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台湾へ、自殺寸前だった女の一人旅⑪7日目_台東2/2

こんにちは。
自殺寸前だった私が、台湾へ一人旅し得たものを書きます。始めての方は序章を参照ください。
今回は、7日目。台東後半。旅行社にチェックインして古い宿にビビりながら台東の夜に覆われます。

行った場所:
台東
食べたもの:
グアバ
体験:
東部の漫々、自転車、宿でコダックに見下ろされてうなされる

ホテルは、古い旅行社。バスターミナルの目の前でアクセスは最高に良いのだけれど、これは「旅行社」という括りに泊まったこと人にしか分からない古めかしく、古い中国映画に出てくるような宿です。
私は、過去台湾旅行で数回泊まったことがあり、それはどこも台南でした。
始めて、「旅行社」というカテゴリーに泊まったのが、初めての台南旅行。
日本人経営のゲストハウスを予約して行ったのに、捻くれ者の私は、内輪感あふれるゲストハウスに反骨心が湧き、すぐさまキャンセルし、でも、宿がないどうしようと途方にくれました。当時はネット予約なんてものもなく頼れるのは地球の歩き方のみ。駅前のツーリストインフォメーションに行くと、日本人と分かると奥から、日本人専用と思われるご老人が現れて、「安いのか、高いのかどんなホテルがいいんだ!?」と聞かれ、私は「安い!
!」と即答。紹介されたのが、赤嵌楼の路地奥の旅行社。玄関に、年老いたワンちゃんが寝ていて、暗いロビーにはおばあちゃんがいました。今日泊まりたい旨をジェスチャーで伝えると、おばあちゃんが手を出して、「7,グーグー」と7の数字と、拳骨をつくった両手で、一泊700元だと教えてくれました。旅行初心者だったことの高揚感で、その旅行社の内実は覚えていないけれど、出かけるときはいつもワンちゃんに挨拶して、チェックアウト時、おばあちゃんがロビーのソファーでぐっすり寝てたので、お供えもののように鍵を置いてチェックアウトした思い出だけは鮮明に、台南にいつも、もうその旅行社はなかったけれど、その場所を通ってしまいます。

というわけで、「旅行社」
案内してくれた宿のおっちゃんが、勝手につけてくれたテレビを、すぐさま消し(テレビ苦手)、一人では大きすぎる部屋の、シートと枕は、赤地の星柄。もうこの時点で寝れない。バスタブありとのことで予約したが、出てくるのはぎりぎりのヌルマ湯。極めつけは、大きな大きな姿身の鏡がこちらを向いています。窓には、ポケモンコダックのぬいぐるみがぶら下げてあり、魔除けなのか、招いているのかなんなのか(次の花蓮で、悪霊避けのお廟に行きました)
また、
長旅になってきて、体がじんわりと発熱しています。知恵熱のような、風邪ではないけれど、急な負荷がかかった体がバッテリーが壊れたようにずーと熱い。
そりゃそうだ、これまで引きこもり、寝込んでいたのだから。

ド派手なベッドに手ぬぐいをかけてなるべく湿気を避けます。寝ないと身がもたない気がしたから仮眠をとる。
このサバイバル感は、日本国内旅行にはないものです。台北で女子旅しててもないもの。代々木や代官山のカフェ行ってもないもの。

仮眠をとって、部屋の雰囲気が重たいことに気づきます。あまり霊媒体質じゃないけど、コダックが怪しい。
台東の夜市へ向かいます。台東観光夜市は、その名の通り、規模は小さくけれどある程度のものはそろった夜市です。


食べるスペース多し
果物多し(山盛りすぎるバナナ)


もう少し大きな四維夜市というものあって、それはもっと地元向けで、私も過去訪れたことがあります。どちらも台東名物、鴨の頭が、まるで不思議の国のアリスのフラミンゴのクリケットのようにワゴンに山積みにされています。次の朝市でも思ったことで、台湾は市場に魚や鳥や鴨の足や手や胴体がどんどこ置いてあって生生しさが逆に生と死が近いですよね、日本は切り身しかないから。
旅が長くなってきて、なにを食べているか分からなくなってきたため、お腹を休めるために、グアバだけ食します。台湾の夜市のグアバは、切ったグアバに、梅パウダーや、チリ、コショウなど好きなフレイバーをまぶして食べます。私は、なにもかけない。
一家総出でやっている屋台や、ワンこが店番しているお店や、やはりローカル感が漂います。

一家総出
店番ワンコ(踏まれないか心配)


宿に戻りたくなくて、夜市から時間潰しに、カルフールへ
私は台湾カルフールが好きで、昔はよく狂ったように、台北や台南のカルフールへ行ってました。見ていて楽しかったけど、昔よりは購買意欲は減ったかな。シンプルになったのかな。それでも、えげつない物価の上昇を感じました。
スーパーを2件ほど梯子して、夜の鉄道芸術村へ向かいます。
ここは、土日になると、ナイトマーケットが開催され、それも台北の夜市のような賑やかしいものでなく、原住民のライブや大道芸、食べ物や手作り雑貨が売っていてとても雰囲気が暖かい。

控えめなイルミネーションと手作り市


過去に、アセロラのジャムを感じの良い女の子から買ったら、きっとペクチンの分量が多すぎて、ジャムというより、ゼリー?みたいでした。それも含めて、台東は可愛い。
この夜も、キラキラした目つきで、生きるのが楽しくてたまらない!というオーラにあふれたお兄さんのパフォーマンスを見たり、駅前では、ヴァイオリンがあって、こんなところでバッハを聞くなんて(クラシック好き)
と感受性がうわっときました。
蓋をしていた、楽しい、という気持ちが戻ってきました。台北からの旅で、蓋がガタゴトと怪談のように揺れていて、台東の夜にガバっと開いた感じ
だって、台東でバッハやベートーヴェンを聞くなんて、なんてなんて楽しいんだろう。

広くて暖かい空気が私を包み込んでくれます。
ホテルはwifiが弱いため、スタバのそばの岩に座ってスタバwifiをいただきながら、明日のホテル探し。だんだん旅が行き当たりばっかりになってきました。

ホテルに戻って、湿ったベッドに身を投げます。
コダックが上から見下ろして、私はうなされていた気がしました。

明日は、台東を散歩してから、花蓮に向かいます。
台東に一泊してよかった。また行きたいです。


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