不動産の仲介では物件の管理は売り主や大家さんが行ってくれます。在庫を持たないという点は独立・開業する場合、かなりのメリットになります。

人件費を抑えられる

経営者になる者としてランニングコストはかなり気になりますよね。単価が大きく、開業初期は特に収入が安定しない不動産業では、家賃などの固定費を抑えられれば、経営はかなり楽になります。社員の給与も負担の大きいランニングコストの一つです。人件費は給与だけでなく健康保険料・年金保険料・雇用保険料といった社会保険料も含まれてきます。

しかし不動産業では、固定給がないフルコミッション(完全歩合)制での給与支払いもあり、いくらか固定給を支払っていても成果報酬の手当金が給与額を支配するケースもあるようです。

つまり売上が上がらない営業マンへの支払いが、かなり抑えられます。固定給が高い他の業種に比べ、インセンティブの割合が高い不動産業は抱えるリスクが少ないと言えます。

不動産業開業までの流れ

開業しようと決意してから無事開業するまで、大まかに分けて5つのステップがあります。

Step.1 事務所の設置

不動産業の設立に必須となる宅地建物取引業免許(宅建免許)を申請するには事務所が定まっている必要があります。厳密には、事務所の設置場所により、申請窓口が異なるので、事前に確定させておく必要があります。

ほかにも融資を受けるためにも所在地が決まっている必要があります。スムーズに開業準備を進めるためにも、まずは事務所の用意が第一歩となります。
なお、宅建免許は申請から免許取得まで1か月ほどかかります。見栄えや立地にこだわりすぎると維持費がかかり、開業までに資金がなくなる…なんてことにはならないように注意が必要です。

Step.2 会社の設立

不動産業自体は個人事業主として行うことも可能ですが、個人事業ではなく法人格にすることによって、社会的信用を得るという大きなメリットがあり、税金面でも優遇されやすくなります。社会的信用はビジネスに積極的に取り組んでいく上で不可欠なものとなります。

宅建業法上、事務所には独立性が求められます。登記する本店住所として自宅の住所を使用する場合、「不動産業としての専用出入口があること」「事務所エリアと居住エリアが完全に分かれていること」の2点に注意しましょう。

Step.3 宅地建物取引士の設置

宅地建物取引業法は、営業を行う事務所などの拠点ごとに、一定数(事務所内で5人のうち1人)以上の専任の宅地建物取引士の設置を義務づけています。
事務所内に6人働いている場合、2人以上は専任の宅地建物取引士である必要があります。

Step.4 宅地建物取引業免許の申請

宅地建物取引業は、個人法人を問わず国土交通大臣または都道府県知事からの免許を取得しないと、運営ができないことになっています。

宅地建物取引業免許は、申請すれば必ず受けられるものではなく、厳重な審査を経て受理されることになります。申請するに場合、申請者や会社の役員が欠格事由に該当しないこと、事務所の形態が業務を継続的にできる機能を有しているか、所在地がどこか、また一定数の宅地建物取引士を設置しているかなど、登録の基準を満たしている必要があります。
Step.1~3で注意が必要な項目は免許取得の為のものです。

Step.5 宅建協会・全宅保証への加入

宅地や建物といった高額なものを取引する宅地建物取引業者は、もしも取引においてトラブルが発生したとしても、取引の当事者に対して損害賠償ができることが必要です。そのために、営業保証金1,000万円を法務局に供託することが宅建業法で義務づけられているのですが、保証協会へ入会すると、この営業保証金1,000万円が免除され、開業初期費用を大幅に軽減できます。全宅保証と都道府県宅建協会には、同時入会することになります。

開業

ここまで来たら晴れて開業となります。宅建協会は任意ではありますが、開業支援、営業支援、実務支援など幅広く支援が受けられ、開業費用も抑えられるので、特別な理由がない限りは入っておいて損はないでしょう。最初からお手伝いをしてもらえる設備が整っているのも人気の理由の一つかもしれませんね。

まとめ

不動産業が新規参入しやすい仕組みや開業に必要な流れはつかめましたでしょうか。
注意したい点としては、開業しやすさと経営継続のしやすさは別物というところです。不動産業は取り扱う案件の金額が大きいため、黒字であっても資金繰りに失敗すると倒産もしやすいデメリットがあります。
また、宅地建物取引士の設置は必須ですが、開業者本人が宅地建物取引士である必要は無いので、宅地建物取引士を資格を持った知り合いを雇う形でも始められるのでさらに参入しやすさは増すかもしれないですね。

補足 ~信頼と電話~

どの業界でもそうですが、特に不動産業では「信頼」がないことには人脈も広がりにくく、事業を積極的に展開していくにはかなりネックになってくるポイントだと思います。
営業電話を掛けるにも、取引先に連絡をするにも、「信頼」を求めるのであれば、携帯電話からの電話より固定電話からの方が信頼があるように見えますよね。
しかしながら、事務所はあれど営業で事務所を空けがちとなれば、固定電話を事務所に引いても電話に出られず、案件を逃してしまう可能性もあります。

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