印象の話。

「知的そうに見えるのに笑」とよく言われる。

「のに」何よ。何が言いたいのか。それも気になるけれど、今回書きたいのはそこではない。第一印象について、思うところがある。

第一印象と中身が一致している人はどのくらいいるのだろう。自身の人との出会いを思い出してみると、半分くらいは出会った時の印象通りの中身といったところだろうか。優しそうな人が実際に優しかったり、気の強そうな人がやっぱり強かったり。

では残りの半分は、見た目と中身が不一致ということになる。不一致というと悪く聞こえるかもしれないけれど、別に見た目と中身は同じである必要はないのだから変に人を傷つけたりする心配も無いはず。私が実際に言われた「知的そうに見えるのに」という言葉も、「見えるのに、実際は〇〇だ」と逆説的な意味を含んでいるので、第一印象と中身が不一致だったということになる。

さっき自分で予想してみたところ“半分くらいの人の第一印象が外れる”と結果は一応出たけれど、それでも私たち人間は、初めて出会った人をとりあえず印象で「こんな人っぽい!」と決めてみる。それは今後のコミュニケーションにあたって大事なことだと思うし、それ自体は全く構わないのだけれど、時にその「最初見ただけの印象」をずーーーーーっと引き摺って相手と付き合ってしまうことがある。

1番最近記憶に残っているのが、とある優秀な女性との出会い。最初は(大人しそうな人だ…)と思った。何がそう思わせたのかはわからないけれど。ところがしばらくしてみると、彼女はものすごくハキハキと話す、活発とは言い切れなくても利発なひとだった。それでも私は未だに彼女の大人しい印象を忘れることができない。私の中の彼女は、今でも「少し大人しそうな?ひと」なのだ。これは驚くべきこと。自分で分析するまでは、そう思っていたこともわからなかった。

何が言いたいかというと、第一印象って大事やねっていうこと。私たちにはそれぞれ「こう思われたい」とかいう理想がある場合が多いが、そんなものとは全く別のところで第一印象は仕事をしている。いくら「こう思われたい!」と切望してそのために行動を起こし努力をしていても、その人の第一印象がそれと大きく異なるものであればあるほど、相手にもその理想の姿が見えているかはわからないのだ。「こう思われたい」の理想を叶えるのであれば、その努力のスタートは最初に出会って目を合わせ終わった時では既に遅い。自分の印象はいつから自分を魅せるのか、にかかっているのだと痛感した。

それから。相手のいいところや新しい面が知りたいのならば、まずその頭の中の変な観念?みたいなものは捨てるべきなのだ。ずっと引き摺ったまま付き合っていてはそれは分からないし、何よりもきっと面白くない。まあ、これを言ってしまえば先に書いた「第一印象が大事」っていうのが成り立たなくなるんだけどさ。あー難しい難しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?