かいだんのこと

時々、夢に出てくる家は今一人暮らししている部屋でも無く、
全く住み慣れていない引っ越した実家でも無く、
20代前半まで住んでいた旧実家です。

私は子どもの頃からオカルト的なことや怪談、ホラーなものが好きな方で、テレビ番組や有名なホラー漫画、映画にとどまらず、専門雑誌、有名霊能者の著書なども何冊か読み漁り、何人か集まると怪談をし合ったりと「常にそばにいる」くらいの感覚で楽しんでいましたが、高校を卒業する頃には、その趣味はおとなしくホラー漫画やホラー映画程度にとどまっていました。

それがここ数年のうちに怪談イベントなどにも足を運ぶようになってしまい気がついたらYou Tubeやツイキャスなどの配信を見たり、凸ったりするようになり、ほぼこの世界に戻って来てしまいました。

私がある時からこの手のものから離れたのには、笑えるけど笑えない理由があるのですが、これは伝え方が難しいので(表現が悪かったら自慢げに聞こえるかもしれない、または頭のオカシイ人認定されるかもしれない…)またどこかで機会があればネタにしようと思います。ネタとしては面白いと思うんだけど…というような話です。

さて、凸る時のお話は大抵がそのマニアックだった頃の学生時代の話になるのですが、話題にした中に「家の階段」があります。

夢に出てくる旧実家の階段です。

その時の話をざっくり書くと、

2階に自室があった私の耳には時々階段を登ってくる音が聞こえるけれど、実際は誰も上がって来てない、ということがよくあった。
手すりを持って手の平が擦れる音もするけれど、やっぱり誰もいない。
階段の一番上に鏡があって、階段を上がると必ずそれが揺れるようになっているのに、それが揺れてもやっぱり誰もいない。
ある日、音がする間に急いで振り返ったら隣の部屋の襖越しにかかとが見えたが隣の部屋には誰もいなかった。

別の日、鏡に向かって髪をいじっていると腕の間から階段を上がってくる男の子が見えた。「不審者!? ドロボー!?」と思って慌てたが腕をおろすと誰もいなかった。
その話を知り合いに話すとそこは「通り道」ではないか? と言われた。

それから何年も経って、旧実家を引っ越す時に件の階段の写真を撮り、霊感があるという人に見せたら「(私が昔見たと思しき)男の子が居る」と言われた。

だいたいこんな感じの話で、「通り道」というものが本当にあるのならそうだと思うのだけど、何となく私が上で見た男の子は通る途中ではなく、今もずっとそこに居るような気がしています。


旧実家を引っ越して約20年、今では裏にあった田んぼも小さくなり、その分敷地が広がった周辺は整備され、当時の面影が少し残ってはいますが、きれいな新しい家がいっぱい建ってます。あの家も階段ももうありません。

でも、どこかにあの階段はまだあって、あそこを通ってる人やあそこにとどまっている人は居るんじゃないかな、と思っています。

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