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【科学エッセイ】時間に追われてるならこれが最強の時間術

 弁当を予約した時、「何分後に取りに来ますか?」と聞かれ、
「10分後に家を出ます。」と答えた。あたかも弁当屋が僕の家の場所を知っているかのように。そんな僕が好きだ。

でも、死神と契約し、自分の寿命が見えているかの如く時間に追われ、毎日忙しく感じているのに、結果何も進んでいない自分は好きではない。

 そんな自分を変えるために鈴木裕著の「YOUR TIME」を読んだ。「いつも何かに追われているような感覚」がある僕を科学的根拠に基づき「時間不足を根本から解消する方法」を教えてくれるそうだ。
魔法のような時間術があるのだろうか。そんな淡い期待を抱きながら読み進めていくと、いい意味で期待を裏切られた。オードリーの漫才のごとく
この本と一緒に、夕日の沈む近所の土手で寝ころびながら

へへへへへへぇ

と笑っていただろう。

 ざっくり要約すると、数多ある時間術において生産性を上げる効果はほとんどなく、時間を効率よく使おうという気持ちが焦りを生み、創造性を低下させる。僕のように時間感覚の閾値が上がり、印象的な体験が少なくなった結果、日々満足できないならあえて「退屈」を突き詰める時間を作ることで、閾値を下げることができる。
 本書ではハーバード大学の授業で行った、同じ絵画を3時間眺めるという授業を行ったところ、数分観ただけでは得られない洞察が得られ、退屈により脳の外部刺激に対する閾値が上がったそうだ。

ベンジャミン・フランクリンが残した「時は金なり」という言葉を反映したあわただしい現代において「退屈」を求めるのはなんだか不思議な感覚で、愚かにも滑稽に映る。しかし同時にこの退屈行動がよいと、タバコが体に悪いという事実ほど浸透していけば、カイジのような地者のスケジュールにも

6:00~22:00 労働
22:00~22:05 シャワー
22:05~24:00 退屈

のようになるのかもしれない。。。




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