唐揚げの主張


"唐揚げ専門店って外装派手だよね"


そう呟いたのは助手席にいた母だ。
車を運転していると街には数店舗の唐揚げ専門店。


たしかに赤や黄色で縁取られ大きく書かれた文字や唐揚げの写真が大きく載せてある看板が目に着く。


唐揚げは昔から良く食卓に並び、お弁当のおかずで好きなランキング上位に輝く食べ物。
しかしながら反して見た目の地味さ。

いや、茶色のものは大体美味しい。

料理が得意ではない母の作る彩りの少ない茶色で出来たお弁当が私は好きだったし、
何より運動会で家族みんなで食べる重箱にぱんぱんに入っている、しなしなになった唐揚げが好きだったな…と思い出した。


色合いは地味でも君自信輝いているからそんなに主張せずとも…と思いながら私はお店の横を通り過ぎた。


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