青ネギを握りながら「早く人間になりたい」と思った話
真夜中2時の台所はなんとなく物悲しい。僕は1本の青ネギを握って立ちつくしていた。
「ネギって冷蔵庫で保存した方がいいんだっけ」
どれだけネギを見つめても、彼は青い顔でひょろひょろとするばかりだ。人間だったら間違いなく体調を心配される風貌である。「先生、ネギ君を保健室に連れて行ってきます」と思わず口走りそうになった。
そういえば小学生のとき、体調の悪いクラスメイトをここぞとばかりに保健室に連れて行っていた女の子って何だったんだろう?彼女はいま幸せに暮らしているのだろうか?