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グレゴリオ聖歌ってなに?

「調性感」とはなんなんだろう

調性というものを曖昧に理解しているから、調性感がない音楽を理解できないんじゃないか?思ったんです。

そのためには
調性が完成するまでの過程を理解しないとね
ということで、菊地成孔さん著書、憂鬱と官能を教えた学校を参考にして、自分用にまとめ直していこうと思っています。

その過程が誰かの知識になれば嬉しいです。


まずは、西洋音楽のご先祖様である
グレゴリオ聖歌を学んでいきたいと思います。



グレゴリオ聖歌ってなに?

ヨーロッパで7世紀後半に成立し
教会や修道院の礼拝で聖書の言葉や聖句を単旋律に乗せて歌われた聖歌です。

グレゴリオ聖歌と呼ばれていますが、正しくはローマ聖歌だそうです。

中世音楽の精神性を学ぶのはこの本がオススメです!


だれが作ったの?

グレゴリウス1世がバラバラだった聖歌を編纂・統一した、と言われています。

でもですね、実際はカロリング期にローマとガリアの聖歌が統合されてできたものらしいです。

グレゴリウスさんの功績にしたかったのか?
気になったので、調査してみると

ローマで聖歌の普及の目的で設立されたスコラ・カントルムという学校がありました。

そこでは聖歌を歌うための訓練がゴリゴリに行われていました。

そして

フランク国王のピピン3世が

「今までうちの国はガリア聖歌中心だったけど、グレゴリオ聖歌推しでいくから!」

とローマに倣って聖歌隊学校を設立しました。

そして息子のカール大帝も

「わしも父ちゃんのように普及させっか」

と学校を増設し、聖職者たちに

「ローマの教会でやってるように、お前たちも歌うんだぞ」

と指示をした。

こういう流れで統一されていったっぽいです。

正統的な伝統を強調するために、グレゴリウス1世の権威ある名前を使っちゃえー
と、スコラ・カントルムを創設し教鞭を取ったと記されることとなったわけです。

ちなみに、この学校で教えられていた
トリ・ウィウム(文法・修辞学・弁証法)
クワドリ・ウィウム(算術・幾何学・天文学・音楽)

の7つの学科はリベラルアーツの基になります。


特徴

単声音楽である

和声がなく単旋律(モノフォニー)のみでできた単声音楽です。

単声音楽といっても1人で歌うことではなく、複数でも歌います。

複数で歌うことを斉唱(ユニゾン)
1人で歌うことを独唱(ソロ)
といいます。

無伴奏

伴奏はなく声のみです。

ドレミがない

ドレミファソラシドの基になる音階の成立は約100年後先なので、まだ存在しません。
(ドレミファソラシドの名前は11世紀ごろ付けられます)

なので、音程が微妙にシャープしたりフラットしたりしていて、曲や地方によって異なるため
口伝で教えられていました。

聖書の言葉や聖句を使う

グレゴリオ聖歌はキリスト教なので、聖書の言葉や聖句(キリエ・グローリア・クレドなど)に旋律をつけて歌われます。


単音から複音へ

ヨーロッパの音楽は「単声音楽」から「多声音楽」にゆっくりゆっくりと変わっていく

そして、ローマでは起きなかったことが、フランク王国の影響下にあった各地で起こります。

それがグレゴリオ聖歌の加工

「もとの形が残ってたら良いんじゃね?」

と許されてしまった。

そして、オルガヌムという手法を生み出し
現代の音楽のシステムに繋がっていく一歩を踏みだします。


参考文献

・中世音楽の精神史: グレゴリオ聖歌からルネサンス音楽へ (河出文庫)

・つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史

・憂鬱と官能を教えた学校 上---【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史 調律、調性および旋律・和声

・科学で読み解く クラシック音楽入門

・音は心の中で音楽になる: 音楽心理学への招待

・音楽力を伸ばす「譜読み」の基本~楽譜攻略13のステップ

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