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産後の異常の見分け方・予防・対処法・受診が必要なのはどんなとき?~受診が必要かどうか自分で見極めることができる観察点

こんにちは、大阪市で訪問専門の助産院を開業しています、彩り助産院の
院長 前田陽子と申します(*^▽^*)

本日はこのnoteに辿りついていただきありがとうございます。
ご縁に感謝いたします☆

妊娠中の方、妊娠経過は順調ですか?

産後の方、ご出産おめでとうございます!
出産の経験はいかがでしたか?満足できる出産でしたか?

産後は心身のバランスが崩れやすく、異常に傾きやすい時期です。

まずは異常にならないために、産後うつにならないためにも、産後健康に経過するための日常生活の過ごし方についての記事を別で紹介しましたが、ここでは産後の異常についてご紹介したいと思います。(こちらは無料記事です)

正常を知っていれば異常について理解しやすくなりますので「産後1か月までの過ごし方」をご覧になっていない方は先にそちらをご覧くださいね。↓

私のことをご存じない方は、まずはこちらのプロフィールからご覧ください。

ハンカチは必須です☆

今、病院にはかかりづらい状況ですよね(;・∀・。

いち早く異常を見極め、早く対処することで必要以外の受診をしなくて済みますし、受診が必要と早く判断できれば悪化を防ぐことができます。

自分の身を自分で守る方法。これも妊娠前から知っておくことが必要な内容です(^^♪

では具体的な異常の内容をご紹介していきますね。


1.発熱している


体温を測る女性

産後2週間くらいまでは37℃台の熱があっても問題ありません。
産後の体を元に戻していこうとする体の正常の働きです。

しかし、出産後24時間以降~10日間以内に38℃以上の熱が2日以上続く場合は「産褥熱」といって異常な発熱です。
これは体のどこかで感染を起こしている可能性があります。

発熱に伴う症状によりどこの感染を起こしているかの検討がつきます。

✅下腹部が痛い・重だるい→子宮内感染の可能性

✅出産のときにできた創(会陰切開、会陰裂傷、帝王切開創)が痛い・赤くなっている・創から分泌物がある→創感染の可能性

✅排尿時の下腹部痛・排尿後の残尿感・何度も排尿したくなる→膀胱炎の可能性

✅悪寒がひどく腰痛がある→腎盂炎の可能性

✅おっぱいが赤くなっている、しこりがある、熱っぽい、張りが強い→乳腺炎の可能性

これらの症状がある場合は迷わずすぐに産婦人科受診をしてくださいね。

産褥熱は予防ができます

子宮内・創感染の予防

産後の外陰部消毒と全身のシャワー浴、排尿・便前後に手を洗い、ナプキンをトイレに行くたびに交換する。

産後悪露が無くなる約6~8週間後までは24時間ナプキンをつけたままになります。ナプキンは直接外陰部に触れるもので、汗や性器からの出血や分泌物が付着することで蒸れやすく菌が繁殖しやすくなっています。

外陰部に傷がなくても、腟や子宮内には傷がありますので十分に清潔にするよう心掛ける必要があります。

膀胱炎・腎盂炎の予防

カフェインの入っていない水分(麦茶・白湯など)を1日1.5~2リットル飲むようにし、トイレは行きたくなったらすぐ行くようにしてください。赤ちゃんが泣いていても、授乳の途中だとしても我慢せず優先してトイレに行ってください。

産後は汗をよくかきますし、母乳を授乳している方は母乳にも水分が取られるので2リットルを目標に飲んでくださいね。

乳腺炎の予防

・授乳の前後にはおっぱいを綺麗なタオルで拭く

・乳頭に傷ができるとそこから菌が入りやすくなるので、授乳前には乳頭マッサージをして赤ちゃんが吸いやすい状態にする

・授乳前後に手を洗う

・母乳パッドは授乳の度に交換する

・退院後なるべく早く、地域の助産師におっぱいの状態や吸わせ方を診てもらい適切な方法を教えてもらう

乳房の状態も赤ちゃんの状態も毎日変化します。

退院した時には張ってなかったおっぱいが退院したとたん張ってきてどうしたらいいのか分からないという方は多くおられます。

お母さんにも赤ちゃんにも負担なく授乳できる方法を知っておくことは乳腺炎予防にとても効果的です。

退院後早めに助産師に訪問してもらうというのがポイントです。

自宅での授乳の状態を観ることで、普段の授乳の姿勢や方法の問題点がわかり、最適なアドバイスをしてもらえるからです(^^♪

清潔については「産後1か月の過ごし方」の「清潔について」で詳しくお伝えしていますのでそちらを参考にしてください(*^-^*)

体温測定は赤ちゃんだけでなく、お母さんも毎日測定するように習慣づけておくと早い時期に異常に気付くことができますよ。


2.悪露の量が増えたり、血性になってきたとき

生理用ナプキン

悪露が血性なのは出産後2-3日くらいです。産院を退院するときには褐色や茶色っぽくなっているのが正常です。

それが、出産後すぐのように真っ赤な悪露が出たり、レバーのような塊があったり、量が増えてくるのは子宮の収縮(子宮の戻り)が悪くなっている状態です。

前日より少し赤いくらい、少し量が増えてるくらいなら横になって休息する時間を増やしてみると改善することもありますが、そうでない場合は2週間健診や1か月健診を待たずに産婦人科を受診してください。

真っ赤な出血が持続的にある場合は緊急受診が必要です。

予防については「産後1か月までに過ごし方」をご覧ください。


3.イライラしたり落ち込んだりして日常生活の動作が何もできない

子どもをあやす

出産のときに胎盤が出ることで、ホルモンバランスが一気に変化します。

マタニティブルーといって、涙もろくなったり、イライラしたり落ち込んだりする症状が産後誰にでもありますが、これはだいたい1か月くらいで治まってくる一過性のものです。

産後1か月が過ぎ、周囲が落ち着き日常生活が戻り、里帰りしていても自宅に戻る頃、お母さんが家事・育児をほぼ一人でこなさなければいけなくなった頃から注意が必要です。

気持ちが落ち込む、涙もろくなる、疲れがひどい、何もする気になれない、育児や家事に集中できない、判断力が低下して何にも対応できない、話し方や動作が鈍くなる、死んでしまいたいと考える

何も手につかなくて食欲も無く、赤ちゃんのお世話もする気になれず1日中ボーっとしてしまうのは異常です。

しかしこれは症状が進むと自分では異常なことに気がつかないんです。

ご家族が変だと気付いてあげないと、受診の機会を逃してうつ病となってしまう可能性があります。

こちらも予防については「産後1か月までに過ごし方」をご覧ください。

産後はつい赤ちゃんのことに意識が向いて自分のことは後回しになりがちですが、お母さんの健康が赤ちゃんを大切にすることにも繋がりますので、お母さんの体調を最優先に考えて、異常かも?と思ったらできるだけ早く受診するように心掛けてください。

今は発熱するとコロナの可能性を考えられてスムーズに診察を受けることができなくなっています。

訪問のご依頼で一番多いのが「乳腺炎かもしれないけど発熱してるから診てもらえなくてどうしたらいいのか分かりません。とにかくおっぱいが痛くてつらいです。」というものです。

そんなときのためにも是非近くの助産院もチェックしておいてくださいね。

日本助産師会のHPから近くの助産院が検索できます。

セミナー 1246

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