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その羽根と冨樫優花。最初の物語。

 − アイドルになってくれてありがとう。

 冨樫優花にその一言だけは言おうと決めていた。

 特典会はいつも何を話そうか悩む。とても悩む。もともと人と話すのがあまり得意ではないし、そのせいか上手くもない。たまに頑張って話すといつもいつも「あんなこと言わなきゃ良かったんじゃないか」とひたすらに後悔を重ねてしまっている。

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 だけどデビュー1周年記念のワンマンライブだし、ちゃんと話さなくちゃ。

 そう思っていた。

 本心から「アイドル・冨樫優花」に出会えた感謝を伝えたいと思っていた。

【タイトル未定】:(タイトルミテイ)は、北海道札幌市を拠点に活動する日本の5人組女性アイドルグループである。2020年4月11日、「何者かになろうとしなくていい。 何者でもない今を大切に。」をコンセプトに始動。 メンバーは阿部葉菜、冨樫優花、七瀬のぞみ、見上佳奈、谷乃愛。

 そしてライブ後。

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 ガヤガヤとする特典会、ビニールシート越し、会場には換気用ファンが回る大きな機械音、不織性のマスク。僕はいつも通り冨樫列に並んだ。たしか3番目くらいだった気がする。
 余談ですが、この日初めてツーショットのチェキを撮った。記念。いつもソロチェキばかりをお願いしている。(だからチェキのポーズを毎回悩ませてしまっています。ごめんなさい) 

 「あの...アイドルになってくれてありがとう。」

 頑張ってそう言ってみたものの、たぶんあまり聴こえてなかったんじゃないかと思う。

 彼女は少しだけ「ん?」という風に耳を傾けたけれど、なんとなく察してくれたのかニコっと笑うと

 「出会ってくれてありがとう」と言った。

 − 出会ってくれてありがとう。

  確かにそう言ってくれたと思う。

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 彼女は普段、言葉をあまり多く話す側ではないと思っているけれど、こうして「ありがとう」や「ごめんなさい」をちゃんと伝えてくれる。それも絶対にしっかりと目を合わせながら。

 そういう時は照れるので、だいたい目を逸らしてしまうのだけれど彼女はちゃんと視線を追いかけてくる。

 屈託なく、真っ直ぐ見てくるから、そこからはもう頭が真っ白になってしまった。
 ありがとうを言いたいのは完全にこちら側なのに、逆に「ありがとう」なんて言われたらもう言葉がない。
 ズルい、とすら思った(笑)
 でも、きっとそんな人だからこそ、僕はこの女の子が大好きなんだと思う。

 これはそんな話し。

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 ちょっと時間が経ってしまったけれど、個人的な記録として残しておこうと思う。
 そういう意味ではたぶん、誰にもこのnoteを読む意味などないのかもしれない。

 だけど、だけどあまりにも「冨樫優花」という存在が本当に大切で、もしかしたら彼女が生きる「冨樫優花の物語」に僕みたいに救われる人がいるかもしれない。
 そんな気持ちも1%くらい実は密かに思っている。
 そんな人にだけでも伝われば嬉しいな、と思う。
 
 だから

 ちょっとずつ、本当にちょっとずつだけれど、そんな話しをこれから何回か書いてみようと思っています。

 ちゃんと書けたらいいな。

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