もう見る事がない世界

隊長と呼んだ人

※年齢、性別的なものに下心等無く見てね

出会いは17歳だった。
ゲームでのアカウントでの話だった。
まだ若かった私は、自傷の写真を、
そのまま載せてしまったのだ。一部略、
友達であった、比較的人気であった者を
不快にさせてしまい、それを拡散された。

それは相手が人気なのもあり、
その界隈では一気に広まり、殆どが私を、
蔑み、笑い、嫌い、孤独は最早当然だった。

だけど、私はいつも通りやっていた。
そうした頃に、〇〇(ゲーム名)仲間
と言える人達に恵まれ、私は幸せだった。

群を抜いて私と信頼関係のあった人は、
私の好きなキャラクターの、上司であった。
それがきっかけでもあり、
実の父親と仲が悪かったのもあったからだった。だけど、利害は一致していた。

相手は丁度父と同世代に、子供が欲しかった
そう言った。そこから出かけ先の写真を送ったり、送られたり。寝る前の軽い会話。
正直、実際の親子はそこまでしないだろうと思われるかもしれない。だけど、

私は実際の父親が怖かった。怒鳴る、
物に当たる、小学校での孤独が辛くて、
休むと言えば顔を合わせることもできなかった。※現在は比較的平和です

それが理由かは明確にはわからないが、
私は毎日が楽しくて仕方がなかった。
その頃、急に身内が亡くなって、私自身、
冷静を保つようにはしていたが、
日常が急に崩れていくのを私は感じていた。

だけど、変わらない人が私にはいた。
隊長であり、父親であった人が。
いつもと変わらないその人の安心感に、
私は我慢していた、喉の奥にぐっと、
我慢していた生温いそれが、目から止まらなくなったのを覚えている。
私は人のために泣けるのかと、
後悔や悲しみだとか思うけれど、
せめて最期は、私は涙ぐみながらもその家の
長女である者として、いつも猫背の背中を伸ばして、見送った。その人も、支えてくれる大切な、僕の隊長がいるから大丈夫だと。

でも、もう会えない。
自分のせいでもう会えない
夏に死のうとしたからもう会えない
後悔先に立たず この言葉を残して
もう会えなくなった
今年の春の写真、見てほしかった
今年の夏の写真、見てほしかった
これからも
これからも

時に泣き 苦しみ 悶え 喘ぎ 誰もいない天井に
無意識に手を伸ばし 無意識に隊長と言ってしまう私をどうか笑って下さい 愚かな私を